こꯓレ)ろ🌟🦄🌈🌟
2025-01-09 20:13:10
13181文字
Public コノチャ30×16♀
 

いつか恋人のキスを。②

30コノ×16チャ♀→42コノ×28チャ♀



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「ダリダ・ローラハ・チャンドラ中尉です。初めまして、コノエ艦長」
 ミレニアムのブリッジで挨拶を受けたコノエは自分の表情が引き攣ったのがわかった。
 初めまして、と言われた。
 初対面の挨拶。そう振る舞うというチャンドラの意思表示に数秒前までの高揚感や期待は霧散した。
「この二人が私の副官達です。よろしくお願いいたします」
 コンパスで同階級の同僚となったラミアス大佐がにこにこしながらチャンドラとノイマン大尉を紹介してくる。
「ちょっ、艦長。副官はノイマン大尉だけですよ。自分はただのブリッジクルーじゃないですか」
「あら、あなたもブリッジの次席士官なんだから似たようなものよ。こういうのは二人くらい居た方がいいのよ」
「そうだぞ、チャンドラ。副官は二人でやろう。な!」
「とか言って面倒な事務を押し付けようって魂胆だろ! お見通しですよ、ノイマン大尉」
 チャンドラは副官扱いを否定したがラミアス大佐に宥められ、横のノイマン大尉に肘で小突かれ、小突き返してむくれている。
 かわいい。あの頃のまま大人になって、変わっていない。
 そしてコノエの方を一切見ない。そうか、そういうことか。
 初対面の体で挨拶され、ノイマン大尉との距離感を見せつけられたコノエは察した。
 チャンドラはコノエとの過去を今の仲間達に知られたくないと思っている。当たり前だ、金銭的援助の見返りに十四も年上の男と肉体関係を持っていたなど大っぴらに言える訳がない。
 横の操舵士は現在の恋人かもしれない。考えれば何年間も離れていたのだからチャンドラに恋人が居るなんて当たり前のことだった。
 自分とチャンドラは恋人として付き合っていた訳でもなく、裏切られた訳でもない。そんなことにも思い至らず勝手に期待して、思った通りの再会にならなかったからといってショックを受ける方がおかしい。
 チャンドラとノイマン大尉が目の前で気安い会話の応酬をするのをぼうっと見つめていたら、ラミアス大佐が二人を嗜めた。
「二人とも、そういうことは地球に戻ってからにして」
「はっ、申し訳ありません」
「失礼しました」
 二人はイチャつくのをやめて姿勢を正して謝罪した。仲の良いところを見たトラインがコノエの横から声をかける。
「お二人は息がぴったりですね」
「ええ、最初からずっとアークエンジェルに乗ってくれている二人です」
 二次大戦でオーブのアスハ代表を政治的に匿った事で一時正規軍を離れて所属不明艦として活動していたアークエンジェル。その運用は最低限以下の人数であったと聞いている。
 厳しい時期もついて来てくれた部下達に信頼を寄せるラミアス大佐の誇らしげな顔、ノイマン大尉と顔を見合わせてはにかむチャンドラ。
 その空気感はコノエを拒絶しているように見えた。
「艦長、そろそろブリッジの案内を開始してもよろしいでしょうか。ノイマン大尉にはその後操舵システムについてのご意見を伺いたく。出来ればシュミレーターにも付き合っていただきたいのですが」
 トラインの後ろに控えていたハインラインから声がかけられる。
「あ、ああ。そうだな。では皆さん、今後ともよろしく」
 愕然としていたコノエはそれだけ言うのが精一杯だった。ラミアスに握手を求めて挨拶を終わらせた。ハインラインがミレニアムについての説明を始めると同時にトラインにあとを任せてブリッジを出る。
 艦長室への通路を進みながら自分の思い上がりを恥ずかしく思う。
 自分の想いは独りよがりなものだ。チャンドラにはチャンドラの人生があり、今も昔も、コノエはチャンドラに選んで貰えるような存在ではない。
 落ち込むような事でもない。もう何年間も秘めてきた想いだ。これからも一生秘めておけば良い。
 あの子が生きて幸せで、笑っていてくれたらそれで充分じゃないか、と思い込むよう努力した。