MN*B
2024-06-20 22:04:30
10679文字
Public 蠱毒な夢術廻戦:pixivバックアップ
 

じゃんけん/回収任務 【短編二本】

この小説は【蠱毒な夢術廻戦】シリーズの番外編です。
短編二本立てになってます。
高校生やってくれ…という願いから生まれた話ギャグ風味。
話の二つ目は、まぁ軽くノベライズ版二巻からのネタです。

 
【男子の力関係的な】
末っ子力…伏黒<青嶺<虎杖…みたいな感じです。
ここに五条さんが混ざると、
大人げのなさ…伏黒<虎杖≒青嶺<五条みたいな感じになります。
※実年齢加味

 

書いたのを推敲してたら、自分でも解釈違いな気が…となりだしたので勢いであげます。
魔法の言葉…これは番外編!!

表紙は、かんたん表紙メーカーさんからお借りしました。



#オリ主 #夢術廻戦 #虎杖悠仁 #伏黒恵 #釘崎野薔薇
2021年4月25日 22:51


回収任務


 任務もなく、学校の授業も終わった放課後。
もはやいつも通りに、青嶺の部屋を俺は訪れていた。

 俺は自分の定位置と化しつつある椅子に座り、本を読む。机の上には、淹れたてのコーヒー。
青嶺も、ラグの上に座って静かに本を読んでいる。この前、俺が置いてったやつだな。
そしてあともう一人物を動かしたり、家具の隙間を覗き込んだりしているやつが

「青嶺ってエロ本持ってねぇの?」

虎杖がそんな馬鹿らしいことを言った。
さっきからゴソゴソやってると思ったら馬鹿らしいというか馬鹿だ。
コイツが静かにして居られれば、環境としてはベストなんだがな

「人のベッドの下見て、言うことがそれか

俺は虎杖へ冷たい視線を向けながら言った。呆れた顔をするだけで何も言わない青嶺の代わりだった。
そんな俺らを左右交互に見た虎杖は、信じられない!といったリアクションをとる。

「え!?なんで俺がおかしいみたいなノリなの!?グラビア雑誌くらいは持ってるだろフツー!!」

「持ってても、人目に付く場所に置いとくワケねぇだろ」

虎杖の大声に、眉を寄せながら青嶺は話した。
この言い方的に持ってないなコイツ。だからなんだって話じゃあるが。

「伏黒はかんのー小説持ってそッ」

反射的に虎杖の身体を蹴り飛ばす。

「いってぇ!!」

大袈裟に悲鳴をあげた虎杖は、そんな怒んなよ~と文句を言っている。
その横で冷めた表情をした青嶺が、怒って当然だな。と呟いた。
蹴ったことでズレた姿勢を正し、俺はまた椅子に座り直す。
ったくとんだ濡れ衣を着せようとしてくるのはなんなんだよ。

 味方ゼロ。それにもめげずに、虎杖はまた口を開く。

「えーじゃあさ、好みとかある?」

「なんでお前とそんな話しなくちゃなんねぇんだよ!」

思わず俺が語尾を荒らげて喋っても、全く気にする様子がない虎杖は、暢気に話を続けた。

「友達とそういう話しない?雑談のノリじゃんあっ、好きな子いたりすんっ待って!暴力反対!!」

もう一度蹴り飛ばしておくかと脚を上げてみせれば、やっとそんな反応をする虎杖。
そしてなぜか青嶺を引っ張ってきて、俺との間に置いた。

「青嶺ガード!これなら伏黒も怖くない!」

「まず蹴られそうなことを言うな」

盾にした青嶺からの小言も気にせず、虎杖はまだこの話題を続けるつもりらしい。

「ちなみに俺は身長高い子が好きー。もっと言うなら、ジェニファー・ローレンスみたいな!」

「誰も聞いてねぇよ」

あぁ、Xマンに出てた。全身青塗りの

そんな青嶺の呟きに、俺は何とも言えない顔をしてしまった。
虎杖も似たような心境らしく、微妙な顔をしている。間違いじゃないだけに、好きな女優の認識がそれだというのも複雑な思いだろう。

「お前のその認識はどうなんだ?」

「あれ特殊メイクだから

「それはわかってるぞ」

俺をなんだと思ってるんだと、拗ねたように口を曲げる青嶺。
いや普通に外見の特徴をあげればいいところを、変わった部分で取り上げたのお前だろ。
そう思って俺が呆れて何も言わずにいると、ってか青嶺って映画観んの?と虎杖の興味が逸れていく。

青嶺と話すとこういう感じで、話がズレるんだよな。あと虎杖の思考が流れやすくて、会話がどんどん別方向へ行ってしまう。
話についていくのが面倒な組み合わせだ。まぁ今回は助かったが

そんなことを思いながら、俺はコーヒーを啜った。


「なぁ、DVD観るための機材だれか持ってない?ホラー映画借りてきて観ようぜ!」

「先輩なら持ってるかもしんねぇけど

またちょっと飛んだ二人のやり取りに、俺はつい口を挟む。

「いつもホラーなのと関わってんのに、なんでわざわざ観なくちゃなんねーんだ」

「それとこれとは別じゃん?むしろ呪霊って、なんかイメージと違ったし

確かにな。物理でくる感じだ」

虎杖は当然のように話すし、青嶺も青嶺で言いたいことはわかるが

「お前らな

俺は呆れてため息をつき持っていたカップの水面が少し揺れた。
そこに映っていた自分の表情が、思っているより明るかったのは気のせいだ。
その意識とともに、またコーヒーを一口飲みこんだ。






青嶺、虎杖の部屋になんの用だ?」

「っ恵」

ぎくりと、身体を強張らせた彼は、気まずげにこちらを見てくる。そして言葉に迷って、視線をうろつかせた。

その部屋の主は、もういない。
帰りを待ちわびる荷物が、置きっぱなしになっているだけだ。

「俺はその……虎杖の、荷物の回収を頼まれて」

「誰からだ

思わずこぼした俺の言葉に、彼はさっと顔を下に向けて黙った。

五条先生?家入さんか?故人の遺品整理を、コイツに頼むなんて
それともわざとだろうかそんな考えが頭に浮かぶ。

パンダ先輩にしがみつくなんて、子どものようなことをやっていたコイツだ。少なからず、いやだいぶショックを受けていたに違いない。それにどこか、落ち着きのない様子でもある
そんなコイツが、虎杖の死と向き合えるようにそんな采配なのかもしれない。
だとしても、酷なんじゃないか。

「ちょっと待ってろ。一人で入んな」

俺は返事を聞かないまま、スマホで連絡をとる。