【案律小説集】

文字数少なめ(500~1500字程度)の案律小説をまとめました。




【渇望】


「寂しくてたまらないの……もっと、僕を愛して、案内」

ぎゅうっと強く抱きしめてくる律の背中を、そっと撫でる。絞り出すような震え声に、案内は胸が締まる思いがした。
毎日、毎日、花に水やりをするみたいに丁寧に愛情を注いでも、律は足りないと悲痛な表情と声で訴える。
案内は口を開きかけてすぐに閉ざす。今愛の言葉を囁いてもきっと律の心に響かない。あっけなくこぼれ落ちてしまう。
だから代わりに抱きしめ返す。痛いくらいに力を込めて。腕の中から小さな呻き声が聞こえても決して緩めずに。