usagipai
2025-08-10 10:58:00
3703文字
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ルイアニェ




オマケ

神の街に降り立ったその日、
街の住人たちはアニェラの姿を目にするや否や、青ざめて道を避けていく。
ヒソヒソと噂をされ、有る事無い事を呟かれる
——いつものことアニェラは気にしなかった。

しかし後ろで、ルイフが何かを感じて振り返ると
アニェラめがけて何か薬品をかけようとしている男がいたのだ
「アニェラッ!!」
アニェラに覆い被さって守ったが
その瞬間、背中に鈍い痛みが走った。
やはり危険な何かをかけたのだ。

吸血鬼のときならば耐えられたかもしれない。だが今は違う、彼はもう人間。
傷の治りも普通の人間と同じだ。

緊迫した空気の中、アニェラは迷わずルイフの頭を包み込み、手にした薬品の入ったビンを犯人めがけて勢いよく振りかけた。

「可哀想に……
アニェラの声は、冷たくも優しくかった

犯人の男は苦しそうに叫び始める、どうやら硫酸の類だったらしい
痛みに悶え苦しむ声が耳をつんざく

「その痛みは、それはこの子が味わった痛みだよ
何を思って喋っているのかわからない顔で淡々と苦しむ男に対しそう言い放つ
しかしルイフを包むその手が少し硬く強張った

そして騒ぎが大きくなりその場を一旦後にした2人
裏路地にてルイフの怪我治したアニェラがポツリ
なんであんな行動とったのぼくは神子で人間じゃない、あんなのかけられても痛くも痒くもない」

不思議でならない、わからないと言ったいつもの様子でこちらを見るしかしその中に一つ見たことが無い感情を馴染ませていた
「怒ってるのか」
ルイフのその言葉に肩がビクつく

「?怒る」
「今、そんな風に見えた」
……おこる………

そして数分、アニェラは言葉を探しながら考え込んだ。
「怒る?……」「どうしてこんな………
ボソボソ独り言が続くなか
どんなに声をかけても聞こえておらず
自分の世界に入っているようだった

やがて、いっぱいな気持ちであろうなか
静かに口を開く。
………………帰ろう」
ただそれだけ……
その一言だけを残し、あとは何も言わずに帰り道を歩き出す。

何を感じているのか――アニェラ自身にもわからなかったが
ただ、それがアニェラにとって何か新しい感覚であることだけは確かだった。

その後
少しの間、またルイフが無茶をするのではないかと思いもっと離れなくなったアニェラが誕生するのはまた別の話