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おにしょたのビマヨダ未満(ちょっとだけビマヨダ)

いずれビマヨダになるおにしょたなビマ+ヨダの小ネタ。小説にはできなかった!
2025/06/07:3ページ目に高校生×小学生ネタ追加。くっつく瞬間も少しだけ。
4ページ目に昔ふせったーに載せてた小ネタも収納。3ページ目の元ネタ的な雰囲気のもの。3ページ目の流れとは違うけど、当時同じ設定で考えてたビマヨダ小ネタ。


おにしょた3


高校生(16)×小学生(6)の頃。
とある休みの日、ビマの家にヨとヨの妹のドゥフシャラーが遊びに来ていた。学校での出来事を聞いたりおやつを食べたり追いかけっこをしたり。
楽しく過ごしてたんだけど、台所へお皿を片付けにいったシャラちゃんが家電のコードに足を引っ掛けて、転びそうになってしまう。妹の前を歩いていたヨが「ドゥフシャラー!」と名を呼ぶが、ヨも皿を持っていて助けられそうにはない。

台所のシンクの前にいたビマは瞬発力を発揮して、手を伸ばしてガシッとシャラの体を倒れないように受け止めた。
「大丈夫か?!」
ビマは聞くけど、シャラちゃんは弾みで落として割れてしまった皿を見て青ざめている。怒られると思っているのだろうか。もちろん怒るつもりなどない。
「皿は心配しなくて大丈夫だ。それより割れた皿が危ねえから……よっと」
ビマとヨはスリッパを履いていたが、幼い妹は素足だった。ケガをしないように抱っこしてやる。片腕で抱いたまま、掃除をするためにひとまずソファに避難させるか、と考えたところで
ゴトンッ!
と、大きな音がした。驚いてそちらを見れば、ヨの手からも皿が落ちていた。そちらは偶然にもマットの上に落ちたおかげで、割れずに済んでいた。ビマはほっとする。

しかし、ヨも皿を落とすとはいったいと改めて見ると、そこには目を見開いているヨがいた。びっくりしているような、衝撃を受けているような。見たことがない表情。少しばかり顔色も悪い気がした。
「ドゥリーヨダナ?どうした?おまえ、どこか……
ケガでもしたのか?と聞こうとした。でも、名前を呼ばれたヨはハッと我に返ったように表情を変えて、言葉を出さないまま口を二度三度ぱくぱくと動かしている。
「おい、本当にどうし
様子のおかしいヨにシャラをだっこしたまま近づこうとすると、慌てたようにヨが口を開いた。
「わ、わし様っ、帰る!あと、お皿は、べんしょうする!」
「いや、弁償なんてしなくて」
「ドゥフシャラー、行くぞ!」
「え、お、おい!ドゥリーヨダナ!?」
狼狽えたような声音でまくしたて、ビマの腕の中の妹をぐいぐいと引っ張るものだから、ビマは慌てて割れた皿から離れたリビングの入り口付近にシャラを下ろした。
降ろした途端、ヨは妹の手を引いて本当にピャーッとリビングを飛び出していってしまう。「おにいちゃん」と訳がわかっていなさそうなシャラの声が玄関の閉まる音と共に消えていった。
「なんだったんだ……?」
ビマは呆然とするばかりだった。


割れた皿を片付けてから、ビマはヨの家に向かった。さっきのヨの様子が気になって仕方なかったからだ。
母親から自室にいると聞き、2階の奥のヨの自室に向かう。コンコンとノックしても返事はない。
「ビーマだ。ドゥリーヨダナ?入っていいか?」
声をかけても返事はない。
「入るぞ」
これはもう入って顔を合わせないとわからない。ビマは潔く鍵の掛かっていない部屋に入った。静かにドアを閉める。部屋の中には勉強机と本棚、ランドセル。クッション。おもちゃ。その他色々。

ヨの姿は見えない。でも。
……ぐすっ、……すん」
鼻をすする音……小さな泣き声が、した。
ゆっくりその音のする方へ歩き、ビマはしゃがみ込む。小学生になる時に買ってもらったというピカピカの勉強机。その下の狭いスペース。そこでヨは膝を抱えて丸くなって泣いていた。
「ドゥリーヨダナ」
呼べば膝から少しだけ顔を上げてくれる。その顔は涙と鼻水でぐしゃぐしゃで、泣き声を我慢したからか真っ赤だった。

ビマはより一層身を屈めて、ヨと同じ目線になる。
「どうしたんだ?」
できる限り優しく語りかける。
「割れた皿でケガしてねえか?」
ふるふるとヨの頭が小さく振られる。
「そうか、よかったぜ」
本当によかった。割れた破片がヨに飛んでいって傷をつけた可能性も考えていた。ヨの皮膚は子供らしくやわらかい。傷がついたら可哀想だし、早く手当てしてやりたかった。
「なら、なんで泣いてんだ?」
「悲しかったのか?」
「いやなこと、あったか?」
「俺が何かしたか?」
一つ一つ、ヨの反応を確認しながらゆっくり聞いていく。
ヨはわがままで好き勝手しているように見えて、年齢以上に聡いところもある。一方、自分の感情に振り回されているように見える時もあった。でもビマにとっては可愛いドゥリーヨダナだ。そんなヨが話しやすいように、おだやかに、なんてことないように、何でも受け入れると言うように、態度で示す。

すると、ヨが、すん、すん、と鼻をすすり呼吸を整え始めた。話そうとしてくれているのがわかって、ビマはただじっと待つ。大柄な体を小さくするのは窮屈ではあるが、ヨのためなら苦ではなかった。
「わ、わしさまっ」
「おう」
「う、ひっ、びぃまが……っ」
ひっく、ひっく、と合間にしゃくりあげる姿がいとけない。そっとしておこうと思ったが、やはり放っておけなくて、ビマはヨに手を伸ばした。ふわふわの頭を優しく撫でてやる。
途端、目の前のヨの顔がくしゃりとゆがむ。
「びっ!びぃまがぁ!」
「ああ、俺が?おまえに何をしちまったんだ?」
「うっ、ひっ、ん」
「教えてくれ、ドゥリーヨダナ」
親指でヨの目じりから流れる涙を拭う。まだ躊躇っている様子のヨに話してくれと乞う。泣き濡れた顔も泣くのを我慢して噛んでいた唇も赤くて可哀想で、ビマは早くヨの気持ちをやわらげてやりたくてたまらなかった。
ビマの言葉と仕草にヨの唇がふるふると震えて、そうして、ついにヨの心があふれた。

「うぅ、っ、びぃま、が!ドゥフシャラー、のっ、こと、」

………っ、、だ、だっこ!!したあっっ!!」

「だっこ、わ、わしさまだけっ、だとっ、う、思ったのに!」

「びーまの!だっこは、わしさまっ、のっ……っ」

そこまで言ってヨは、とうとう耐えきれず、うわーーーん!!と大声で泣き始めてしまった。ドアを閉めてきてよかった。兄として妹にこんな姿は見せたくなかっただろう。

ビマはヨの頭から手を離し、改めて両手をヨに向かって伸ばし広げる。
「ドゥリーヨダナ」
呼べば、ヨは当然のように、しがみつくように、ビマの腕の中に飛び込んでくる。勢いがよすぎてビマは尻もちをついたが、まあ、そんなのはなんてことはない。ヨの方がだいじだ。
「俺がドゥフシャラーをだっこしたのがイヤだったのか?」
腕の中でビマの胸に顔を埋めながらヨがうんうんと頷いた。
「あれは皿が割れて危なかったからだぜ。スリッパ履いてなかっただろ?ドゥフシャラーは」
うん……とまたヨが頷いている。
「ああ、おまえはわかってるよな。ちゃんと妹連れて帰ってえらかったな、ドゥリーヨダナ」
それはわかっていた。だから、その場ではちゃんと我慢してお兄ちゃんとして頑張って帰っていったのだ。素直に褒めれば、泣いていた体の震えが少しおさまったように感じた。

それでも自分がヨの心を傷つけたのには間違いない。
「悪かったな」
謝れば、ううんと首が振られる。まだ顔は見えなかった。
「びーまは、わるくない……
「そうか」
「でも、」
「うん」
「わし様……
「ああ」
たどたどしいヨの言葉が止まらないように、何回も相槌を打つ。ヨの思いは全部伝えてほしかった。
「わし様……びぃまがわし様じゃない子をだっこするの……いやだ……
ヨの顔がやっとこちらを向く。赤く腫れたまぶたは痛々しいが、瞳はまっすぐビマを見ていた。
「ビーマ」
「ん?なんだ?」
「ビーマがだっこするのは……わし様だけにして……
「わかった」
可愛らしいお願いにビマは一も二もなく了承する。
……本当か?」
すぐに返事をしたせいで、ヨは訝しげな顔をしていた。信じてもらうために大きく頷き、言葉を重ねる。
「もちろんだ。俺がおまえとの約束破ったこと、ないだろう?」
「うん……うむ……絶対だぞ?わし様だけだからな?ずっと、ずっと」
「ああ、誓う」
繰り返される確認に何回も頷いてみせる。子供からのめちゃくちゃな約束だと第三者には思われるかもしれないが、ビマはヨには本気で向かい合っていた。だから、心から誓った。

その本気が伝わったのか。ヨはほっと息をつき、やっと表情を緩めてふわりと安心したように朗らかに笑った。
ビマのシャツはヨの涙と鼻水でぐちゃぐちゃだ。でも、ヨがいつも通りの笑顔で笑ってくれたから、それ以外は何もかもが些末なことだった。
「ビーマ!」
「ん?」
「だっこしろ!」
「もうしてんだろ?」
戻ってきた可愛いわがまま王子に、ビマは笑いながらもう一度改めてヨを抱き直し、よいしょと立ち上がる。さっきドゥフシャラーにしたのと同じように片腕で抱えれば、ヨが満足げにぎゅっとビマの頭にしがみついてくる。背の高いビマの腕にだっこされて、機嫌はすっかりよさそうだ。ビマはその笑顔をまぶしく見守っていた。



この後、ヨは、
「手をつなぐのはわし様だけにしろ」
「一緒にドーナツを食べるのはわし様だけにしろ」
「腕組みするのはわし様だけにしろ」
「ビーマのお弁当はわし様だけにしろ」
「ビーマの一人暮らしのアパートに入れるのはわし様だけにしろ」
「お酒を飲むのはわし様とだけにしろ」
と散々ビマにお願いを突きつけ、とうとうヨが大学を卒業する時に、
「ビーマが好きになるのは、わし様だけにして……
とお願いして、
「これだけやっといておまえ以外にいるわけねえだろ。今までも、これからも。生涯俺が好きなのはおまえだけだ、ドゥリーヨダナ。俺だけのものでいてくれ」
とビマが告げてくっつきます!

ハッピーおにしょたビマヨダ〜!!(万雷の拍手)



あとがき設定裏話
・ビマは高校の料理部。料理の腕を磨いている。今も変わらず、おやつを作ってヨに食べさせてあげている。
・ヨは弟も妹もできて、お兄ちゃんとして頑張っている。でもビマには変わらず甘えたい。ビマは、きょうだいでも親でも友達でもない、特別な自分だけの存在。

・ヨはお兄ちゃんなのに妹に対して、「ビマにだっこしてもらっちゃダメ!」と心の中で思ってしまって、自分でびっくり。お兄ちゃんだから我慢しなきゃと思ったけど、心がぐちゃぐちゃになっちゃって、泣き出す前に家に帰った。ちゃんと妹の面倒を見る、優しいお兄ちゃん。ビマのことになると、なんだか気持ちがうまく制御できない。
・優しいお兄ちゃんしてるからこそ、やきもち焼く自分が意地悪に思えて、余計に辛くなっちゃったところも。ビマに褒めてもらえて、わがままを受け止めてもらえて、安心してすくすく育つ。わがままも育つ。

・ビマはヨとの約束を全部ちゃんと律儀に守るから、学生時代〜社会人、それぞれで「恋人いないなんて絶対うそ、絶対独占欲強い恋人がいる」と噂される。恋人いないのは本当。ビマの特別なヨがずっとそばにいるだけ。

・付き合いだしてから、ビマは「おまえ俺以外にだっこされるなよ」とか言い出す。当然「おまえ以外にわし様(※190cm90kg)をだっこできる奴などおらんわ!」と言われるけど、「……用心しろよ」と難しい顔でビマは念を押した。
・「おまえは俺のドーナツだけ食べてろよ」とかビマが言い出すようにもなる。ヨは「わし様の恋人は面倒だなあ、まったく!」とか言いつつ、大人なお兄さんなビマが恋人になったら見せてきた独占欲にめちゃくちゃ喜んでいる。

・両思い度でいったら別に大学卒業を待つまでもなくずっと100点両思いだったのだけど、でも大学卒業を機に一緒に住みたくてヨがついに一歩前へ踏み出した。


(おにしょた時代の妄想もまだまだいくらでもしたい〜っ)