水晶氷山
2024-11-15 22:12:24
10252文字
Public 毛魂
 

過去に投稿した毛魂二次文再掲

過去X(旧Twitter)に投稿した掌編やSSを過去投稿検索やメディア欄から遡るのも手間だと思ったのでこちらに再掲載いたします
拙文・捏造・妄想・イマジナリーバーババ・イマジナリー白幻死装徒などご注意ください


【この熱はまだ冷めない】(ゴイスー+ゆうこ)2021/01/27投稿
 ゆうこはよく俺に絡んでくる。
 時々とても距離が近くなるが、不思議と鬱陶しい訳ではない。本気で嫌だと思う前に離れてくれるというのもあるからかもしれない。
 ある時どうしてこんなに近付きたがるのか聞いてみたら、彼女は俺を救いたいのだと答えた。
 バビロンの戦士として、それ以前に仲間として、俺の心を蝕み続ける炎から。

 ……だとしても救われる気はない。
 俺は望んでこの炎に身を焦がしているのだから。
 そう確かに言ったはずなのに彼女のアプローチは今も続いている。
 不快な訳ではないのでもう何も言わない。


【殉教者にはなれない】(ゴイスー+極楽鳥)2021/01/28投稿
 極楽鳥のことを俺はよく知らない。
 分かっていることといえば彼がビービビ様への忠誠心で動いていることくらいだ。いっそ盲信の域にまで達するほどの強い忠義で。
 もしもビービビ様の命令を果たせないような、期待を裏切ってしまうようなことがあれば、彼はそれを償うために自ら死を選ぶのかもしれない。

 ……俺はどうなんだ?
 もしもボーボボを殺せなかったとして、俺は兄さんに償うために死ねるのか?
 想像してみたが「死ぬのが怖い」だなんて思ってしまう自分がいることに気付いてしまうだけだった。


【一番じゃない】(ゴイスー+さすらいの豆腐)2021/01/29投稿
 豆腐のことを一言で表すなら……相棒と言ったところか。
 戦闘時の相性が良いからだけじゃない。豆腐個人の性情のことも俺は快く感じているからだ。
 誇り高き闘士。主に忠を尽くす忍。若人を教え導く師。そして俺の相棒。それが、俺から見たさすらいの豆腐だ。

 ……けれど、もしも豆腐がそうは思っていなかったら?
 あいつの中で一番優先されるべきはきっと種族としての誇りだろう。それは理解している。
 もし豆腐が種族の誇りをかけて戦い敗北した時、あいつの心の中に俺はいられるのか?
 いられなくても仕方ないことだとは分かっているので別に構わないが、少しだけ寂しい気がする。


【考える必要はない】(ゴイスー)2021/01/30投稿
 真拳を使っているときにも俺の意識ははっきりとしている。少し理性が効かなくなって、酷い高揚感に包まれるだけだ。
 逃げる獲物を追い詰めていくのが楽しい。かと言って敵味方の判別がつかなくなることはない。敵は殺したいし、味方が傷付くのは基本的に嫌だ。

 時々、この人格は俺が本来持っていたものではなく、後から与えられたものではないのだろうかと不安になることがある。
 真拳の中には使い手の人格にまで影響を及ぼすものもあるという。もしもこの嗜虐心が、真拳の反動で生まれたものだとしたら?
 ……考えるのはよそう。俺に与えられた任務は、そして俺自身の望みは、あの男を殺すことだ。


【そんなものはない】(ゴイスー+シゲキX)2021/01/31投稿
 シゲキ様は本来、誰かに情を抱くような人ではないらしい。
 かつては民を死の恐怖を以て支配し、かの異形の帝王とも互角に渡り合うほどの暴君だったお方。
『真の姿を現したあいつに情など求めるな』、ビービビ様が前にそうおっしゃっていたのを覚えている。

 けれど、俺は真の姿の方のあの人にも仲間を想う心はあるはずだと思っている。
 かつて暴君だったこと、恐怖で国を統べたことは確かに真実だろう。だが今は同じビービビ様に仕える仲間だ。現にここまで何の衝突もなくうまくやってこられたじゃないか。
 同じ発毛獅志として、仲間として、俺はあの人を信じたい。
 ……信じていたかった。