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豆炭々炬燵
3814文字
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ジャンルごった煮
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【花攫い】人外×人間詰め合わせ【其の壱】
Xでお見かけした素敵設定に多大なるインスピレーションを受けております。
ジャンル別人外×人間で統一、ノリと勢いでどうぞ。
※クロスオーバーものでは御座いません※
睦月 梅→ダンダダン・タボ星
如月 水仙→アニメ学校の怪談・天さつ
弥生 枝垂桜→繰繰れ!コックリさん・狸こひ
卯月 桜→ぬらりひょんの孫・土ゆら
次の季節→
https://privatter.me/page/67d2b3e5a2fc1
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【土ゆら】花見酒
4月 桜 攫われる人→土蜘蛛
多寡だか人間を捉え惑わす程度の畏しか持ちえない妖に神や仏を喰らう存在が後れを取るわけもなく、ほんの気紛れでわざわざ相手の領域に土足で入り込んだ挙句、花見酒に興じる土蜘蛛から放たれる圧倒的な威圧感にただの桜として振舞う妖は胸中大号泣していた。
「(なんや舞い散る花びらに悲壮感を感じるわ)」
目が覚めるような朱色の盃に映り込む満開の桜が無言で桜色の涙をぽろぽろ香り高い酒の上に落ち悉く杯を傾け酒を煽る土蜘蛛の胃袋に落ち溶け消えた。
天を衝くような筋骨隆々の巨躯の妖がどっかり大桜の根元に腰を下ろした時点でゆらの耳に声なき悲鳴が届き、常人であれば心身ともに魅入られ腑抜けになってしまうほど優雅で堂々たる桜を土蜘蛛が無言でひと睨みするや否や虚空から美酒が枯れ果てる事無く滾々と湧き続ける盃が現れ、四本の腕の内一本に怯えながら収まったのだった。
そこから始まる花見酒。酔う気配が全くなければ欠片もない酒豪の妖は、満開の桜を肴に芳醇な香りを漂わせる酒で喉を上機嫌に鳴らす。
「(運が無かったなあ
…
、こいつも私も
……
)」
元はと言えば、不意を突かれたゆらが取り込まれそうだったのを結果的に土蜘蛛が庇い二人仲良く相手の領域内にお邪魔したのが原因だ。さっさと滅して元いた場所に戻ればいいのに相手を脅して花見酒に興じ始めた土蜘蛛にゆらは喉元まで出かかっていた不満の数々を嚥下したが、無遠慮に頭をタムり出す大きすぎる手に結局吠えた。
「(
…
さっきから瞼が重
…
ねむ
……
。あと、
…
)」
体全身が異様に火照り普段体を洗う時にしか触れない場所が甘く疼いてしまい無意識のうちに太腿をすりっと擦り合わした。
一滴すら飲まずともゆらの意識を混濁酩酊状態にさせる重く深い酒の香り。灼熱の炎を喉奥に落とした土蜘蛛は徐に暇を出していた腕の一本に仕事を与えた。簡単に握り潰せる強大な力を持つ手で脆弱な肉体を持つゆらを掴み、胡坐を掻いている腿の上にその身を座らせ──。
「飲め」
透き通るほど澄んでいた清酒が瞬く間に朱い盃よりも燃え盛るような深紅に変わり、小さい口に盃の縁を当てられたゆらは言われるがまま一口飲み腑に収めた。
刹那、微睡んでいたゆらの目がカッと見開き豪快に嗚咽くのを土蜘蛛は我関せず顔を逸らし事の犯人をねめつけ再び酒を煽るのだった。
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