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くつした
2026-05-23 16:18:21
10585文字
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Webオンリーイベント展示作品です。めちゃくちゃ大遅刻すいません。
ファンタジーエリアなのにまさかの冬十傑パロです。ちょっとシリアスです。まだ未完です。
わたくしが大ファンでお慕いしているINUさんが、以前ミクシィ2でこんなお話が読みたいよ、という投稿をしていらっしゃって、わたくしがそのお話に大変ときめきまして、僭越にも書かせて頂きたいと申し上げました。そうしたら寛大にも書いてもよいよと仰って頂けたのですが、ビックリすることにわたくしのほうがそれをすっかり忘れてしまっていまして…(INUさん本当にすいませんでした)
先日INUさんにわたくしからお願いごとをしにDMで、お伺いしましたところ、「そんなことよりアレを書くという話はどないなっとんねん」とご指摘を頂き慌てて履歴を辿って思い出したという不始末でございます。救いようがありません。INUさん大変申し訳ありませんでした。心よりお詫び申し上げます。
もう書かなくてもよいよ〜と仰られましたが、
赦してほしいんじゃない、償いたいんだ、そして履歴を見てまたそのお話を書きたいという情熱が燃え上がったから書きたいんだ!!!と言うわけで、萌えのまま取り敢えずのところまで書いてしまいました!!!!
まだ未完でしかもかなり自己流の味付けが酷いので、INUさんのネタはもっともっと凄い萌えを与えてくださるものであったことをここに但し書きしておきます。
ここまで長々と読んでくださってありがとうございました。
5/25 追記:イベント終了に伴い全体公開としました!
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Prologue
「イズク、起きてっか」
カツキは言いながら円形天幕の入り口の帷幕を捲った。晴れ渡った空の下、眩しいほどキラキラ光る雪原から暗い室内に入ると、一瞬何も見えなくなる。手探りで天幕の上から垂れ下がる紐を引いて天窓を開け、朝の光を入れた。すると入り口から真っすぐ正面、天幕の中央にある炉の奥で、のそりと大きな塊が蠢いた。
今日も生きていた、とカツキはホッとして近づく。
大きな寝台の前でうずくまっていたらしい黒面のヒツジが、カツッと床に蹄をついて立ち上がった。
「よぉ、腹が減ったか。外にメシ置いといたぞ」
大きなヒツジの柔らかな毛を撫で、食ってこい、と軽く尻を叩いて促す。ヒツジはゆさゆさと毛皮を揺らして垂れ幕から出て行った。きし、きし、と蹄が雪を踏みしめる足音がする。外でカツキのオオカミが甘えるように鼻を鳴らした。守護獣同士で朝の挨拶をしているらしい。
カツキは赤い羊毛の毛布で覆われた寝台に近付いた。
「イズク」
カツキはそこに横たわる、今の自分よりもずっと幼く見える少年の前に跪く。
「起きろ」
そして唇にそっと唇を合わせた。
目を閉じた少年の冷たい唇は何の反応も示さない。
カツキはゆっくり唇を離し、少年の顔を見つめた。
そばかすの散る白い頬には血の色もなく、毛布で覆われたその胸が呼吸で動くこともない。額を撫でるカツキの大きな手を避けることも握ることもなく、ただ人形のようにされるがままに目を閉じている。
カツキはこうして毎日毎日思い知らされている。
イズクの心が自分にないことを。
カツキはしばらくイズクの頬を指先で撫でていたが、一度頭を振ると腰を上げ、火掻き棒で炉の熾き火を掻き回した。ぼう、と熾き火が赤く輝く。
湯を沸かして、イズクの身体を拭いてやらなくては。
オオカミの背にくくりつけて運んできた水瓶を取りに、カツキは帷幕をくぐって天幕の外へ出た。
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