その夜も、アカラナータは飽きることなくインドラに挑みかかっていた。そして、いつも通り、いとも簡単にねじ伏せられ、寝台の上に押さえつけられていた。
インドラが力において自分より遥かに上であることは、嫌というほど身体に刻み込まれている。
だが、アカラナータは少しも懲りていなかった。むしろ、このインドラに支配される屈辱的な時間が、背徳的な快感になりつつあることを自覚していた。
数度の交わりを終え、インドラがアカラナータの身体から離れようとした、その時だった。アカラナータはまだ物足りないとでも言うように、インドラの腕を掴んだ。
「おい、もう終わりか」
「……まだ何か用か」
「ああ」
アカラナータはインドラを見上げ、嘲るように囁いた。
「アンタさ、いっつも力任せだよな。まあ、それも悪くはないんだが。それ、シヴァにもそうやってたのか? もっとマシなやり方、知らねえのかよ」
それは、いつもの挑発のはずだった。インドラの反応を愉しむための、軽い戯言。だが、その言葉を聞いた瞬間、インドラの動きがぴたりと止まった。ゆっくりと顔を上げたその灰色の瞳には、いつもの冷徹さや怒りではなく、底の知れない、静かな光が宿っていた。
「……なるほど」
低い、静かな声が部屋に響く。
次の瞬間、アカラナータは自分がインドラの腕の中に抱きかかえられ、ゆっくりと体勢を入れ替えられていることに気づいた。
インドラは彼の腰の上に跨るように膝立ちになり、より絶対的な位置からアカラナータを見下ろしている。
「神への奉仕を語るとは面白い。ならば、その身に教えてやろう。本物とは、どういうものかをな」
逃げ場のない獲物を前にした、絶対的な捕食者の気配。それはこれから始まる「奉仕」という名の、完全な支配の宣告だった。
いつもと違うその雰囲気に、アカラナータは思わず息を呑んだ。
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