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豆炭々炬燵
6049文字
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モアナと伝説の海シリーズ
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【コトモア】吐露【カカモア】
モア海2の世界観で椰子の実族の息子と無垢の勇者の意思疎通を図る話。軽度のマウモア要素含む。映画ネタバレ独自解釈捏造要素有。
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──カカモラ一族として今後海を繋げる民との友好関係を築きゆくゆくは国交を結ぶに越したことはない
──そして、我が一族の繁栄を確固たるものにすべくモトゥヌイの次期村長であり此度半神へと相成ったモアナ・ワイアリキと婚姻を結ぶのだ
太陽が天辺に差し掛かる前、日課である鍛錬開始前に呼び出され先のことを真剣な顔つきで海賊の首長である父に告げられたコトゥはその内容を反芻しつつ何んとなしに陽の光に照らされ揺れる海面を眺めていた。
モトゥヌイ周辺海域は、外海であってもコトゥにとって穏やかな海に他なく特にサンゴ礁を乗り越えた内海に置いては殆ど波が無いに等しい。
海面に落としていた視線を槍の柄で小気味よく舟板を叩く音で正面に戻される。隣で堂々とした佇まいで立っている父の姿にコトゥは気付かれぬよう小さく嘆息を吐いた。
揺り籠のように揺れる船上生活しか知らなかった為、未だに足元が揺れない故郷である島での暮らしに慣れない。それでも資材が豊富にある島に建てられた家で各位プライベートスペースが潤沢に確保されている件については悪くない。
年頃と言えばそれまでだが
…
。
そんなあまり思入れのない故郷の島に建てられた一際大きな建物の中で父と二人きり。漂う緊張感に居住まいを正し聞けば、
……
何てことはない、要は政略結婚をしてこいと父直々に言われた。
「海賊としての武力を見せ我が一族との交流は決して損ではないと知ってもらわねばっ!!」なんて父がやや意気込んで提案するのをとても心苦しいがコトゥは巨大な海賊船ではモトゥヌイの島を囲むサンゴ礁に乗り上げ上陸出来ない旨を伝えた。
あからさまに気落ちしたがすぐさま「では、サンゴ礁手前まで大艦隊で行き上陸は索敵用の小舟にしょう」と言い結局聞きやしなかった。頭が痛い。
念のため「我ら種族はココナッツで相手は人間、ましてや半神になった者。あまりにも勝手が違い過ぎます。今回の話は早計ではないでしょうか」とやんわり話自体を無かったことにしたかったが「だからこそだ」などと父は断固として譲る気は更々ないようだ。嗚呼、眩暈までしてきた。
軽い衝撃が足元から伝わる。どうやら小舟がモトゥヌイの砂浜に乗り上げたらしい。
船番へ手短な指示をして小舟から下りる父に続き、心なしか重たい足取りでコトゥは再びモトゥヌイの砂浜を踏み締めた。
程なくして共に呪いを解くため戦った勇敢な人間──モアナが何処となく父が纏う雰囲気に似ている二人の人間を引き連れ砂浜まで出迎えに来てくれた。
正直コトゥは隣にいる父もとい、婚姻の話を成立させるべく躍起になっている空気の居心地の悪さで申し訳ないが帰りたくて仕方なかった。ただ一族繁栄のため政略結婚だとしても、勇敢な戦士の誇りと首長の息子として一族を率いる責任感が彼をその場に留めさせた。
あまり通り越して途轍もなく乗り気ではない感情をおくびにも出さずに無言を貫くコトゥを唯一モアナだけ彼が発する気持ちを察し、周囲に気付かれぬよう眉尻を微かに下げ再会の喜びから一転憐憫に染まる瞳を瞼裏に半分近く隠した。
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