enoki181
2022-08-26 20:59:30
11732文字
Public リプレイ
 

【ストリテラ】ルートイレヴンは眠らない(夕星×上原)【リプレイ】

俳優:成海さん、エノキ


▼ルートイレヴンの女神
 主演:運び屋コンビのガンシューター
 湾岸道路のコーナーを抜けると、きらびやかなライトに照らされた長大な橋に出ました。
 この場所こそ、ふたりの縄張り。
 ルートイレヴン、星屑の橋とも呼ばれる、この街のランドマークです。
 ――けれど、最後の刺客が、ここで待っていました。
 並走し始める単車を操るのは、「運び屋コンビのガンシューター」にとって因縁の相手でした。

夕星晋 : 橋を見て、どこか感慨深いものを感じる。
ここ、随分と走らせたもんだよなぁ。大小さまざまな仕事を思い出し、大体は上原にハンドルを握らせていたことを実感する。
これだけこなしても、こいつは仕事に慣れたように見えない。なのに、辞める気配もない。不思議な男だ。

思考を切り裂いたのは単車の音だった。随分唸りを上げてやってきてるように思う。

……おいおい」

ミラーを確認し、頭を抱える。
あっという間に並走し始めた単車を操るのは、うちの支部の部下で上原の同僚で。つまり、本部にあれこれ勘づかれたってことだ。過去の因縁の相手を追手に出すか、クソ。

「スピード上げろ!」

一先ず引き離すように、声を張り上げて指示を出す。

[ 夕星晋 ] コレクト : 0 → 1

上原珠天 : 「!?」

とりあえず言われるがままにスピードを上げる。
その後で、状況を確認しようとバックミラーやサイドミラーを見る。
……一瞬、時が止まったような心地がする。

……え? なんで……?」

[ 上原珠天 ] コレクト : 0 → 1

夕星晋 : 片手で構えられた銃口は、運転席へ向けられていた。
そう指導したのは俺だ。真っ先に足を落とせ、ってな。

「上原ァ!余所見すんな!」

かつての部下の腕を狙って銃を撃つ。
舞い散る薬莢の向こう側、腕を一旦引いて体制を整え直しているように思う。こいつの癖だった舌打ちが聞こえるようだった。

[ 夕星晋 ] コレクト : 1 → 2

上原珠天 : 全く何が何やらで状況は掴めそうにもない。
分かることは二つ、今自分たちは追われている立場になってしまっていること。
呆けていては命の保証が全くなくなってしまうこと。

……とりあえず、それなら今は目の前のことに集中しよう。
考えるのは、支部長の仕事だ。
後続の車を引き離すようにスピードを上げる。

夕星晋 : 距離はできたが油断はできない。
またスピードを上げて追ってくるだろう。あいつだって手ぶらで帰るわけにはいかない。
しかし、上原がいる。あいつは上原に銃を向けた。こいつを失ったとして、俺が組織を抜けようとした意味は。

もし殺すなら俺だ。
上原に同僚殺しが躊躇なくできるとは思えない。
無論、俺も戸惑いがないわけでは。一度は部下だった奴だ。

けれど、本当に。ここでこいつを絶対殺す……しか、ないのか?

……!」

外の景色を見て、ひとつ、思いつく。

「上原。俺を信じて一緒に死ねるか?」

[ 夕星晋 ] コレクト : 2 → 3

上原珠天 : 「ええっ!?」

突然の提案に流石に驚く。
一緒に死ぬ? いやそれは流石に……と一瞬思うが、いや……と思い直す。
間違いなくこの人には考えがある。
意味もなく死を選ぶことなんてありえない。それだけは間違いない。

……いやあ、俺には勿体ないくらいの相棒ですよ。

……何をすれば良いんですか?」

[ 上原珠天 ] コレクト : 1 → 2

夕星晋 : ……へえ。そっと笑う。
急いでダンボールの中身をアタッシュケースに詰め変え、中身の金は一部取り出して、しっかりと留め金を嵌めて抱えた。

「アクセルベタ踏みで、そのまま真っ直ぐ」

片腕を窓から出し、掌を一度下へ下げてから、次は上へ。ダンスに誘うよう、数度指を曲げてやる。
後ろの奴が速度を上げてついてくる。意図がはっきり伝わってるかわからないが、即座に撃ってくるようなことはなさそうだ。それで上等。

「まだ、真っ直ぐ……おい、踏み込みが足りなくねぇか?ちゃんと信じろ」

[ 夕星晋 ] コレクト : 3 → 4

上原珠天 : 「信じてますってば……!」

それはそれとしてこちらは至って普通の人間である。
つまり、そう、このままべた踏みで真っ直ぐ行ったらその先どうなるか……と考えるとどうしたって萎縮してしまう。

いやいやそれでは良くない。
足りないと言われたのなら覚悟を決めていくしかない。

唇を噛んで自分を叱咤し、それからアクセルを全開に踏み込む。

夕星晋 : ああ、気分がハイになっている。
今、自分の命を他人に預けているわけだ。
思い付きとはいえ、自分一人なら失敗しないと思うが、他人が絡むとわからない。
けど、他人が、それも上原が絡むと、最高に面白い。

「心中の定番は愛する者同士だっけか」

思い切り戸惑っているのを感じるが、アクセル緩めるな、とだけ返して。
そうだよなぁ、エンジン音のBGMじゃロマンが足りないよな。

「シートベルトはしっかりしとけ。でも、ちゃんとすぐ外せるように。いいか、曲がるな……真っ直ぐだ、真っ直ぐ」

橋の曲がり角が見える。
通る度に思ってたんだよ。老朽化してねぇか、って。

「アクセル踏みつけてろよ。ハンドルも切るな」

壁が迫ってくる。

[ 夕星晋 ] コレクト : 4 → 5

夕星晋 : 壁がぶちあたる瞬間、身を乗り出して上原の耳裏に囁いた。

「上原、愛してるぞ。お前は?」

衝撃。
浮遊感。
転がりまわる視界。

さて。
上原は、本当にアクセルを緩めないでいられたのか。

どっちでもいいんだけどな。

他人に殺されるくらいなら、俺の案で死んでくれ。

[ 夕星晋 ] コレクト : 5 → 6

[ 夕星晋 ] FP : 1 → 2