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戌丸アット
2022-05-29 23:33:40
33972文字
Public
戦国basara
三家SS詰め
三家(戦国basara)
1
2
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6
7
【兄弟パロ】
今日、三成に家族が増えました
「三成くん、今日からこの子も我が家の家族だ!仲良くしてあげてね」
そう紹介する半兵衛と繋いでいる手をぎゅっと握り、不安そうに爪を噛む少年がいた
見ると艶のある黒髪は丁寧に切り揃われ、瞳は輝く琥珀色をしていて、肌はふわふわと柔らかそうであった
しかしそんな事で三成は動じたりしない
ショタコンではないからだ
がしかし困る事はある
「じゃ、とりあえずこの子の事、よろしくね」
「え!?」
「あれ?今日は授業ないよね?」
「は、はい!そうですが
…
」
「なら大丈夫だよね、君、外に出るようなタイプじゃないし」
「
…
はい、いってらっしゃいませ、半兵衛様」
まさか子供を押し付けr
…
世話を任されるとは思っていなかった三成は、読書の為にと持っていた小説をそっと鞄にしまいながら項垂れた
孤児であった三成を拾ってくれただけでなく様々な事を教えてもらい、大学まで通わせてもらっているのだ
秀吉と半兵衛の頼み事を断ると言う選択肢など有り得ない
などと何処か遠い目をしながら現実逃避しそうになっていると足元から小さな声が聞こえて、思わず下を見た
どうやら半兵衛も驚いているらしい
「
……
て
…
しゃい」
「!
…
ふふ、行ってくるよ、家康くん」
「家康、と言うのですか?」
「徳川家康くん、彼の家庭環境は最悪でね、僕たちが引き取る事にしたんだよ、会社ごとね」
「
…
そうでしたか」
会社ごと、と半兵衛が言う時は、土地を買っていたり工場をそのまま買った事を意味する
そっと渡された書類を速読してみると、どうやら家康と言う子供は工場経営をしていた社長の一人息子だったようだが、母親は病死
父親も経営不審で暴力を振るっていた挙句、酔っ払いの喧嘩で刺されて死んだと言うロクでもない親と記してあった
「
…
これは」
「その書類は彼の健康状態とかだよ、君は家康の様子とかを追加で報告してくれ
…
心配だからね」
「了解致しました、いつもの様にメールで報告致します」
「うん、よろしく頼むよ」
三成の返事に満足したのか、半兵衛は家康の頭をひとつ撫でると迎えの車に乗って早々に出て行ってしまった
きっとこれから会議か会食で帰ってなど来ない
それは三成にとって当たり前であった
しかし寂しさはない
元々、親と言う存在が薄い三成にとって一人は楽なのだ
がしかし今日は違う
今日から家族だと言う足元の子供を見なくてはいけなかった
「
…
ふむ、とりあえず飯にするぞ、座っていろ」
「
…
」
コクリとひとつ頷き、やはり爪を噛みながらリビングへと歩いていく姿を見て不思議に思った
随分と聞き分けの良い子供だ
これは全くもって困らない
食事はいつも使用人たちが作ってくれるので一声かけて広いリビングで待っていれば良いので、キッチンへ行き、事情を伝えてリビングへと戻ってきてみると家康は大人しく座っていた
そしてやはりフードを被り、爪を噛んでいる
「おい」
「
………
?」
「爪を噛むな」
「ごめんなさい」
見てみると、このまま噛みすぎて深爪になるほど噛んでいたので、注意すると家康は小さく1つ返事で止める
それがとてつもなく気持ち悪かった
何処にも子供らしさがないのだ
とりあえず他の書類も読んでみると、医師の診断によると家康の場合、爪を噛んでいるのは不安や不満を押さえ込んでいる状態で我慢していると記してあった事で納得した
どうやら半兵衛が居なくなって見知らぬ三成と二人きりで不安なのだ
何より書類によると家康は暴力を受けたショックで元々は明るい性格だったのが、かなり大人しい性格となってしまったらしかった
「これは
…
私にどうしろと言うのですか、半兵衛様っ!!!」
「
………
はんべえ?」
「ん?半兵衛様を知っているのか?あと様を付けろ」
「うん
…
知ってる、よく施設に遊びに来てくれた」
「施設?」
「ワシ、父ちゃんも母ちゃんも死んで施設に居たから」
「
…
そうか」
半兵衛の名前を聞いて、反応したのをきっかけに喋り始めた家康に慎重ゆっくりと近付いて隣に座りながら家康の話を余すことなく聞いた
無論、報告の為でもあったのだが、いつの間にか三成は、この臆病になってしまった子供に三成は親近感が湧いた
同じ孤児院出身と言うのもあるが少年の瞳の色に興味が出た
恐怖しながらも諦めていない、そんな目をしているように感じたのだ
「私は石田三成と言う、これからお前の世話を時々する事になるだろう」
「そうか
……………
」
「
…
なんだ」
「本当にタメ口でも怒らないんだな」
「何!?」
「ぎょうぶがみつなりと会ったらタメ口で構わないだろうって言ってた、さすがはぎょうぶだな!」
「
………
」
ついつい子供だから言葉遣いが分からないのだろうと思っていたら、どうやら敬語は出来るらしい
その上、三成はまさか「ぎょうぶ」の名を聞くとは思ってもみなかった
「刑部(ぎょうぶ)」とは大谷吉継の事で三成の同級生である
刑部は歴史上の人物と同姓同名だからと、いつの間にか付いていた大谷のニックネームで三成自身、違和感なく使っていたが思いも寄らない所で聞くハメになってしまった
しかし三成は家康が刑部を知っていた事には驚かなかった
何故なら書類の作成者が刑部なのだ
刑部も三成も豊臣でアルバイトとして度々、働いているので刑部が作っていても可笑しくなどないのだ
「くっ刑部め!!!ガキに何を吹き込んでいるっ!!!」
「算数とか色々教えてくれたぞ!ぎょうぶは物知りなんだ!」
「っ!
………
あぁ、そうだな」
そういう意味ではない、とツッコミを入れたかったがキラキラと喜ぶ表情を突然ではあったが見せた家康に、もう良いかと握った拳を広げ、そのまま家康の頭を撫でてやる
すると最初はビクリと驚いたのが伝わってきたが、撫でる度に力が抜けるのを感じ、様子を伺うとお気に召したようだった
「
…
みつなり」
「?、なんだ」
「ワシ、これからどうなるんだ?」
「ん?何も知らないのか?」
「うん
…
」
暫く撫でていたのだが、ふっと小さな声で三成の名前を呼んだと思えば家康は不安げに瞳を潤ませていた
どうやら何も知らされていなかったらしい
もしくは教えられても理解が追いつかなかったのだろう
そう考えた三成はとりあえず此処が帰るべき家だと言う事を教える事にした
「安心しろ、今日から此処が貴様の家だ」
「え?此処が?」
「そうだ、秀吉様や半兵衛様が此処に住んでいる所だ」
「
…
みつなりも一緒か?」
「?、あぁ、そうだ」
「そっか!よかったっ!」
「ぐぁっ!!?このっ!!!大人しくしろ!!!」
「うわー!あははは、たかーい!」
三成の答えがよっぽど嬉しかったのか、家康は瞳をキラキラとさせたかと思うと今までの大人しさが嘘のように跳ね回り、でんぐり返しなどをした後、三成の腹めがけて突撃してきた
流石の三成もかなりのダメージを負ったが、すぐに捕まえると家康の脇をガッツリと掴むと暴れないように高く上げた
すると泣くどころか家康は喜ぶので、三成は書類の情報を疑いたくなった
それ程までに家康と言う子供が明るかったのだ
それから三ヶ月ほど経ち、もうスッカリ
…
三成は骨抜きになっていた
別に家康が手間のかかる子供だったと言う訳ではない
むしろ不安を隠す性質だった事が判明し、半兵衛が三成にぞんざいに扱わないように注意し、ケアを念入りに慎重にしていたのだ
無論、世話は三成にさせていた
これも三成が人との触れ合い方を今よりももっと柔らかいものとする為だったのだが
…
結果として三成はすっかり家康に入れ込んでいた
「家康、ティッシュは持ったか?」
「うん、ハンカチと一緒だ!」
「うむ、流石だ家康、ならトイレを済ませて来い、終わったら保育所だ」
「はーい!」
一見、微笑ましい二人の光景を目にしながら半兵衛はひっそりとため息をつくと、そっと三成を呼び寄せる
「家康くんとは上手くやっているようだね
…
三成くん」
「はい!家康は小学生にもなっていないのに覚えが早く教えがいがあります!」
三成は今日の報告分、と分厚い紙束の入ったファイルを取り出そうとしながら答えるので半兵衛はその動きを制した
別に書類が受け取りたくなかったわけではない、かもしれない
そんな事は露ほども疑わない三成は素直に従いながら次の半兵衛の言葉に失神しそうになった
「そう
…
なら今度、お使いさせようかとおもt」
「え!?半兵衛様、それはまだ早いのでは!?それに家康は明るく元気もあり、何より人当たりが良いですから変な輩に絡まれるとも分かりません!!!」
「凄く必死だね、君」
どうやらまだ幼い家康に一人でお使いをさせるのが嫌らしく、珍しく三成は異を唱えた
この三成の様子に半分呆れ、もう半分は嬉しさを覚えながら半兵衛は続ける
「家康くんももう来年には小学生だ、近くへのお使いくらい出来るようになっても良いんじゃない?いつまでも子供じゃないんだし」
「そ、それはそうですが
…
」
「大丈夫だよ、後ろから付いて行けば良いさ、バックアップをすれば誘拐もない」
「
………
そう、ですよねっ!」
結局、三成は半兵衛の説得により家康にお使いを頼む事になった
無論、大事な豊臣の家族なので半兵衛は素早く携帯を取り出すと指示を出す
そんな半兵衛を確認した後、三成はリビングへと戻ると暇そうにしている家康に近付き、話始めた
「家康
…
」
「あ、みつなり!
…
暗い顔をしてどうしたんだ?おなかいたいのか?」
「違う、お前
…
今日、帰ってきたらお使いに行かないか?」
「ぇえ!?お使い!?ほんとうか?」
三成のお使いへ行けと言う言葉に家康は驚いていたが、瞳を光らせて
三成の周りをぴょこぴょこと跳ねる
そんな家康とは半面、外に出したくない三成は逃げ道とばかりに否定的な言葉を出そうとするが家康に阻まれた
それだけテンションが上がったと言う事だ
「あぁ
…
でも嫌なら」
「行く!行きたい!誰かの為になるんだろ?ワシがんばる!」
「
…
そうか!偉いぞ!流石だ」
「えへへ!」
かくして家康のお使いが計画する事となった
無論、迷子になろうともシステムと人力の両方で追跡しているので誘拐は無い
あまりにうるs
…
心配な三成の提案であった
「では行ってくるな、みつなり!」
「何か怪しい人にあったら
…
」
「ブザーを鳴らす!」
「よし!行ってこい!
…
私はいつでも見守っている」
「?
…
うん、ありがとう!いってきます!」
帰って来た家康は軽く着替えてくると、トテトテと三成の元へとやってきて三成の膝の上で確認作業を二人でする
いつでも見守っていると言う言葉に家康は首を1つ傾げたが、見守っていると言って貰って嬉しいのかキラキラと瞳を輝かせて微笑んだ
余談であるが、三成の顔が赤面した
そんなこんなでなんとか出発できた家康は、ゆったり歩き、信号待ちで三成から渡された紙を確認する
忘れないようにと買う物を書かれた紙だ
「えっと
…
買い物は
…
お菓子か!」
実はこのお菓子は家康のお使いのご褒美のお菓子なのだが、皆の為だと思っている家康は皆で仲良く食べたいなぁと、のほほんと考えながら慌てて信号を渡る
目的地はこの先だ
「えっと
…
300円分だな!」
メモには事細かに書かれているので迷う事無く、お店を走り回りながら300円分のお菓子を購入する
流石に疲れたので家康は公園の椅子になんとか登って座ると家康は三成に持たされていた水筒のお茶を飲んでいた
すると一匹の猫がニャーニャーと鳴きながから近寄ってきた
「ん?
…
わー!猫さんだー!うふふ、可愛いなぁ」
暫し猫はゴロゴロと喉を鳴らしていたが餌をくれないと気付くと、猫は家康のお菓子の袋を噛んで思いっきり走り出した
どうやら食べ物の匂いがしたので持ち去ろうとしたらしい
「あ、待ってくれ!猫さん!」
流石に慌てた家康はすぐに追いかけたのだが、意外と猫は早く力があり
結構、走ったところでお菓子は取り返せたが猫を捕まえる事は出来なかった
すると空は夕焼けと夜空が混じり不気味な色となっていて、周りは見覚えのないコンクリートの壁ばかりであった
「あ
…
あれ?此処、何処だ?ど、どうしよう
…
」
完全な迷子である
とりあえず来た道を戻って見るが猫ばかりを見て走っていたので、どれだけ歩いても見覚えのない家ばかりなのだ
そんな冷たい雰囲気に家康は涙を滲ませながらトボトボと歩いて家康は三成の事を考えていた
「
………
どうしよう、みつなりに怒られてしまう」
きっと何故、猫など追いかけたのだ!とか気を抜いているから奪われるんだ!とか怒られてしまうと思った
しかしふっと気付いてしまった
そもそも三成の元へ、新しい家族の元へ無事に帰られるのだろうか
このまま誰にも再会出来ずに死んでしまうのではないか
もしかしたら攫われてしまうかもしれない
などと不安は次から次へと湧いて出てくる
そして家康が考え着いた事は一つであった
「っぅ
…
みつなり、ごめんなさい
…
ごめんなさい
…
たすけてっみつなり!」
とうとう泣き出した家康は、ごめんなさい、たすけて、みつなりの三つの言葉しか出なくなった
ポロポロと涙を流し、その場に座り込むと体を震わせて、まさに泣き崩れた
するとふっと影が家康を覆った
その気配に顔を上げると、それは居ない筈の三成の姿であった
その瞬間、家康は三成の足元へしがみついた
「全く
…
ちゃんと真っ直ぐ帰って来い」
「ふぇ?あ
…
みつ、なりっ!ふっぅうぁぁぁぁぁぁん!みつなりみつなり!ごめんなさいっ!」
「そう泣くな、怒ってなどはいない」
「っふぁ、ほんと?」
「あぁ」
しがみついてきた家康を抱き上げ、お菓子の袋を拾うと三成は家康の溢れる涙を拭いてやりながら家へと歩み出した
しかしその間も家康に笑顔はなく、悲しげなままだ
その事に家に入ろうとした所で気付いた三成は足を止め、家康の顔が見えるように抱き直す
「どうした、もうすぐ家だぞ」
「うん
…
」
「どうした?」
「迷子になって、ごめんなさい」
「構わん」
「え?でも
…
」
どうやら迷子になっていた自覚があるらしく迎えにきた三成に申し訳ないと思っていたらしい
しかし三成は全く気にしていなかった
実は最初から我慢出来ずに付いて来ていたのだが、三成にとっては家康の迷子は大事な経験でもあると思ったのだ
良い教訓になった筈である
現に家康は反省していた
「安心しろ、お前が泣いていれば私が必ず迎えに行く」
「み、みつなりっ!」
三成は今だ悲しげに顔を曇らせる家康の濡れた頬にキスを一つすると背中を撫でた
すると流石に恥ずかしいのか家康は頬を染めながらぎゅっと三成の肩に抱きつくと、ポカポカと三成の背中を叩いた
庭先でそんな玄関の様子を見た官兵衛と刑部はひっそりと話していた
「おい、あれ、ショタコンに入らないのかよ」
「兄弟故にブラコンでギリギリセーフよ、セーフ」
END
ーーあとがきーー
シリアスっぽい所からの明るい方が気持ち悪さが際立つかなと書いてたら
…
(´・ω・`)
友人のLINEで会話をして面白半分で書いた三家です
気持ちは三竹
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