いを
2025-09-24 21:12:45
3074文字
Public タグ、掌編、その他
 

タグまとめ27

刀神
浮き島の魔法使い
それぞれフォロワーさんのお子さんお借りしています。


 すみれは公園のすみで花を見つめている。かたわらには空。いつもの光景だ。それを垂はとおくで見ている。
 そよぐ風は少々乾きはじめ、夏のような湿り気をおびる風は最近ご無沙汰であった。
「すみれ、空、そろそろ……。なにをしているんですか」
 座り込んだふたりに影ができる。ぱっと同時にあごを上げ、手に丸っこい花をもってずいとこちらに見せてきた。
 薄い紫色の、ほんとうに星のような花だ。
 一見丸いがよくみると、ひとつひとつ星形のちいさな花がまとまって咲いている。
「どこかで見たような花ですねぇ」
「なんて花なのかわかんないのか?」
 空の丸い目がこちらを見つめている。今ではスマートフォンのカメラで簡単に分かるようだが、垂はそれをあえてしない。
 自分で調べる労力も今は大切なのだ。
「家に植物図鑑があったでしょう。それで調べてみては」
「そうだな。すみれ、あとで調べよう」
 自分も分からないので、家事が一段落たら一緒に調べてみてもいいかもしれない。
「って、その花、花壇の花では……
「なんか、いっぱい生えてるから」
 空の無邪気そうなことばとすみれのきらきらとした目。垂はこういう彼らに弱いのだ。
 この周辺の自治会長はどなただっただろう。肩を落としながら宙を見つめた。