sousakuyamamusume
2025-05-18 20:36:57
1773文字
Public 一次創作
 

彼岸警邏隊9


 その一報は、あまりにも急だった。
 そろそろ会議のために出発しないと、というところで、緊急の通信が飛び込んできた。
「つないでくれ。」
「了解。こちら司令部、通信を許可します。」
『こ、こちらα!コードネーム:コールが、任務中の負傷により、救急搬送されたと!』
 急速に思考が冷えるのを感じた。久々だ、この感覚は。
……会議は特別任務につき延期だ。先方にそう伝えるように。」
 今はもう、俺の相棒じゃない。わかってる。それでも。
 ここで黙っていられるほど、出来た人間じゃないんだ、俺は。
「はっ。」
 敬礼する部下を一瞥して、部屋を出る。
……マテバ。盗み聞きは感心しないな。」
「まさか、会議とか言いませんよね?スギナさん。」
 その言葉に、思わずぞっとした。
 娘のこんなに冷たい声は、初めて聞いた。
 娘のことはいままでずっと見てきた。時間を見つけては育児に参加していたし、自分の部下になってからも怪しまれない程度には見守っていた。だが、そうか。
 お前も、相棒が傷つくのを黙って見ている子じゃ、ないもんな。