chizanapo
2022-06-05 14:58:59
6162文字
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【現パロ槍弓】次は裁判所でお会いしましょう【企業戦士とかいてビジネスパーソンと読む】

※ふんわり現パロ槍弓二次創作。弓がシロウ・A・エミヤ、槍がクー・フリンと名乗っています。
※女性向け恋愛ものです。でも朝チュン(実質的なエロシーンがない)なので全年齢にしておきます。登場する2人の年齢はたぶん28~30くらい。
※法律とビジネス部分は眉唾ですので信じないでください。英語にしては不自然な言い回しも見なかったことにしてください。所詮フィクションです。
※ビジネスマンってタグつけようかとおもったけど今ビジネスパーソンっていうのが正しいのか迷った
※ツイッター投票連載していました。お付き合いいただいた方、ありがとうございました。
 
※何千番煎じだろうと今の私はこれが書きたかったのでしょうがないとはおもいますが、不勉強ゆえ、あまりにも似てるという過去作があったらコメントなどでおしえてください。読みに行って満足したらこちらを閉じます。


この料亭は椅子も用意されていてスーツのままくつろげる。
企業秘密も口に出せるよう個室にしたが、その代償に料理の注文に酒の追加とそこそこ追われて自分は席があたたまらない。まあこのへんまでは予定通りだ。
せっかくの温かいプロ仕立ての天ぷらとつゆが、とちょっと惜しがってから、そう、自分のことだけじゃダメだとふりむく。
(和風の料理は本当に大丈夫だろうか?)とフリン氏を伺いみる。
ああ、もともと健啖家なのか、よく進んでいる、ちょっと物足りないかもしれない。
お酌の行列が途切れたあたりで、そっと近寄って、しっかり食べていらっしゃるかと尋ねると箸で器用にアスパラガスの天ぷらをヒョイとかかげてパクリといってからビールを一口。
にぱりとかわいらしく笑った。よかった、気に入ってくれたようだ。心臓が一つハネた。
一応、追加メニューも頼めます、私を呼んでください(これは部長に通訳させるわけにはいかない)とメニューを見せてたずねたが、話に熱中したいようだ。
 
場が緩んだころ私の居眠りのことが俎上に上がってまた笑われてしまった。耳が熱い。
最初にとつとつとしゃべるから場慣れしていないのかとおもってだまされた、それだけじゃないか。
なるほど、業界の有名人。だがやはりどの国でも裁判所の部門の当たりはずれは気になるものらしい。
とうとう、顔を赤くした部長が「以前、重大事件の陳述書を出すとき、裁判所に書類を提出する時に○○部がいいなぁ~と小芝居を売って最終的に柏手を打ってから出したことがある」と得意のエピソードを持ち出した。
それに難しい顔をしてみせたフリン氏がニパ、とわらって「実はオレも十字を切って出したことがある」といった。場はめちゃくちゃにもりあがって、完全に意気投合したようだ。
――ああ、呼んだ甲斐があった……けれど。
アーチャーは喜びながら少し悲しくもなった。
当然ながら業種が違うから招へいした。同業種だったら外国だろうがコンフリクトが大きすぎる。つまり遠からずライバルになる関係の人間なんて、とても呼べないのだ。
それに彼は大学講師とちがって中立の立場でもない。フリン氏の本業は○○社の事件の代理人だ。次の事件のためにまた抗弁書作りや泥臭い証拠集めをしているはず。
これは本業の最中にそっと割り込ませてもらっただけの浮かれ仕事。人生の通りすがりの、刹那の意気投合に過ぎないのだ。
彼とは二度と会えない。そう思うときゅうと胸が締め付けられてしまった。
 
うつむいているといつのまにか「このあと一階のアイリッシュバーで飲みなおそう、正直ちょっと飲み足りない」という話になっていた。