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あいづき
2025-07-04 16:17:04
Public
創作
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人物 ✕ キーワード
短文を五月雨式に
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身近な避暑地
昔はこんなんじゃなかったと言えばそうかもしれない。
ただ、そんなことも言っていられないほどの熱が身体に染み込む。燦然と輝く暴力に等しい太陽光は明確に皮膚を焼き、水分を奪う。最近では日差しが強い時こそ長袖を推奨されており、自分も例に漏れず通気性の良いシャツの上から薄いカーディガンを羽織っている。この暑さでも取れない手袋は一昔前ならば奇異な目で見られていたが、最近は紫外線対策の一環と捉える人も増えて来た。実際は軽度の潔癖であるだけなのだが。春夏秋冬外に出る時、手袋は必須である。
しかしながら、日傘も使用し対策をしたところで暑いものは暑い。アスファルトとビルの反射光、そして多くの室外機に囲まれた都会は熱の逃げ場もなく、風も通らず、天然のサウナだ。サウナの中を歩いていたら、水風呂を求めてしまうのも自然の摂理、生存戦略である。
今、自分の目の前にはコンビニがある。後数歩前に足を繰り出せば目の前の自動ドアは躊躇うことなく開き、軽快な電子音とともに従業員へ一人の入店を知らせるだろう。
ぴたりと、入る前に少々立ち止まり考える。
入ったからには何かしら買わねばなるまい。それが店舗に対する礼儀というものだ。水分は当たり前の様に購入するが、何かそれでは足りない気がする。それ以外も何か。
(
……
いや、ああ、単純な話か)
数秒立ち止まり、そのまま中へと入る。
期待を裏切らない音と共に、予想以上の冷風が全身を包む。外の空気を一番纏うガラス戸が結露していたから、その量を見るに外気温との差は十度以上ある事も察する。店舗設計の時に計算された導線の上を歩き、奥の冷蔵庫から麦茶を四本取り出し抱える。その上で、普段一人ではあまり見ない冷凍庫を覗き込む。この時期らしく、新商品と書かれたポップが立ち並び、手を入れれば店内よりも更に低い温度がベールのように腕をやわく包む。その中から輪切りにしたレモンが入っているかき氷を二つ、スイカの形を模した氷菓子を二つ手に取り、そのままレジへ向かい会計を済ませる。
三人がどちらを選ぶか、何となく想像をしながら。
再び天然サウナの中に、身を置きに行く。
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