さつま
2025-07-08 19:52:37
2595文字
Public 🎩🟩
 

【こばなし】🎩🟩

みじかいの。
カフェを経営していた一般年上女性。なんやかんやあって革命軍にいる。
※過去に死別した海賊の恋人有り設定。



手袋は捨てた、手もしっかり洗った。でもまだ掴んだ肉の感覚がや血の匂いが残っているようで、彼女に触れるのを躊躇ってしまう。
そうして会わないまま、夜になってしまった。とはいうが、本当はコブラ王の暗殺の件についての誤解を解くことと、その時に起きていたことの報告やらなにやらをしていたら、会いに行く時間がなかっただけ。
かなり心配させてしまっただろうな。ちゃんと寝れていたかな。
探し求めていた人物の後ろ姿が見え、手を伸ばして、止まる。この手で、触れていいのだろうかと過り、足も止まった。

「サボくん!」

己を呼ぶ声に、意識が戻る。いつの間にか愛しい彼女が目の前に来ていて、中途半端に上がったおれの手を掴み頬を寄せていた。あたたかくて、やわらかい。きらびやかな瞳から流れる涙が指を、手の甲を伝っていくのを目で追いかける。
いざ触れてみれば、残った肉の感覚や血の匂いなんてものは錯覚で、知らず力んでいた肩の力を抜いた。

「心配かけて、ごめん」

……、怪我は、ちゃんと診てもらったの?」

「診てもらった、特に問題は無かったよ」

その言葉に小さく頷く彼女の頬を、ゆっくりと撫でながら、指で涙を拭ってやる。やっぱ寝れてなかったんだ。隈ができてる。深手で結構やばかったことは、黙っておいたほうがいいよな。