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すだ
2025-08-18 21:10:35
7577文字
Public
婿スバカグ
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ある日のデートまたは休息
舞手カグヤ婿スバル。
絆レベルは4くらい。
働きすぎのスバルと喧嘩した、働きすぎのカグヤが仲直りしてお休みする話。
投稿者による幼少期の妄想があります。
こんなの書いてますけど、一番ワーカーホリックなのはタクミさんとクサツさんですよね。
#スバカグ
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結局、モコロンの冷静な指摘により、互いに謝罪することでいざこざは終わった。せっかくの休息なのに喧嘩をしていてはもったいない。
今、カグヤはスバルが用意してくれた弁当を興味深そうに覗きこんでいた。
「はい、カグヤ」
「ありがとうございます」
「はい、モコロンの分」
「ありがとな、スバル!」
「いただきます」
「どうぞ」
目を輝かせながらおにぎりを食べ始めるモコロンを横目で見た後、カグヤもゆっくりとおにぎりを口に運んだ。
「あ、美味しいです! これは梅干しですか?」
「うん、夏の里は気温が高いし食べものが悪くなりやすいから。梅干しを入れると腐りにくくなるってツバメさんに教わってさ。ただ入れるだけじゃなくて梅肉を細かく刻んでから一緒に炊き込んだんだ」
「そうなんですか。工夫していてすごいですね」
「うまいぞ!」
感心しながら嬉しそうに頬張るカグヤたちの姿に、良かったとスバルは胸を撫で下ろす。
ひとりで出かけるだけだから最近凝っている乾燥果物を食事にしても良かったのだが、せっかくの休日だからと朝から仕込んでおいたのが役に立った。
今ではカグヤだけでなく、彼女の相棒のモコロンもスバルを側で支えてくれた大切な存在だ。ふたりに喜んでもらえて嬉しい。
食事を終えた後は、3人でクラマから教えてもらった遊びを試してみたり、話をしたりするうち、あっという間に時間が過ぎていった。
傾き始めた夕陽を見て、カグヤが名残惜しそうにため息をつく。
「楽しい時間ってあっという間ですよね」
「そうだね。少しはゆっくりできた?」
「はい、とっても!」
「オイラも絶好調だから、こいつの言ってることは嘘じゃないぞ」
満足そうなふたりの様子にスバルも満ち足りた気持ちになる。
できればもう少しカグヤと一緒にいたい。
そういえば、とスバルはカグヤに声をかけた。
「そうだ。カグヤ、まだ時間はある?」
「ええ、大丈夫ですけど」
「最後に寄りたいところがあるんだ」
「わぁ
……
!」
歓声を上げ、カグヤが駆け出す。そこは夏の花が咲き乱れる群生地だった。
「この辺りを散策していたときに偶然見つけたんだ。カグヤは花が好きだから、喜んでくれるかなって」
「はい、とっても素敵です! ありがとうスバル!」
目を輝かせ礼を言ってくれる幼馴染の様子にスバルは目を細めた。
「近くを通ったことがあるのに、全然気が付きませんでした。やっぱりスバルは素敵なことを見つける天才ですね」
花の匂いを楽しみながら発したカグヤの言葉に、スバルは瞬きした。
「そうかな? 自分ではそう思ったことはないけど」
「そうですよ。小さい頃、お稽古が嫌だった私に競争して勝った方が好きな遊びをやろう、って言ってくれました。その言葉でとてもやる気が出たんですから」
「ああ
……
」
彼女に笑って欲しくて考えついたことだった。スバルの心にはいつもカグヤがいて、気がつくと彼女の喜びそうなことを考えてしまう。
子供の頃は、カグヤが笑顔になってくれそうなものを見つけると、彼女のところへ駆け込んでは大人たちに呆れられていたものだ。
「こんなに貰ってばかりではいけませんね。私も何かあなたにできることがあればいいのですが
……
」
そう意気込むカグヤに、スバルは首を左右に振った。
「いいんだ、恩返しみたいなものだから」
物心ついた頃から、ずっとスバルの心の支えだったカグヤ。命さえ救われ、彼女には一生かけても返せないくらいの恩がある。スバルは陰になり日向になりカグヤへの恩を返し続けるつもりだ。
「恩返し? 何のですか?」
「秘密」
不思議そうにスバルを見上げるカグヤの横で、モコロンが自慢げに鼻を膨らませた。
「オイラおんがえしって知ってるぞ! キツネが助けてもらったときにするんだって、ひなが言ってた!」
「あれ? それってタヌキじゃないの? コタロウくんが言ってた」
「そうなのか?」
「どっちなんでしょう?」
「「うーん」」
悩み始めるふたりを見て、スバルは苦笑した。何かにつけて張り合うひなとコタロウらしい。
ちなみに後日クラマに聞いたら「鶴じゃないか
……
?」と言っていた。
スバル、カグヤ、モコロン。夕焼けに照らされたふたりと1匹の影が長くのびる。
暗くなる前に早く帰ろうとスバルが急かすと、カグヤがスバルの手を取り駆け出した。
おい待てよ、オイラを置いていくな! と文句を言いながらも、モコロンは嬉しそうだ。
どうかこんな日々が末長く続きますように。
カグヤに手を引かれながら、スバルは願わずにいられなかった。
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