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もち粉
2025-06-21 21:11:19
6065文字
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歌えカナリア、告げよヒバリ 上
パッタドルの話
パタちゃん、きっと優秀な方なのだ敬わねば!だけで、あんなにミスさんのこと心配してくれるのすごない?もうちょっと何かあったでしょ?で書き始めた
25/06/25 5頁目追加
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シスヒスが引き合わされた、迷宮調査隊の隊長ケレンシル家のミスルンは、ぼさぼさとした銀髪から隻眼を気だるげに虚空に彷徨わせる陰気な男だった。
エルフの特徴であり、誇りであるピンと尖った耳は、両方とも半ばから千切られたように欠けていた。
かつて彼が迷宮調査隊の一隊員であったころ、悪魔に魅入られ迷宮の主になったという。やがて彼の迷宮は崩壊し、当時の隊員たちに救出されたが、半ば廃人と化していたらしい。
――
それでもここまで動けるようになるものなのね。
悪魔に欲を喰い荒らされて、たったひとつ残された悪魔への復讐心のみで生きているということだった。
基本的な生存欲までを失っているので、誰かが食事や睡眠を取るように面倒を見なければならない。生活習慣は残っているため、行動を促してやれば動作の介助は不要だ。「お前の幻覚術でよろしく頼む」とフラメラには言われている。
ケレンシル家のミスルン。
――
ケレンシル。金融で財を成した国内でも有数の大貴族だ。シスヒスにとっては、憎むべき貴族社会の象徴のような家名だった。
私がこの男のお世話ですって? シスヒスの花びらのような唇がにいと吊り上がった。
一方、パッタドルは、引き合わされるべき自分の担当する囚人二名をイライラと待っていた。大部屋に集められた同期入隊者たちの元には、囚人たちが自ら挨拶に来ているというのに、パッタドルが担当するはずのリシオンとフレキという囚人たちは来る気配がない。
そこここで談笑の輪が広がる中、一人でいるのに耐えきれず、パッタドルは二人を探しに部屋を出た。
船中を探し回って見つけたふたりは、船首の甲板にだらりと寝そべって暇そうだった。
「あー、あんたがパッタドル? 着任今日だっけね。忘れてたよ」
のほほんと笑ってみせる背が高くて穏やかそうな顔をした男、リシオン。
「おーす、まあよろしく頼まぁー」寝転がって腕枕をしたまま、ひらひらと片手を振るくせ毛の小柄な女、フレキ。
――
なんだその態度は。
「私はヴァリ家のパッタドル! 本日より貴様らの担当となる。私が担当の限り、そのようなだらしのない態度は許さない。その性根をたたき直してやる!」
「はあ!?」
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