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kurotera
2024-05-27 10:15:49
10495文字
Public
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Même si ce n'est pas le destin. destiné aux adulte
東京流通センター(TRC)
TRCオンリーライブ2024 June.09
スペースNo.D23
サークル名:カノコソウ
【Même si ce n'est pas le destin. destiné aux adulte】
ラビ×リュカ
小説 成人向
文庫サイズ 110頁
800円(通販の場合+送料)/全年齢版とセット購入の場合は1500円
TwitterやWEBであげていたラビ×リュカの成人向けSSを再録した本です。
2024.6.9のラブアップ★チュウ21で頒布予定。
よろしくおねがいします:)
1
2
3
4
週末
だいたいは、ラビの部屋だ。
リュカ自身は別の自分の部屋でも後片付けさえ抜からなければ一向に構わないのだが、とうの恋人は「悪いよ」と言い、何が、と首を傾げる恋人の手を引いて自室に引き入れる。
曰く、あそこはリュカの仕事場も兼ねているから、あまりそういったことはしちゃいけない気がして。
確かに作曲する部屋でもあるが、生活をする自室でもあるのだから、毎日寝起きを繰り返し、課題もするし、くつろぎもする。
――
お前が長い留守の時は、と言いかけ、リュカは、そうか、とただ頷くのみに留めた。
とは言いつつ、何回かは行為に及んだこともある。
それは決まって、作曲に熱中しすぎたリュカに何日もお預けをくらったラビが、我慢の限界の末に起こした結果のことだ。
そんな時はきまって、罪悪感にしょげた顔で謝ってくるのだからたちが悪い。
珍しく誰もいない。
家主であるノアも、朝陽も、レオンも、更に言えばノアの有能な執事であるセバスチャンも。しかも、二日に渡って。
仕事や友人との約束など、偶然に偶然が重なってのことらしい。
一週間前にそれを知らされたとき、ラビは「へえ」と少し驚いた顔をさせ、それからすぐに戸締まりはしっかりするから安心して、と普段の落ち着きのまま微笑んだ。
ノアも、信頼を置く仲間の返答に頼んだよ、と頷いて席を立った。するとそこにリュカがやってきて、ああ、リュカ。次の週末の予定は? とノアが聞けば。
「いや、何も」
と相変わらずの無表情で答えたので、ノアはラビに伝えた件をそのまま、否、ひとつ付け足してリュカに伝えたのだった。
「キッチンにはくれぐれも立ち入っては駄目だよ。ラビも分かってるね?」
「
……
あ、ああ。分かってるよ。夕飯はオレが
――
」
「ラビ?」
「そうだ、リュカ、ピザでもとらない? うん、そうしよう」
いいね、と当日その場にいないはずのノアが満足げな顔で立ち去り残ったのは
――
留守番をする二人である。数秒の沈黙ののち、ソファに座っていたラビに視線を向けて切り出したのはリュカだ。
「
……
お前はどこかにいかないのか」
「うん。予定は無いな
……
」
「そうか」
返答に曖昧に頷き、そのまま地下スタジオに向かったリュカの背中を眺める。今、言葉に出してはいけないような、そんな互いの思惑に思考を馳せつつ、ラビは集中を欠いたまま手元の本に視線を落としたのだった。
*
週末の二日間、家には二人だけ。
四人が帰ってくるのは日曜の夕方から夜にかけて。よくもまあ、うまいこと予定が被ったものだ。
「なあなあ、ピザパーティーしようぜ! 二枚買うともう一枚貰えるクーポンだってさ!」
教室で宅配ピザのチラシを持ちながら、愛童がはしゃいでいる。二枚でもう一枚か、余ったら昼にでも回せばいいか、と考えながら、ラビは手元のスマホに表示されたカレンダーを見た。週末まであと三日。
「ラビ」
――
引き出し
……
確かめておこうかな
――
この前見たときにはもう無いなって思っていたし。
今日注文したら週末までには届くだろう。
「おい」
――
日曜日の朝は
……
起きた時間で考えよう
――
「
……
」
「わっ」
ぽん、とノートで軽く頭を小突かれ、驚いた肩が跳ねる。なに、とそちらを見れば呆れたような顔をさせたリュカが、立っていた。
「次は移動教室だろ」
「え、あ、そうだった」
ごめん、と慌ただしくスマホをポケットに突っ込み、立ち上がる。行こうか、とリュカを促せば彼は小さなため息を吐き、歩き出した。
「考えごとか? お前らしくない」
「まあ
……
ね。ああでも、たいした事じゃないよ。心配しないで」
「
……
言ってみろ」
リュカに促され、ラビの眉が下がる。えっと、と何かを言いかけたがその続きを出せず、かくりと首が傾いだ。
「言わなきゃだめ?」
「たいした事じゃないんだろう。オレの声はまったく聞こえていなかったようだが」
「悪かったって」
リュカの皮肉に謝りながら早足で次の教室へと向かう。
少しばかり拗ねたらしいリュカの様子に、言わなければ機嫌はなおらないだろうなと察して、ラビはやれやれと肩を落とした。
「週末のことを考えてた」
「は?」
「週末。あー、リュカと二人で過ごせるから
……
ちょっと舞い上がっちゃって」
オブラートに包んだ返答に、リュカが眉間に皺を寄せる。心なしかぽつ、と目元が赤らんだように見える。
「馬鹿」
「馬鹿にもなるさ」
返す言葉に窮して吐き捨てたリュカにラビが苦笑いを浮かべる。
「授業には集中するから。許して」
「当たり前だ。
……
まだ四日もあるんだぞ、お前」
「でも週末の楽しみがあると、気にならない? オレだけ?」
「
……
浮かれすぎてノアに怒られてもオレは知らないからな」
ほとほと呆れたようなリュカの言葉にうん、と頷きながら教室に入る。
三日。待ち遠しい気持ちをリュカも持ってくれればいいのに、と考えながらラビは席についた。遅かったね? と先に席に着いてきたノアが聞いてきたが、曖昧に返事をするの留めたところでチャイムが鳴った。
それから三日は普通の日々が続いた。しかしリュカはラビの、普段の振る舞いの中に僅かに
……
機嫌の良さを見出していた。
そんなに楽しみなのか、とやはり呆れてはしたものの、実のところリュカ自身も、あの会話のあとはあと三日、あと二日、とどこか意識していたのは否めない。
――
土曜日。
「それじゃあ、留守を頼むよ」
朝陽とレオンは朝早くに出発していた。玄関から声が聞こえたかと思えばセバスチャンを連れてノアが出てきたのを庭で花に水をやっていたリュカが見つけ、そしてノアもこちらを見た。
「リュカ、行ってくるよ」
「ああ、気をつけて行ってこい」
先に停めていたらしい車に乗り込む家主の姿を見送れば、すぐに車はエンジン音を鳴らしながら去って行く。
水道の蛇口を捻り水を止めれば、持っていたホースの先端から水滴が滴る。昼前の柔らかな陽光に、水に濡れた庭はきらきらと輝いているように見えた。
「ノアも行ったよ」
扉が開き、ラビが顔を出して告げる。
「ああ、知っている。今見送ったところだ」
「そっか。水やりは?」
「終わった」
ホースを巻き取っていくリュカの言葉に、ラビが庭を眺める。眩しげに目を細め、口元を綻ばせた。
「いいね。
……
コーヒーはどう?」
「欲しい」
「アイス?」
「Oui」
リュカが頷けば、待っていてと言い残しラビが引っ込む。嵌めていた軍手を外し、棚に置く。少し汗ばんだ額を手首で拭い、それからリュカはぐっと伸びをした後、部屋に入った。
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