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ちこと
2023-11-28 23:28:20
10928文字
Public
イベント用サンプル
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【チャレ28発行】「あおいろのともだち」サンプル
チャレ28発行の新刊サンプルです。
もしもサトシがオーガポンと出会ったら、というお話。冒頭の注意事項をご確認ください。
(2025.1.15更新)完売しました!ありがとうございました。
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※注意※
✩「もしもサトシとオーガポンが出会って友だちになったら」という完全捏造本です。
✩ スカーレット・バイオレット追加DLC「ゼロの秘宝 前編 碧の仮面」のネタバレを多分に含みます。
✩ スグリ、ゼイユなど、人間の主要キャラクターは登場しません。
✩ ともっこも登場しませんが、オーガポンの過去についてのネタバレが全力であります。
✩ 時系列はアニメ「めざせポケモンマスター」編よりもあとですが、サトシのポケモンたちは新無印のパーティーです。
✩ アニメ本編や映画で見られる程度のピンチシーンが少しあります。苦手な方はご注意ください。
序
キタカミの里には宿泊施設がない。
多くの街ではポケモンセンターが旅のトレーナーの宿となっているが、この街のセンターはテント屋根の下に簡素な設備が置かれているだけだった。その簡易センターを敷地内に擁する公民館も、林間学校で訪れる学生が滞在することはあれど、常設の宿泊施設ではないという。
通りがかりの住民にひととおりの話を聞き、サトシは今日の宿について決めた。
「じゃあ、そのへんで野宿するか」
さらりとした提案に、肩口のピカチュウも「ぴーか、ぴかちゅ」と頷く。
いつものように相棒と行き先を決めず進むうち、たまたま訪れた地だった。自然に囲まれたなかに一本だけ舗装された道をあてもなく歩いていると、豊かに水をたたえた田園と、その向こうにこぢんまりとした集落が見えた。このあたり一帯を「キタカミの里」といい、人が住む集落は「スイリョクタウン」という村であるのだと、付近に立つ看板で知る。
アローラとはまた印象の異なる、自然に包まれた穏やかな里だ。どこかカントーの街々も思い出す風景のなかに、サトシがよく知るようなポケモンと、あまり目にしたことのないポケモンとが、わらわらと入り交じって過ごしていた。
自然豊かな地は、そこに棲まうポケモンも豊かだ。心惹かれたサトシは、しばらくこの付近を探索することに決めた。
「もうこんな時間だし、いろいろ見てまわるのは明日にするか」
「ぴかちゅう」
サトシの肩からのびるピカチュウの顔には、夕焼けの影がかかっている。なにも考えずに歩いたので、里にたどり着くころには日暮れが近かった。簡素なポケモンセンターで仲間を回復してもらい、モンスターボールを受けとり辺りを見回す。ちいさな商店が目に入った。
「こんにちは」
「いらっしゃい。旅の人かしら、めずらしいねぇ」
「はい、ついさっき着いたんです。なにか食べるものとかありますか?」
「サンドイッチの具ならいろいろあるよ」
「じゃあ、それをください!」
サンドイッチはサトシの数少ない得意料理だ。残念ながらコロッケはないようだが、ケチャップ、レタスにトマトにハムやチーズ、果てはハンバーグなど、パンとともに盛りだくさんな具材を調達できた。
「ありがとうございます」
「こんな時間だけど、夜はどうするの?」
「近くで野宿するんで、大丈夫です」
「村の外は強い野生のポケモンがたくさんいて、危ないよ」
「大丈夫です」
サトシのその言葉を後押しするように、ピカチュウが「ぴっか!」とひと声鳴いた。
「頼りになる相棒がついてるんで!」
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