平熱
2026-06-03 20:16:29
3331文字
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ノープラン・ハートビート

ちー→じゃめ前提のちー+りょうが付き合う話
ちー+りょうは友達です
⚠️本編後軸、特2の職場環境、りょうたん→特2行員の呼称、本編に至るまでのうじゃめの髪色、りょうたんと出会った時期など捏造


 とはいえ、特に何も変わらない日々が続く。
 仕事はクソ忙しい。センパイたちや主任は怖くて厳しい。自慢じゃないがオレは器用にできない。歯が立たないのはチーくんも同じ。
 だから、休憩時間が被ったのはたまたまだった。
「おう、お疲れー」
 顔を上げると、うじゃめ君が入ってくるところだった。続いてヒゲさんも顔を出す。
「お疲れさまでーす……
 オレは姿勢を正すような余裕もなく、テーブルに上半身を投げ出したまま返事する。二人はコーヒーメーカーの方に向かいながら、何かの話を続けていた。うじゃめ君が小脇に分厚い紙の束が入ったクリアファイルを抱えていたから、仕事の相談なんだろう。多分、オレは関わってないやつ。
 銀行ここに来てしばらくして、センパイたちのヒエラルキーのようなものがわかってきた。ヒゲさんはいつもニコニコしているし話し方も優しいけど、ポジションは一番主任に近くて、この人が怒るときはマジでヤバいときなんだろうなって感じがする。そんなヒゲさんの時間をもらうって考えたら、オレはまだあんなふうには喋れない。
 うじゃめ君は、髪を少し短くして、黒く染めるようになった。ケジメとか言って、自分のために使える時間なんてほとんどないのに熱心にやっている。学生時代みたいで懐かしいけど、それよりも「UTuberのうじゃめ」はもういないのだと思い知らされるようで、オレは少し複雑だった。
「りょうたんと千尋もなんか飲む?」
 もうシマシマではない頭が振り返る。
「あー……オレはいいわ、今飲んでるのあるから」
「僕も大丈夫……
「おう」
「二人とも休憩はほどほどにねー」
 ヒゲさんに釘を刺されたので、諦めてだらだら飲んでいたココアを煽る。ぬるくて甘い液体が喉を通って胃に落ちていく感覚が妙に生々しい。
 空になった紙コップをテーブルに置いて視線を正面に戻すと、チーくんはうじゃめ君の横顔を見つめていた。
 オレには、よくわからない。