獣と獣の小話たち その二

pixivに上げていた同タイトルのまとめより、既にこちらに掲載済の作品を除いた短い作品たちの再掲となります

お題「髪を乾かし合う」より




「髪、伸びたなあ」
 普段は後ろに纏めている青い髪が、白い肌の指の動きに導かれるようにサラサラと流れる。それを少し照れくさそうにしながら受けるディルは、やがて振り返って遊んでいたクルウに腕を伸ばして胸元にスッと引き寄せてしまった。
「ほら、お前が風邪引いちゃうからさっさと乾かすぞ」
 う、と一言唸ってからクルウは渋々と……でも少し嬉しそうにディルとは反対側を向く。そうして暫くの間、クルウの白い髪をふわふわにするべくディルが丁寧に乾かしていた。
「もう後ろのほうは肩に届きそうだな」
「そっか、重くなってきたなーとは思ってたけど。」
 木櫛でクルウの髪の流れを整える。その度にくすぐったそうに揺れる耳が可愛らしくて、思わずディルは軽くつまんでしまう。やめて、とは何度か聞こえてくるが特にそれらしい抵抗はないので、気の向くままに耳を柔らかくマッサージしたり付け根のほうを撫でてやった。
 すると、ほんの一瞬だがディルの胸にトンッとのしかかってくる衝撃。そしてクルウが慌てて上体を起こして首を軽く振る。
「眠い?」
……お前が変な触り方するから」
 そう言ってディルの太ももに軽く尻尾を叩きつける。それでも尚ディルは手を止めることなく、その様子にクルウは諦めたように背中を預けて力を抜いた。