chuahaaan
2024-06-16 12:06:46
4287文字
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「私」は死んだ

バックアップのないオンリーワンのAI、チャティ・スティックが作られる前はどのようなAIがいたのか、カーラはどうしてコピーを作ろうとしなかったのか。
いまだに納得のいく答えは出ないけれどこんなことがあったのかもしれません。


 機体が大気圏に突入する。コンテナの外壁温度上昇が穏やかになり、外装が外れ、私は空中に放たれる。ドラッグシュートが開く。
 光学観測を試みる。基地周囲の固定レーザー砲台は我々を近づけさせまいと打ち続けている。出力を絞り、間断なく発射している。私は砲の背後の分厚い装甲に覆われた独立ジェネレータを標的に定める。全砲破壊と脅威対象撃破の最短移動経路算出。手足を伸ばして降下位置を調整。
 搭載した近接武装の槍を構える。穂先は徹甲弾の応用品で、ACの出力でも大半の装甲を貫通することができる。重力の支援を受ければなおさらだ。
 母艦の掩護は外部からの干渉を防ぎきっている。砲台は私がいた先行部隊と後続部隊の迎撃に前戦力を投入して私には気づいていないだろう。
 軌道修正限界高度到達......入射角度が浅い、弾かれるだろう......目標まで1000メートル......500......穂先へ右腕に持つライフルの銃身を添えて振動を抑制。
 目標ジェネレータに接触。
 槍尻を掴む左手を軸に機体を反転させ脚のかかとを槍尻に叩き込みブースタを吹かす。私の重量と加速を加えられた槍は砲のジェネレータを貫通した。
 ジェネレータのエネルギーが放出されレーザー砲が爆発する。
『最っ高じゃないか!』
 カーラの通信が入る。
「作戦続行」
 ミサイルで遠距離の敵をけん制しながらライフルを撃つ。私の襲撃に気づいたレーザー砲が攻撃を放つ。連続クイックブーストで回避して残骸の陰に戻る。今の私は機動力を重視した軽量二脚だから回避できたが、味方陣営に被害者が出てしまった。尊い犠牲だ。あとは彼らに任せよう
 銃弾の雨の中へ飛び出し、地面に突き刺さる私の槍を回収。そのままアサルトブーストで援護に向かう。
 戦闘中にボスからメッセージが届いた。
『状況が落ち着いてきたら自分の死亡原因も調べておきな、何かがいたら問題だ』
「了解」