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あけみ
2025-07-25 21:50:01
11224文字
Public
MCU(小説)
【MCU】あたたかな光は君だった【バナトニ】
2019年発行しました最後のバナトニ本からの再録。ピクブラにupしているものと同じです。
エンドゲームのバナトニ。中身を少し加筆修正してます。
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目を開けたら、トニーの唇がそこにある。
「
……
ブルース?」
一旦、顔を上げて小さく呟いたトニーはぼんやりとこちらを見つめた。
「戻ったか?」
「うん
……
何か壊さなかったか?」
言ってから周囲を見渡して眉を下げる。机が半分に割れているのを確認して「ごめん」と小さく謝った。
「大した被害じゃない。ただの癇癪だ」
トニーは笑った。なんだか、こんなやり取りも久しぶりだな。バナーもつられて微笑むと、二人の一部始終を見ていたロケットが口を歪ませた。
「おまえら
……
やっぱり、そういう関係だったのか。いや、まぁ、深く追及はしねぇけどさ、ここでイチャイチャする時はオレもいることを忘れるなよ」
まぁ、そうなったらオレは退散するけど。と、そんなことを言いながらどこか慣れた口調でロケットは溜息をつく。笑ったバナーの視線は再びトニーへと向けられる。
自身の中にハルクを見つけることができたのは石の作用だったが、臆病になったハルクに小さな勇気を与えたのはトニーだろうことはバナーにも分かった。
バナーは何度か両手を開きまた握りしめる。大きな緑の手は先程まで感じなかったハルクの存在が今は確かにあった。バナーは静かに「ハルク」と、語りかければ拳を合わせるように返事があった。
この感覚を一生忘れないだろう。
「なぁ、トニー、君はやっぱりあたたかい光だ」
「なんだ急に。口説いてるのか? そんなこと言っても、もう遅いぞ」
うん。
もっと早く言えば良かった。
君が目覚めるのをそばで待てば良かったんだ。
バナーは掴んだままだったトニーの手をそのままにジッと見つめる。トニーはというと、少し眉を寄せて首を傾げたり、「ブルース?」と呼び掛けても何も答えないバナーに不審に眉を寄せながら、けれど繋いだ手から体温が上がるのが伝わった。
唇を結んで少しムッとしたような君の顔。少しずつ頬が赤らむのも見える。きっとバナーとハルク、二人分の視線を向けられているのだ。トニーがこんな表情をするなんてそうそうない。
口元を緩める。
この瞬間をバナーはずっと覚えていようと思った。
fin
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