雨宮水月
2024-07-01 19:10:39
14365文字
Public FTN
 

モノクロのチューリップ

Fate Table Night カルデアif
ヴァンピル=アセナの幕間
よその子と原作キャラをお借りしています。
合作作品(SBさん、リロードさん)
(2021年12月の作品)



ー進行度4ー

マスター選択肢
《アセナ、落ち着いて!》
《アテナ、落ち着いて!》

上:アセナ「グルルル……!! ガウ! ヴゥゥ……
下:アテナ「落ち着いています、マスター! とにかく援護を!」


[最終戦闘]
サポートキャラ:アテナ固定
エネミー:アセナ、ユダ=ダザイ、メドゥーサ
全員撃破でクリア。


マスター選択肢
《カルデアでの私闘は》
《禁止されています!》

アセナ「えっ……? そうなんです、か? いえでも、ここカルデアではないので……

メドゥーサ(思っていたよりも悪知恵が働く方ですね……

マスター選択肢
《とにかくストップ!》
《そこに座って!》

アセナ「……………くぅん」(お利口にお座りする狼)

ユダ=ダザイ「はい。何もかも、すっかり、全部、申し上げます。これは神に生を弄ばれ身を引き裂かれたものたちの、些細な復讐です。旦那さまに迷惑はかけまいと、最小限の計画しか立てておりません」

アテナ「私は現在進行形で迷惑しているのですが。 殴って良いですか?」

ユダ=ダザイ「スケープゴートにするような真似を、申し訳ない、美しき女神よ。ですがお許しいただきたい、我々はあなたに少々因縁があった。あなたこそが、この場に立つに相応しい存在だったのだ」

アテナ「メドゥーサは、まあ理解は出来ますが……アセナとユダから殴られる理由は分かりません」

マスター
《アセナ、そうなの?》
《良ければ教えてほしい》

アセナ
…………っえ、と。あの……
……くだらない八つ当たりです」

アテナ(やっぱりそうじゃないですか、という顔)

メドゥーサ(黙って聞いていなさい、という顔)

マスター選択肢
《なんでくだらないの?》
《どうしてくだらないの?》

アセナ
……わたしが神を苦手としていることは、あなたも既にご存知でしょう」
「わたしは、とある魔術師によって召喚術式に介入され、人狼を混ぜられた特異なサーヴァントです」
「その戦いの最中に……碧い瞳の。知恵と戦の女神様と、お会いしたことがあります」

アテナ「……

アセナ
「最初は神様のことを……口にするのも恐ろしい仕打ちを、忘れていました。ですが、思い出してしまった。その時、わたしは狂った獣として咆哮していたのです」
「“愛されないために、神を屠りたい”……と」
……結局わたしは神様の前に何も出来ず、無力な負け犬のまま死にました」
「仕方のないことです。わたしは、弱いから」
「愛に板挟みにされて、どうしたらいいのかわからなくて。最初に愛された者へ牙を剥いた愚かな獣の話。本当にそれだけの、つまらない話です」
……ですから、今日の戯れは本当に」

マスター選択肢
《無駄じゃないと思うよ》
《八つ当たりではないよ》

アセナ「……え?」

マスター選択肢
《やり方はちょっとダメだったけど》
《アセナが抱えてたものが知れたし》

アテナ「ちょっとどころの話ではありません。不敬です」

マスター選択肢
《でも、今日のことがなかったら》
《アセナの苦しさはわからなかったよ》

マスター選択肢
《もっとワガママ言っていいからね》
《もっと自由でいいと思うよ》

アセナ
………………??」
「怒らないのですか?」
……まつろわぬ獣を、罰しないのですか?」

アテナ
「マスターがそんなことをするわけないでしょう。どこまでも不敬ですね、あなたは」
「しかし、事情は理解しました。私も記憶がないわけではありません。そのような経緯があったなら、次は改めて応じましょう」
「もちろん、一対一の真剣勝負で」

アセナ「えっ……それは、怖いのでいやです」

アテナ「……折角こちらが妥協案を提示しているというのに、拒むと? この不敬者、卑怯者!」

アセナ「ひ、卑怯で何が悪いのですか!」

メドゥーサ
「不敬であるところも否定しないんですね」
……そういうわけなのです、マスター。ああ、ちなみに計画立案はそこのいけ好かないアヴェンジャーです」

ユダ=ダザイ「おや、いけ好かないとは悲しいことだ。ええ、ええ、黙っていてすみません。はい、最初からこうする心算だったのです。全ては計算通り、ということです、はい。計算を生業としてきた身ですから」

マスター選択肢
《二人が頑張ってくれてたんだね》
《アセナのために、ありがとう》

メドゥーサ (小さく微笑む)
ユダ=ダザイ (目を細め微笑む)

マスター選択肢
《アセナ》

アセナ「……はい」

マスター選択肢
《君が苦しまない範囲で》
《力を貸してくれると嬉しい》

マスター選択肢
《出来ればもっと》
《笑顔でいて欲しいから》

アセナ「…………?」

マスター選択肢
《君のマスターになりたいんだ》
《君のマスターでいさせて欲しい》

アセナ
「っ、う、ああ……
「ちが、違うのです……違うのです、人の子よ。わたし、あなたにそんなことを言われるような者では
「あなたに、そんな顔をさせるなんて……そんなつもりは

マスター選択肢
《でもアセナがいないと》
《もっと寂しいよ》

アセナ
「っ…………ああ……。ずるい子……
……わかり、ました」
「こんな狼で……よろしければ。あなたのために力を振るいます」
「たとえそれが、どんなに卑怯で、身勝手で、迷惑をかけるものであっても」
「あなただけは……傷つけません」

ユダ=ダザイ「はい、どうやら一件落着のようで。ええ。実に素晴らしい幕引きだ。それでは帰ると致しましょ──」

アテナ「待ちなさい。確かに事情は理解しましたが許したわけではありませんよ、元凶」

ユダ=ダザイ「イタタタタ、それほど熱烈に肩を掴まずとも。我々はあなたが麗しき女神であられるというだけで反逆せずにはいられない性分なのだ。ああ、一泡吹かせてやれなかったのが悔やまれる!」

メドゥーサ「そうですね。そういう点では良い協力関係でした。また組んで殴りに行くのも悪くはないかと」

マスター
《それは悪いです》
《二人はしばらく謹慎!》

メドゥーサ「えー」

ユダ=ダザイ「そう言われては仕方ないが、ああ、酷い。せっかく新たな縁を得たというのに、我々からの逢瀬もかなわなくなるとは」

アテナ「自業自得です。天罰だと思いなさい」

ユダ=ダザイ「いえ、いえ、これは罰などではなく……ああ、何でもありません。では、狼のお嬢さん。どうか、次は会いにお越し下さい。あなたの顔が見られない日があるなど、ああ、なんとつらいことか」

メドゥーサ「はっ、謹慎ということは、しばらく面倒ごとにも巻き込まれず本が読める……? 最高じゃないですか。ありがとうございます、ユダ。初めて貴方に感謝しました」

アテナ「反省の色が見えません。下がってくださいマスター、私が直々に天罰を下します」

マスター
《落ち着いてー!》

アセナ「………」(目を伏せる)






[数日後 洞窟]

アセナ
……………こわい、けれど……
……お礼を、しなきゃ」


[図書館]

紫式部「ふんふんふん……あら?」

アセナ(きょろきょろ)

紫式部
……? 見かけない方ですね」
「あの、もし」

アセナ
(ビクッ)
「は、は、はい。あの。ごめん、なさい。人を、探しているのです」

紫式部「人を……ですか?」

アセナ「はい、あの……メドゥーサとユダと、だざい……です」

紫式部
……! それでしたら、先程向こうの方に」
「ユダ=ダザイ様はあまり、こちらにはいらっしゃいませんので」

アセナ
……? そう、なんですか」
「ええと……ありがとうございました。では



[廊下]

メドゥーサ「……

ユダ=ダザイ (にっこり)

メドゥーサ「なんで私の部屋の前に居るんですか」

ユダ=ダザイ「お久しぶりです、可愛らしい蛇のお嬢さん。何やら素敵な直感がしましたもので、はい」

アセナ「……………」(じー……

メドゥーサ「何ですか、その曖昧な理由は」

ユダ=ダザイ「なに、今に分かります。……ああ、ほら、もうそこに」

アセナ「……………」(じー……

メドゥーサ「確かに、先程から視線を感じます。ここまで気配が薄いとなると……アサシン……?」

ユダ=ダザイ「ええ、ええ、まさに。そろそろ開く頃合いであると弾き出しまして、はい」

メドゥーサ「……そういうことですか。仕方ありません、少しだけなら付き合いますよ」

アセナ「……ええと。……お久しぶりです、御三方」

ユダ=ダザイ「これは、これは。今日は実に良い日ですね、花のように麗しきお嬢さん。私たちに会いに来てくださったのですか? ええ、私もお会いしたく思っておりました。心が通うとは、こんなことを言うにちがいない」

アセナ「こころが、通う……?」

メドゥーサ「この男は無視して結構です。こちらに来たのには何か目的が?」

アセナ
「あ、あの……ええと」
…………本を、読みたくて」
……あと、ありがとうございました。少し、気が楽になったので」

ユダ=ダザイ「それは、何より。その節は、ええ、実に楽しいひとときでした」

メドゥーサ「本ですか。良いですね。図書館でも借りられますし、私の部屋からも貸せます。というか貸します。どんなジャンルが好みですか?」

アセナ
「ジャンル? わからないですが、なんでも読みます。おすすめや、読みやすいものから是非
「それに、あなたの著作は気になって、いたのです……だ、だざい?」

ユダ=ダザイ
(驚いたように目を見開く)
「私(かれ)、ですか?」

アセナ「はい。あ、でも難しいのでしょうか……? 名だたる文豪のおひとりだと、なんとなく聞いております」

ユダ=ダザイ「……すすんで、どうぞ、という気にはなれませんね。彼も読んでほしいのやら、ほしくないのやら、微妙な反応をしており……

メドゥーサ「はっきりしませんね。とりあえず適当に選出してきます」(立ち去る)

ユダ=ダザイ
……そう、そうだ。はっきりなど、するわけがないのだ。世に作品を出せる自信と、自分の生み出すものへの嫌悪とが、常に入り交じる……彼はどうにも、そのような性分らしい。もっとも、このような矛盾など、珍しいものでもないのでしょうが」
「私とて、いつまでも、性懲りもなく、愛と憎を抱えたまま今に至る。それでも人理とやらは、カルデアとやらは、……何より、マスターとやらは。そんな反英霊の存在をすらも許すらしい。ええ、ええ、たとえ自分を愛せずとも、矛盾を愛せずとも、揺らぎ続けていようとも。ですから、ご安心なさい」
「あるいは、実に馬鹿げている、反吐が出ると罵りたくなったならば、私と朝まで語らおうではありませんか」

アセナ
(ああ……この人たちは)
(同じ、だったんですね)
……いつかのわたしは、同族嫌悪をしていたのかもしれません。でも、今は、とても安心します」

(少し近づくモーション)
(手を取っている)

アセナ「ありがとう、アヴェンジャー……ユダとダザイ。あなた方がいてくれて、良かった」

メドゥーサ
「ああ、目を離すとすぐ口説きますね、この男……。どうぞ、おすすめの本です」
「特に、これなんかいいんじゃないですか。読んだら是非感想を聞かせてください。では、良い読書タイムを。私はこの男を部屋にぶち込んできます」

ユダ=ダザイ「ああ、そう引っ張らずとも。では、また近い内にお会いしましょう」

アセナ
「わ、っと。ありがとうございます」
……はい。また、そのうち」



[暗転]

[洞窟]

マスター選択肢
《アセナ……?》
《泣いてるの?》

アセナ
……はっ!」
「あ、い、いえその。ごめんなさい……とても、素敵なお話だったので。大丈夫です。ええと……なにか御用でしょうか」

マスター選択肢
《本を沢山借りたんだね》
《すごい量の本だね》

アセナ
「あ……はい。まだ、ちょっとカルデアは怖いので」
「本を読みながら、外の世界について学ぼうと思います」
「そうしたらきっと、色んなことを知りたいと思って……あの場所に行くことが楽しみになっていたらいいなと」

マスター選択肢
《すごく良い考え!》
《ゆっくりでいいよ》

アセナ
「はい。ありがとうございます」
……マスター。わたし、少しだけ視界が晴れました。よく見えます、世界のことが」

マスター選択肢
《アセナ、今》
《マスターって》

アセナ
(照れ笑い)
「今のわたしについて、言葉をお借りするならば……はい」
……申し上げます。申し上げます。旦那さま。あの人は、酷い。酷い。はい。厭な奴です。悪い人です」
…………それでも」
「わたしは、愚かにも愛してしまうのでしょう」




[幕間『モノクロのチューリップ』クリア]
宝具種:Buster
宝具名(読み名):血染めの月夜は溺れるほどに(ヴコドラク・カオス)
範囲:敵単体
HIT:1体につき1HIT
効果:敵単体に超強力な攻撃
   <宝具Lvで威力アップ>
   敵単体に確率でスキル封印状態を付与(3T)
   確率で自身のHP1000回復