Romom🍙
2024-12-03 02:53:02
8793文字
Public ☣️
 

鋒に情景を

☣️
RE軸クラレオ 
RE:4から少し後、レオン単体。クラレオ要素は後半のみです。

 既に十時間以上が経った。
 事件直後の一日の休暇など、二十四時間の待機命令でしかない。何も考えないよう──それこそ、事件の顛末すら一部たりとも思い出したくなくて、ひたすらに鍛錬に打ち込むことも、珍しくなかった。
 だから、レオンは、今回の休暇もそういうものだと受け流すつもりでいた。
『迷子探し』と銘打った任務が、自らの眼前に掲げられてから。そしてそれが、カルト宗教と合衆国を脅かす凶悪な陰謀へと本性を露わにした瞬間、半ば確信に変わった。今回も、恐らく、上等な悪夢を重ねる末路をゆく。
 決して諦めではない。レオンにとって、この覚悟にも似た切り捨ては鼓舞にもなった。覚悟をしてしまえば、渦中に立つのは米国市民のレオン・S・ケネディではない。任務を忠実に遂行し、合衆国へ回帰するコンドルに変わることが出来るのだ。
 なら、悪夢も上等だろう──夢を見るたびに身を削る、蓄積された記憶の闇も光も、今後一切良くなることはないだろうが。
 そう、忌々しい呪いに浸された村で、咄嗟に刃を抜いたあの瞬間。その時は確かにそう覚悟していた。コンドルは渦中に降り立った筈だった。
 壁にかけた時計が、刻々と針を回す。レオンはそれを何気なく見上げてから、カーテンを避けた窓の奥に目をやった。境界線のない夜闇が、既に部屋の中を満たしている。立ち上がり、部屋の明かりをつけるべきなのだろうが、体は一向に腰掛けたカウチから動こうとしない。