kanaco
2025-05-16 23:36:45
12216文字
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【3少信/4少仲良し】4少仲良し(信一愛されor総受)SS(単作)まとめ(フセッター時代)

1P~4P【チャージ!】信一が洛軍と十二と四仔にギュってしてもらって、ひたすらご満悦になるだけのはなし。
5P【包子】信一と十二が包子食べてて、洛軍と四仔が見守ってるだけのはなし。



■■【SAID:十二】■■


四仔は診療中だし、洛軍は住人の手伝いをしているし、信一は「仕事で疲れて眠っているからまだ起こさないでやってくれ」と龍兄貴から直々に言われてしまった十二は、せっかく九龍城砦まで遊びに来たというに相手がおらず、隙間時間を1人、屋上の直床で足を広げて座り込みボーっと空を眺めていた。

「わっ!」

突然、背後からドンっという体当たりにも似た衝撃を受け、肩を跳ね上がせる。左右から腕と足がニョキっと伸びてきて、さらに腕は十二のお腹の方に回ってそのまま抱き着くようにギューっと力がこもった。
「なんだお前かよ!」
気がつかれず自分の背後を取れる人間など、この砦には数える程もいない。ある程度は予想がついたとはいえ、ギョッとした顔のままで十二が首だけを後ろに捻る。そして犯人に非難するように声を上げた。犯人信一は十二の怒った様子を気にした風もなく言い返す。
「何も言うな十二。俺は今、ハグで癒して貰おうキャンペーン中だ」
「はぁ?」
「洛軍に抱きしめてもらって生気をもらえたから、新たなターゲットを探していたところだ」
「なにそれ妖怪!?」

つかれたー!
もうむりー!!
ほろびろー!!!

十二のうなじに額をグリグリと擦りつけながら、その首へ呪詛のような愚痴を唱える幼馴染に(俺に呪いをかけるのやめてくれない?)と思いながらも(おお……仕事のせいで相当に頭がやられたか)と仕方なしに黙って、慰めるように腕をさすってやる。朝、信一を起こすなと言う龍兄貴に(またそうやって甘やかす~)などと思ったが、どうやら本当に限界まで疲れているらしかった。

「つーか、なんでバックハグ?お前が抱きしめて欲しいんだろ。だったら逆じゃね?」
「いや、お前相手ならこっちの方がしっくりくるかと思って。そしたら思いの外にゴツかったから、今は絶賛テンションが下がってる……
……勝手にやっておいて勝手に残念がるの、マジすげぇ理不尽じゃね?」

「全然、癒されねぇ~!」と口を尖らせる信一に「このわがままボーイめ!」と言い返す。

「なんかこう、もっと俺の腕に小さくおさまる感じを予想してたんだよなぁ」
「お前の中の俺は一体どこで成長が止まってるんだよ。お前が俺より体格が良かった頃なんて、それこそ10代後半くらいまでだろう」

「そうかぁ?」と納得いかない様子の信一を無視し、十二は「よいせっ」と自分が体向きをクルリと反転させると、一度は信一と向き合い、そのふくれっ面の鼻を指でピンとはじくと、信一のこともクルリと半回転させ、先ほどの信一と同じ体勢を取った。股の間に信一を座らせると、足で体を挟み込み、その腰を通過して腹の方に腕を回す。すると遠慮なく信一が後ろに体重をかけてきて十二の右肩に頭が乗った。チロリと目が合うと、こちらの方がしっくりきたのか機嫌が直ったように見える。

「なんかさー、どこかの年齢で一気に体格良くなったよなぁ、お前」
「まぁ、鍛えてますから」
ふふん、と笑うと信一の胡散臭げな目線が返ってきた。背は信一の方が高いが、確かに体格という意味では十二の方が逞しくガッシリしているように見える。子供の頃は年齢の差や、十二のその時の最低最悪の体調によって体は小さくて細く、信一にはさぞ頼りなさげに見えていたことだろう。九龍城砦に来たばかりの頃、そしてその生活が馴れてからも、信一は十二が塞ぎ、滅入り、嘆き、落ち込む時、例え理不尽に当たられようとも傍に寄ってきて、頭をワシャワシャと撫で、後ろから抱きしめてくれた。信一にはその記憶がいつまでも色濃く残っているのかもしれない。震えながらも劣悪な状況から脱しようと必死に藻掻いていた、年下の少年を支えていた頃の記憶が。

「坊ちゃんは成長したってことさ」
そうだ、今や虎兄貴の若頭に。信一だって龍捲風の右腕に。いつまでも子供ではない。ずっと一緒に成長してきた。そしてこれからもそうだろう。
「可愛げがねぇ~」
しょぼくれた声を出す信一に(でもまぁ、変わらないこともある)と納得する。
「お前の腰は相変わらずずっと細ぇもんなぁ」
そう言いながら腹に回していた手をほどいて服の上から両脇を撫でる。
「こういう骨格なんだよ!細いとかじゃないの!」
「まぁ、そうね」
おもむろに信一の服の中に手を突っ込んでペタペタと腹や胸を触っていく。服の上からは見えないが筋肉はしっかりついているのだ。単純に骨格と筋肉を含めた体質による肉のつき方の問題だろう。薄づきながらも無駄のない美しい筋力を纏っており、触りやすい腰の細さも相まって撫でていてなかなか気持ちが良い。「んー」と子供の頃から知っている相変わらずのその手触りを堪能していると、服の中を好き勝手に弄られながらそれでも嫌がることはない信一が、ただただくすぐったがって笑いながら身を捩る。

このままどこまでもじゃれ合っていてもいいのだが、そういえばこれは信一のハグで癒して貰おうキャンペーン中だった、と十二は思い出す。全然しっとりした雰囲気にならないが、まあ、自分たちにはこのワチャワチャとした空気感がお似合いだろう。

わはは、と十二少が笑い、服から手を抜くと改めて後ろからギュと抱きしめてやる。
「で?元気になったのかよ」
「十二チャージ!」
信一が嬉しそうに「ふふっ」と笑った。