雨宮水月
2024-07-01 19:10:39
14365文字
Public FTN
 

モノクロのチューリップ

Fate Table Night カルデアif
ヴァンピル=アセナの幕間
よその子と原作キャラをお借りしています。
合作作品(SBさん、リロードさん)
(2021年12月の作品)



ー進行度3ー
[回想]
わたしは母である。
わたしは祖である。
わたしは、ただの孤狼である。
ずっと、それでいいと思っていました。
仲睦まじくすれば、裏切り傷つけてしまう。
親愛を受け取っても、わたしには返せるものが牙しかない。
愛は、こわい。
愛は、いたい。
愛してしまう、自分が怖い。
そんな、弱い自分がなによりも、嫌いです。
だから。そう。これは。
神への、愛への反抗であり。
わたしが、わたしへ反抗する一歩なのです。
……そんな勇気、なくても良かったのに。
酷い、ひとたち。


[カルデア]

ユダ=ダザイ「ああ、やはりここにいらっしゃいましたか。旦那さま。少々お時間をいただけますか」

マスター
《どうしたの?》
《もしかしてアセナのこと?》

ユダ=ダザイ
「ええ、ええ。先日お任せいただいた件はもう少しでその花を咲かせましょう。どうかご心配なく」
「本題は、シミュレーションの一部に異常を発見致しましたことでして。はい。エネミーが条件を満たす者にしか倒せない仕様になっているといいますか」

マスター
《そんなことある?》
《その条件って?》

ユダ=ダザイ
上:「先に万能のお嬢さんに尋ねられれば、とも思ったのですが……どうやら別件で席を外されているようだ。となれば旦那さましかおりません」
下:「さすがは旦那さま、話が早い。ありがとうございます」
……はい。すべての条件に該当される方はたった一人。お連れいただければ、すぐに御案内申し上げます」

[暗転]

[鬱蒼とした森]

メドゥーサ「さて、どうやって仕掛けますか?」

アセナ「……何も考えてませんでした」

メドゥーサ「ええ……しっかりしてください」

アセナ
「うう……人狼たちに任せて衝動のまま食らいつけばいい話なんですが、こう、なんといいますか」
……ただの、八つ当たりなので。申し訳ない気持ちはあるのです」

メドゥーサ
「話を聞く限りだと、かなり苦しまれているはずですよね? なんでそんなに後ろめたさを持つのですか」
「どうあれ貴女は神に弄ばれた。彼らは傲慢で、怒りっぽくて、勝手です。私も人のことは言えませんが」
「古今東西、神とはそんなものです。八つ当たりしたって、ちょっと強い風が吹いた程度だと思われますよ。腹が立ちますが、それが神なのです。オリュンポス十二神の一柱ならなおさら」
「それに、貴女は以前召喚された際にアテナと会っているんでしょう」

アセナ「?! な、ぜ……

メドゥーサ「おっと。口が滑りました。聞かなかったことに」

アセナ
「それは流石に無理があります……
「ですが、はい。確かにあの時わたしは、神を屠ると吼えて……卑怯な手を使い、アテナ様に報復しようとしました」
「結果、何も出来ずに終わりましたが……
……あの時のわたしは、冷静さに欠けていた。ただただ、激情に流されるままでした」
「一時だけでも、あの御方から言葉と、情けをかけていただいた。それが苦痛で、怖くて、仕方ありませんでした」
…………今は、ちゃんと。向き合える気がします」

メドゥーサ
……なら、貴女が先陣を切ってください。全力で援護しましょう、アセナ」
「貴女が立ち向かう力を得るために神を吸血しても、誰も咎めたりしません」
「その宝具は怪物たる人狼のものではあるでしょうが、それは自分の心を守るために使っても良いのですよ」

アセナ「……!」

[場面転換]

ユダ=ダザイ「ええ、ええ、こんなに頼もしいことはない。美しい女神さま、此たびはご同行いただきありがとう存じます。実に光栄だ」

アテナ「不明な点も多いですが、そしてこの男と、というのも大変遺憾ですが、マスターの命となれば仕方ありません。事情は分かりました」

ユダ=ダザイ「そう仰せにならず。私とあなたは実に相性がよかったはずだ。ああ、そのはずです」

アテナ「知りません。不快です」

ユダ=ダザイ
「ふふ、あなたはいつも手厳しくおられる」
……さて。問題の地点はこの辺りのはず。私が少々呼び寄せてみましょう」

アセナ
(アテナ様……
…………そうですね)
(嫌われるためにも。これは、必要な儀式です)


[回想]
ユダ=ダザイ「いいですか、ご麗人。私がこの十字架に口付け致します。それが──」

[現在]
ユダ=ダザイ「──これが、合図だ!」


ガサッ


アセナ「──女神アテナ!」

アテナ「……あなたは」

マスター
《アセナ?!》
《あれ、メドゥーサも?》

アセナ「ここで会ったが、ええと、何年目? そんなに経ってません? い、いえそんなことどうでも良いのです!」

アテナ「マスター、下がってください。嫌な予感がします」

アセナ「完全に八つ当たりですが、わたしは神が嫌いです! あの時のこともあの時のことも屈辱です。 なので、今日こそあなたの頭蓋……噛み砕いてやりましょう!」

マスター
《どういうこと?》
《アテナ、何したの?》

アテナ
「何もしていません。……少なくとも、マスターに召喚された私はなにも」
「何が何だか分かりませんが、マスター、応戦の許可を……

ユダ=ダザイ「こんにちは、アテナさん」

アテナ「!」

(キィン!)

ユダ=ダザイ「おや、弾かれてしまったか。流石は美しき女神さま、一筋縄では為せぬようだ」

アテナ「貴方、まさか最初から……

ユダ=ダザイ「舞台は整いました。さあ、あの人を罰して下さい。どうとも身勝手に、罰して下さい。捕えて、殴って、裏切って、屠ってやるがよい!」

アセナ「というわけで。 女神様、その傲慢なる血を……いただきます!!」


[戦闘]
サポート:アテナ固定
エネミー:アセナ、ユダ=ダザイ、メドゥーサ
防衛戦。数ターン耐えきったらクリア。