いを
2026-05-30 19:22:43
989文字
Public 刀神
 

潮月抄・第三幕

「残潮/白む海」
青嵐


四、名残月

 夜が明けても月はそこにいる。
 それは、私が求めたものだった。名前を呼ぶ。私は、あなたの――
 くちびるを結ぶ。思いなおし、続ける。
 昼間の月はよく見えませんね。それでも、空にあるのです。目を閉じていても分かります。
 見えずとも、そこにある。
 私が生涯をかけて求めたものは、ずっと傍に在ったのですね。