enoki181
2022-08-26 20:59:30
11732文字
Public リプレイ
 

【ストリテラ】ルートイレヴンは眠らない(夕星×上原)【リプレイ】

俳優:成海さん、エノキ


●ファイナルチャプター

▼明ける夜
 ――どうやら、追っ手はすべて撃破したらしい。
 愛すべきルートイレヴンは、そのまま隣県へと続いており、ゆるやかに景色が変わっていきます。
 今夜もどうにか、依頼を達成できたようです。
 このまま目的地であるテーマパーク「ドリームランド」へ向かいましょう。

 その前に、ノンアルコールのドリンクで乾杯なんてどうでしょうか。

夕星晋 : 川岸に這いあがり、アタッシュケースを放り投げる。
口の中に入った水を吐き出した。

「あーー……はっ、はは。死に損ねた」

上原の手で死ぬ、なんて滅多にない機会にさ。

上原珠天 : 「し、死ぬかと思った……

未だにうるさい心臓を押さえて深呼吸をする。
ああ……空気が美味しい……

夕星晋 : 俺も殺し損ねたな。

「生きてりゃやすいやすい」

川に単車が浮いていた。
近くにあがってきた奴の顔は、まあ見知った顔で。

「よお、お疲れ。俺の銃も沈んじまったし、三人で仲良く死んだことにしようぜ」

笑顔で近くに寄り、思い切り一発、横っ面をぶん殴る。
脳震盪を起こさせて意識を落とした。

……さて」

上原の方を向く。

上原珠天 : 「え、っと。受け渡し時間までは、余裕ありますね」

意味ありげな表情に少しどきりとする。
……ああ、やっぱり察せられてるんだなあ。

……すみません、妹が……誘拐されて……その……

夕星晋 : 「知ってる。すぐ突っぱねるなり返事するなりしないから、こうして本部から裏切者認定されてんだ。言っとくけど、一人の人生滅茶苦茶にしてるからな」

地面で伸びてる奴を指差して。

「で、要求はなんだった?」

上原珠天 : 「すみません……すみません……

これには平謝りするしかない。まさかここまで大事になるとは思っていなかった。
……はあ、やってしまった。

「要求は……支部長を殺せって……

夕星晋 : 「…………お前に頼むなんて、センスねぇなぁ」

本当にわかってねぇなぁ、こいつのこと。
それとも、ただ愉快犯だろうか。できないだろうって分かり切って困るのを楽しむなり、妹の方が本当の目的なり。
まあ、あの妹を誘拐するってあたりもセンスがない。蒼華も蒼華だ、早く抜けてこいよ。兄に助け出されるまたとない機会に酔ってんのか知らねぇが。

「死体が上がらないと怪しむか……いや、うちの関係でなんとかなるかな……

しばらくぶつぶつ呟いてから、置いてきぼりになってる上原に告げる。

「俺もお前もこいつも、表向きには死んだことにする。困らないようになんとかもしてやるよ。アルフェッカは両者死亡で解散、引退。表向きの筋書きはこうだ」
「で、だ。お前の妹が無事な保証はないと思ってる。ちょうど人員も増えたことだし、ちょうどいいと思うけど。どう?」

伸びてる部下をちょいちょい蹴飛ばしながら。

上原珠天 : まあ……この人を殺すことができるなんて最初っから思っていないし。
そうなったら、協力を仰いで助けてもらうしかない。

……結局のところ、自分はそれしか道がないわけで。
もっと早く頼むべきだったのだ。

「すみません、お願いします。妹助けるの、協力してください」

そう言って頭を下げる。

夕星晋 : 「恩は返せよ」

後で蒼華にも同じこと言ってやるけど。
珍しく随分下にある髪をぐしぐしと混ぜてやった。

「じゃ、目の前の仕事を先に片付けに行くか」