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Hizuki
2018-09-16 10:10:49
6835文字
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15ふせったーログ[ノクプロ・プロノク]
【FF15】ノクプロ・プロノク。ふせったーに上げていた分のSSまとめ。
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『苦いもの、甘いもの』(ノクプロ)
世間は2月14日。
男子高校生たるもの多少浮ついた気分になってしまうのも仕方がない。
かくいう自分も女の子からお情けと取れなくもないようなチョコレートはいただいている。
「うわっ、ノクトすごっ!」
「
…
机の中とかいっぱい入ってた」
「ははっ、さすがだねぇ」
下駄箱から校門までの道で、ノクトが溜め息混じりに呟いた。
普段の鞄とは別に紙袋が複数。
それらは全て女の子からもらったチョコレートが詰まっている。
「つっても食えねえけどな。今日もらった分は全部回収されちまうから」
「あー、ノクトに何かあったら困るからってやつ?」
「そういうこと」
「ふーん、そっか」
こういうのを聞くと、やっぱりノクトは王子なんだなっていうのを実感する。
もったいない、と思わなくはないけれど、仕方のないことというのも理解できる。
「てことでお前が持ってるそれ、くれねーか」
「へ?これ?」
ノクトがオレの胸ポケットに入れていたそれを示した。
紙製のスライドケースに入っている市販のチョコレート。
「そ。この場で食っちまったらわかんねーだろ」
「え、ただの一口チョコだよ?」
それこそ街中のどこでも買えるようなありふれたもの。
カカオ分が高めのビターチョコレート。
ノクトが好むようなものではない。
「プロンプトからのチョコが欲しい」
「は
…
え
…
?」
ストレートすぎる言葉に、思わず鞄を落としそうになった。
口を開けて、オレの方を見る。
今ノクトの両手は鞄と紙袋で塞がれてしまっている。
渡すだけなら渡してしまえばいい。
制服のブレザーのポケットに入れてしまってもいい。
けれど、回収されることを知っている上で『食べてしまえばわからない』と、証拠隠滅まで謀ろうとしている。
「ほら、早く」
選択肢は一つしかない。
チョコレートの包み紙を外して、ノクトの口へ運ぶ。
持っている熱でじわりと柔らかくなっていく。
「プロンプト、手そのまま」
溶けてきていることに気付いたのか、声でオレの手を制した。
様子を窺えば、楽しそうなノクトと視線が重なった。
ぺろりと指先に付いていたものまで舐め取られ、身体がびくりと跳ねそうになる。
「ん、サンキュな」
「もう意味わかんない
…
」
顔が熱い。
いや、顔だけじゃない。
ノクトに触れられた場所が熱を持っている。
「来月、期待しとけよ」
「え、そんなんいいって!」
気持ちは嬉しい。
けれど、こんな安いものにお返しなんてもらうわけにはいかない。
全力で首を横に振るも、聞き入れてくれそうな様子はない。
「そういうわけにはいかねーだろ」
何度かそのやりとりを繰り返し、気付けば校門のすぐ側まで来ていた。
門を出たところに見たことのある車が止まっている。
荷物があることを前提とした付き人の計らいだろうか。
「じゃ、また明日な」
「
…
うん、明日ね」
姿を見せたその人に軽く会釈をして、ノクトが帰っていくのを見送った。
冷たい風がひゅうと吹き抜ける。
「
…
ノクトのばか」
呟いた独り言は2月の空に消えていった。
外気は冷えているのに、まだ熱い。
まだ残っているチョコレートを一つ自分の口に放り込む。
それは苦いはずなのに、何故か甘い気がした。
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