色々SS詰め

pkmnと最後に沢田の短文



・お酒が飲める年齢のトウヤくんと下戸彼女

俺の彼女は所謂『下戸』である。
めちゃくちゃ体調がよくて缶チューハイ一本と半分くらい。基本的には一本。マジで飲めない日には、中身が半分も減らないくらいで顔を真っ赤にしているくらい。

「楽しそうだな」

おいしいしたのしい!そう言ってヘラヘラにこにこと笑っている彼女にあぁ、今日はダメな日だったか。なんて思いながら、さりげなくグラスを離す。
真っ赤な顔と呂律のあやしい口でまだ飲めると言い張るが、誰がどう見てもべろべろの酔っ払い。しっかり仕上がっている。
少し飲んでもいい?と缶チューハイを片手に顔色を伺ってきたのが一時間前の事だった。
なんでも、SNSで見かけた自宅で作れるカクテルを自分でも作ってみたくなったんだそう。冷凍のマゴの実と彼女が好きなパイルベースのチューハイをグラスに注いで、かわいい!などとはしゃいでいた頃はまだよかったのだが。
ただでさえジュースのような甘く飲みやすい缶チューハイが、きのみを入れるほんのひと手間でお手軽なんちゃってカクテルデザートへと変身してしまったのだ。
きっと想像以上に飲みやすいであろうそのなんちゃってカクテルを、一口、もう一口と飲み進めていく彼女。
今日は少しペースが早いなと心配はしていたものの、ほんの少し目を離した隙に一気に煽ったらしい。慌ててグラスを取り上げたのだが、グラスの中は二口程度の液体とマゴのみがひとつ残っているだけだった。

「あっ!油断も隙もないな……美味かった?」
「うん、すごく!」
「そりゃよかった。けどそろそろおしまい」
「やだよ。もったいない」
「やだって、あのなあ」

やだやだと子どものように駄々をこねる彼女にどうしたものかと頭を悩ませる。確かに明日は休みなので、なんとでもなるにはなるのだが……。久しぶりに一緒に出かけられるかもと少々期待していたが、この様子では遠出は難しそうだ。

「こりゃ二日酔い確定だな」
「へいきだよ」
「そうだといいけどな。とりあえず水飲め、ほら」
「ふふふ」

相変わらずにこにこと楽しそうな彼女の顔を見て、ついこちらの口元も緩んでしまう。明日の埋め合わせはまたしっかりしてもらうとして、今日のところはしっかり介抱してやるか。そう腹を括り、俺はもう一杯グラスに水を注ぐのだった。