kanaco
2025-05-16 23:36:45
12216文字
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【3少信/4少仲良し】4少仲良し(信一愛されor総受)SS(単作)まとめ(フセッター時代)

1P~4P【チャージ!】信一が洛軍と十二と四仔にギュってしてもらって、ひたすらご満悦になるだけのはなし。
5P【包子】信一と十二が包子食べてて、洛軍と四仔が見守ってるだけのはなし。



【包子】

気だるげな13:00。

洛軍、四仔、十二は暇を持て余し、空き部屋で過ごしていた。

今は砦のパトロールで姿を現さぬ信一が戻ってきたら、毎度お馴染みの麻雀大会をする算段だ。それまで各々が好きなことをしてだらけている。十二はソファの下に胡坐をかいていつものように髪型を整えているし、四仔は窓際の隅の方で何の内容かは分からぬ日本語雑誌を開いている。麻雀椅子に座って洛軍はなんとなしに気を抜いていた。さっきまで手伝いで重たい荷物を運びながら城塞を何往復もしていたから、その休憩である。

そのまったりとした空間へ「ああ~!腹減った」と間の抜けた一声を飛ばしながら信一がやってきた。「おつかれ」と洛軍が声をかけると信一も「お前もお疲れさん」とポンポンと洛軍の肩を2回叩く。どうやらパトロールの間に自分が頼まれごとを片付けていたのを見ていたらしい。洛軍の顔が明るく綻ぶ。お互いを労うような関係性が心地良い。

信一は十二が床に腰を下ろす隣へ、つまり誰も座っていないソファにドッカリと腰を降ろした。左手には小さめの白い紙袋。さっそくごそごそと中身を取り出す。

「それ昼飯か?」
「そ。高さんとこの包子。パトロールしてたらご褒美ってくれたんだ。どうやら味が新作らしい」

感想を教えてくれってさ、と信一が洛軍に見せてくれた包子は、その表面に仄かな艶をみせる、ふわふわとした白い生地に包まれた、柔らかそうな包子だった。見ただけで食欲がそそられてくる。高さんのお店の包子ならば中はきっとジューシーで熱々なんだろう。美味しそうだな、と洛軍は思う。自分も明日の昼飯はあれにしようか。

その包子を一口。ご機嫌にパクリと食べた信一が「お?」っという顔をして止まる。
モグモグと口の中を空にしペロリと口の端を舐めると、「十二」と声をかける。

「んあ?」
信一が来てもまるで気にせず夢中で髪をセットしていた十二が気の抜けた返事をした。顔を上げて一度首をのばして高い位置にいる信一と包子を見やると、何を言われた訳でもないのにそのまま体勢をクルッと振変え、膝をソファに乗せて背を伸ばしながら、信一が左手に持つ包子に手を使わずそのまま直で齧り付いた。

(えっ)と洛軍が思う。

パクリと食べた十二が目をキラキラと輝かせる。
「うっま!!!!」
「だなぁ。お前の好きな味だよな」
信一が何の許可もなく包子を齧られたことを気にした様子はない。
それから妙に近い十二との顔の距離感にも。

「あ?どうした洛軍?」
2人を凝視する洛軍に気がついた信一が声をかける。
「いや.........それ」
「ああ、十二が好きそうな味だなって思ったから」
「いやそうだとしても。なんか......近くないか?」と洛軍は素直に言葉にだす。
自分よりも年下の2人だとはいえ、正確な年齢は知らないが20代半ばではあるだろう。
友人同士とはいえ、成人男性2人の行動であろうか。
「餌付けか」と、実は一部始終を見つめていた四仔がボソリとつぶやく。

「「あー..................」」

信一と十二がその距離で顔を寄せたままで目と目を見合わせる。

「龍兄貴がいつもこうやってくれるから」
「虎兄貴がいつもこうやってくれるから」


「「つい……」」


洛軍が目をパチクリさせた。虎兄貴という人には会ったことはないが、龍兄貴はもちろん知っている。しかし彼のそのような姿は想像がしにくい。

うーん?と唸っている洛軍に、四仔が心底嫌そうな声音で言う。
「やめとけ洛軍。そいつらの鬱陶しい数多の行動を気にしていたらキリがないぞ」
なんせ10年超えてずっとこうらしい。
もう無理だ。直らない。腹が立つだけだ。無視するに限る。

散々な言いようの四仔を横目に、「そうなのか」と洛軍は感心する。
2人はそんなに昔から一緒にいるのか、と。


「でもさぁ、秋兄貴の前でこれすると怒るんだよなぁ。お行儀が悪いって」
「まぁ、怒られるのは俺たちじゃなくて龍兄貴と虎兄貴だけどな」
「でも兄貴たちには嫌な顔するけどさ、俺たちが同じことしたら案外とノるじゃんね、あの人も」
「んー、そりゃ俺らが小さい頃の話だろ。今やったら凄い冷たい目線を返されそう」
「どうかな。秋兄貴、けっこう俺らに甘いじゃん」


なるほど。と洛軍は再度納得する。

信一と十二は洛軍が情景が浮かばぬ内輪な話をポンポンと繰り広げた。2人が楽しそうに話しているから、きっと秋兄貴という人物とも仲が良いのだろう。優しい人なのかもしれない。ここには彼らが子供時代からずっと構築してきた、まるで家族ぐるみのようなコミュニティが存在するのであろう。場所を転々と変え、どこかのコミュニティにはいつくことができず、誰かと長いコミュニケーションをとることもしてこなかった洛軍は、その2人の姿に少し眩しさを覚える。胸に走るような小さな切なさは、羨ましさにも直結するのかもしれなかった。

ここ九龍城砦は初めて自分が「ここにいたい」と強く願った場所。そして龍兄貴は重要なのは場所ではない、人だと言った。自分も誰かとそんな関係を築きえるだろうか。

信一とふと目が合う。その視線に気がついてか、信一が少し不思議そうな顔をしながらも見つめ返してくれる。それから「お前も食う?」と小首を傾げる。

いや、それは信一の昼食が無くなってしまうから。と断ろうと包子に目を移して「あ」と声がでる。洛軍と信一が見つめ合っている間に勝手に食べ進めていた十二が、最後の一口を嬉しそうに信一の指ごと齧りついた。

「ぎゃ!?」
「あ!」
信一が目と眉を同時に吊り上げ、十二が「やべっ」という顔をする。

「うぉいっ、なに全部食ってんだよ!俺の昼飯っ」
「だって食って良いって言ったじゃんっ」
「言ってない!」
「言ってないけど言った!」
「言ってないし言ってない!」
「お前の顔が雄弁に語ってた!!」
「だとしても人の指まで食うなっ」
「お前がそこに指を置いとくからいけないんだろうがっ」
「あ゙ぁぁぁん!?」
「あ゙ぁぁぁん!?」


(あああ

困り眉をしてしばらく友人たちの騒がしい応酬を見ていた洛軍は、やがて立ち上がった。

信一の昼飯を買ってきてやろうという名目で、その騒々しさにだんだん我慢ならず震えはじめた四仔のカミナリが落ちるその前に、そっと部屋を非難するのだ。

洛軍が部屋を出て扉閉めた瞬間に中から物凄い音が鳴り響き、思わず洛軍はビクリと肩を竦める。そして「やっぱり四仔にも買ってきてあげよう」と、一歩を踏み出した。



(了)
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美味しい食べ物や「こいつが好きそうな味だな」と思ったら、自らの手を差し出して直接に自分の右腕と若頭の口元へと分けてくれる龍・虎兄貴ズ。兄貴にしてもらっていること・していることを、お互いへマネッ子することが小さい頃から染みついている信一くんと十二くん。

でも、信一は龍兄貴から食べ物を向けられたら嬉しそうに一口パクリと食べて終わりにするけど(そして全部食べていいと言われてから全て食べる)、十二は虎兄貴から食べ物を向けられた=全部食べて良いことを知っているから、ニコニコとそのまま直接全部食べてしまうので、その齟齬が生まれて高頻度でケンカに発展する。

っていうのを可愛く書きたかったけど、あんまり可愛く書けなかった

4少揃ってからは、洛軍の食べっぷりが好きな信一と十二は自分が美味しいと思ったものは須らく洛軍に食べさせようとするし、もうずっと前から嫌がらせのように四仔に右と左から食べ物食わせようとして毎度殴られ蹴られしているよ。でも洛軍が同じように純粋な気持ちでこれ美味しいから食べてって言ったら、四仔はたぶん手からでも食べてくれるし、信一と十二が仲良く「「はぁ~!?」」って言う。