和泉 小夜
2019-08-16 22:13:22
3081文字
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かみさまのおはなし(燭台切と太鼓鐘)

初出 18/09/21 00:52 Caravel

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「ねぇ。確か、きみは僕の所有物なんだっけ?」
「つまり、僕の命令なら。どんな内容も拒まないということかな?」
『そうだ。俺は、貴方に逆らうなどという考えを持ち合わせてはない』
『だから、どんな命令でも下してくれ』
「そう。それじゃあ命令するね」
「僕が折れたり、此世に飽いたら一緒に死んでよ」
「きみは、僕の暇潰しになってよ」
「ずうっと、僕と一緒に生き続けて」
「きみが僕より先に折れることは許さない、僕より先に死ぬのは駄目だよ?」
「僕と一緒に死ぬ覚悟や勇気があるのなら、それを僕と一緒に生きることに使ってよ」
「僕からの命令だもの、いいこのきみなら聞けるよね?」
……そうだな。貴方の命令なら、それに従おう』
『俺は決して、貴方より先に折れたりなどしない。自殺もしない』
『貴方が先に折られたら、折れた貴方の本体と共に水底へと沈もう』
『貴方が此世に飽いたなら、ふたりで何処か遠くへ行こう』
『冥土も常世も退屈させない。ずっと貴方と一緒に居るよ』
「ありがとう。きみは、いいこだね」
『別にイイコではないさ。相手が貴方だからだよ』

矢張り甘いな。俺が死なぬ様にと、命令など。
貴方が此世に飽いたりすることなど、無いくせに。
決して自害が出来ぬ呪いを、俺にかけて。

嗚呼、でも、俺は。呪いでも。貴方から。貰えて、嬉しいと。幸せだと。

これで俺は死ねなくなってしまったけれど。
貴方と共に居られるなら。生きることも存外、悪くはないかもしれない。
そう思える程に、貴方が大好きで、貴方を愛していて、貴方に恋い焦がれているのだ。