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Koishirotae
2026-06-27 21:58:27
6445文字
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【過去作】なんかいろいろまとめ
全部ヒス晶。
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【保護者とヒス晶】
動いた瞬間、ヒースクリフの背中にほんのりと痛みが走った。一瞬の事だったが顔に出てしまったのだろう。テーブルを挟んでワイングラスを傾けていたシャイロックが首を傾げた。
「どうかしましたか?」
穏やかな笑みを浮かべながらそう尋ねてくる。異変が起きたのはほんの一瞬だったのに。見て見ぬふりをすることもなく、わざわざ尋ねたのは何か意図があってのことだろうか。ヒースクリフはほんの少しの猜疑心を抱きながらもふふ、と答えた。
「先日、猫に背中を引っ掻かれまして」
「それは大変ですね。早く治るといいですけど」
シャイロックが目を細める。ワイングラスを上品な仕草でテーブルの上に置いた。
「ところで話は変わりますが。あの子は元気にしていますか?」
あの子
――
晶のことだ。ヒースクリフは納得した。一ミリも話題が変わってないじゃないか、と思いながらも彼は一人の女を思い浮かべた。
元々晶はルナピエーナ
――
シャイロックの所属する組織の人間だった。記憶を無くしたところをシャイロックに拾われてルナピエーナにお世話になっていた。そんな彼女に一目惚れしたのがヒースクリフだった。
彼はルナピエーナの人間ではなかった。それどころか、全く別の組織の幹部だった。流石に他の組織の女を貰い受けるわけにはいかない。どうしたもんだか、と頭を悩ませているところにシャイロックから話があった。
――
いくつかの条件を飲めば、晶をそちらに引き渡してもいい。
渡りに船だった。けれど、いったいどんな条件なのか。いくら尊敬するシャイロックが相手とはいえヒースクリフは警戒心が解けなかった。そんな彼にシャイロックは二つ提示した。
一つ目は半年に一度ぐらいのペースでルナピエーナに帰すこと。ずっと離れ離れでは寂しがる構成員がいるからと。そして二つ目は晶自身がこのことに納得すること。晶の心を大切にしたいとのことだった。
実にシャイロックらしい提案だった。てっきりなかなか手に入らない物や金銀財宝を言われるかと思ったのに。ヒースクリフは呆気に取られながらも、その条件を飲んで
――
最終的に晶と一緒に過ごせることになった。
「そろそろうちのが晶に会いたいと言い出しまして。あまりに寂しそうにするものだから私としても見過ごせなくて」
困りました。全く困ってなさそうな顔で告げるシャイロックにヒースクリフは眉間に皺を寄せた。
前にルナピエーナに戻ったのはいつだっただろうか。頭の中でカレンダーをめくる。確かあれから春が来て夏が来て秋が来て、もうすぐ冬が来る。
……
一年近く前だった。
「
…………
晶に声をかけておきます」
「よろしくお願いしますね」
にっこりと綺麗な微笑みを浮かべる彼に、ヒースクリフもまた苦笑いを浮かべることしかできなかった。
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