ろころころ
2025-04-30 04:40:20
5437文字
Public
 

pk短編擬小説まとめ①




似ているね


昼下がりの中庭。暖かな日差しに穏やかな風。
ジュナイパーのフクにとっては、楽園にも等しい場所。

爽やかな香り漂う緑の上で、目を閉じて自然と一体化する。



──────ふと、感じたことの無い珍しい気配を感じ取った。


「ふるっふー、誰かそこにいるの?」
「あれ?バレちゃった?目を閉じてるのに気づくなんて、すごいね」

フクが座っている木よりももっと下の方から、初めて聞く声がした。少女の声だ。

フクはその大きな翼を広げ、風の抵抗を受けながらひらひらと柔らかな地面に着地する。

「ふむ、キミは

そこにいたのは、フシギダネの少女。
彼の知るフシギダネ族と言えば同じく選手のフローラだが、彼女とは全く別のポケモンであることは一目でわかる。スタジアムに迷い込んでしまった、野生のポケモンだろうか?

「こんにちは。僕の名前はプクです。ぷくるく。救助隊の一員で、この島で困っているポケモンがいるって聞いて助けに来たんだ。あなたがジュナイパーのフク?」

今度はフクが驚く番だった。

「知ってるの?誰かから聞いたのかな」

どうやら迷子のポケモンだと思っていたが、違ったらしい。この様子だとフクの知り合いの誰かの友人で、その人からフクの話を聞いたのだろうか?だから、フクの名前を知っているのだ。

「うん、そうなんだ。この時間になるとあなたはここにいるってことも一緒にね。名前が似てるから、話してみたいなって思ってたんだ」

少女は朗らかに笑った。きっと大きくなったら、大きくて素敵な花を咲かせるのだろう。

「名前確かに似ている。しかも、同じくさタイプだ。二つ進化するのも同じ」
「ホントだ……ふふ、なんだかもっと親近感が湧いちゃうなぁ」

穏やかな風が、中庭の緑を揺らす。

キミは、救助隊だって言っていたね。話は僕も聞いているんだ」
「そうなの?」
「うん。僕のトレーナーがね、力になりたいって」

少女は一瞬、瞬きをすると直ぐに目を輝かせた。

「そっか……ふふ、嬉しいなぁ。あなたのトレーナーは優しいひと、なんだね」
「やさしい……ふるっふー、そうかもしれないし、そんなことないかもしれない」

フクのトレーナーはゲームが好きで、エオス島のトレーナーになった。彼女が愛するのは平等で楽しいゲームだ。だから、今の理不尽ばかりのゲームが気に入らないのだと言っていた。

「うーんでも確かに、僕や仲間が失敗しても、怒ったり殴ったりはしないかな」
「そっか。うん、それなら良かった」

少女は満足そうに頷いた。

「君は安心している?何故かな」
「うーんそうだなぁ……大事にされてるポケモンもいるって、わかったからかな」


これが、プクとフクの出会い。