和泉 小夜
2019-08-16 22:13:22
3081文字
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かみさまのおはなし(燭台切と太鼓鐘)

初出 18/09/21 00:52 Caravel

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『だから、さ。貴方は、俺を。棄てないでね?』
「捨てる?」
『棄てる。棄てる?俺のこと』
「何故?僕が、きみを?理由は?」
『信者だから、だな』
『貴方は俺に信者という役を望んでないよね。分かってるよ』
『でも、俺から見たら貴方は紛れも無く神様でね』
『酷くて、優しくて、綺麗で、格好良くて』
『そんな神様が、殊更に愛しい』
「恋仲よりも?」
『恋仲よりも。俺は彼を好いてないからね』
『好くも愛すも恋い焦がれるも貴方だけだよ』

『俺は貴方からの行為の総てを愛情と捉える』
『それが、たとえ、どんなに酷い仕打ちだとしても』
『貴方から頂けるものなら、総てが愛おしいんだ』
『傷も、痣も、火傷の痕だろうと』
『俺は貴方の総てが欲しいんだ』
『俺は貴方と一緒に逝きたいんだ』
「きみは、僕と。ずっと一緒に生きてくれるの?」
……貴方が、それを望むなら。俺は、貴方と共に生きるよ』
『我侭が云えるなら、最期は貴方と心中がしたい』
「僕と一緒に死にたいの?」
『願わくば。最初から最期まで、貴方と共に在りたい』
『生きる時も、逝く時も。生涯を貴方に捧げると決めたから』
「まるで巫祝や神子みたいだね」
『それで構わない。俺の神様は、貴方だけだから』
『他の燭台切光忠では駄目なんだ。貴方でないと駄目なんだよ』