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tonami
2025-11-17 20:08:29
11997文字
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ラブレター・フロム
'25⚔️誕。航海ラブレターの続き
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頭上をカモメが旋回する。何度か真上をぐるぐると回り、一鳴きして嘴から下ろされた紙をゾロは難なく受け取った。
なんの装飾もない、シンプルな白い封筒。表に書かれた宛名には少し乱れたロロノア・ゾロの文字。癖のある字は見慣れたもので、差出人が書かれていなくても誰からかなんてすぐにわかった。そも、ゾロにわざわざ手紙を出してくる人間は一人しかいない。
特段見られても困るものではないので、そのまま封を切った。中身は封筒同様、白い紙が一枚。それからどこかの風景を写した写真。高いところから取ったのか、茜色に染まった水平線が遠くまで見える。──そういえばいつだったか、夕焼けは命の色だと言った医者がいた。
『沈んだ後も共に』
紙には一言、言ってしまえば少々読みにくい文字。もともと筆記スピードと頭の回転が噛み合わず、本人以外に解読できない字を生成するので、これでも丁寧に書かれているほうだ。ゾロに送るものだからと気を遣ってくれたのだろう。こればかりは受け取った側が読めなければ意味がない。
「なんだそれ?」
手すりに座って釣りをしていたルフィが無遠慮に覗き込んでくる。それを躱しつつ、ゾロは手紙を懐にしまいこむ。見られても困るものではないけれども、読むのは自分一人であるべきだ。こんな太陽もかくやと言わんばかりに熱烈で、深海よりも暗く重い深度の手紙は。
ゾロは不思議そうに首を傾げる己が船長を見上げて、口角を上げた。
「とっておきの恋文だ。おれの男からのな」
額面通りの夜はもちろんのこと、──互いに天寿を全うしたあとも共に、なんて。
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