織音
2026-05-16 23:20:00
9851文字
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赤色運命論

「自分勝手だって構わないから、命を差し出しても贖えない罪でできたハッピーエンドを頂戴!」
指揮官敵堕ちIF。全部捏造と幻覚です。ほんの僅かに26章『クレイドルパレード』の内容を含みます。⚠︎ほんの僅かに流血表現、創作指揮官の容姿に関する記述あり。


 赤潮と異合生物で作った最後の防衛線を突破されたみたいだ。打開策もないわけじゃないけど、もう全部疲れた。逃げたって意味なんかないし、此処にいようと思う。あと数時間もしないうちに僕のことを殺しに来る誰かに会えるはずだから。
 できるなら、殺してくれるのはグレイレイヴンの誰かがいい。人類の敵に成り果てた僕にも許されるのならただ少しだけ、何でもない話がしたい。なんて、僕の我儘でしかないからここに書き留めておくだけにする。でも、何となく、誰が来てくれるのか分かる気がするんだ。さいごに一目だけでも見られたら嬉しいけど、もう笑った顔は見られそうにないや。それだけが残念。
 みんなのところに戻れなくて、化け物になって……ずっと何かを壊して、誰かを殺してきたけどそれをようやくお終いにできる。そうしたらやっと地獄に行ける。……今の僕にとって死は救いでしかないのに、化け物なのに、救われることが許されるのかな。
 せめて、グレイレイヴンが僕のしたこと全部、許さないままでいて欲しい。同情も哀れみも要らないから、僕が奪ってしまった命の数だけ僕を恨んでいて。地獄に行くのは怖くないけれど、大切な誰かに許されないことも恨まれることも酷く怖いから。きっとこれでいい。ハッピーエンドはもうすぐだ。
 ……人類の敵がひとり消えたら、みんな笑ってくれるかな。
 ――オーケストラピットの中で回収された手記
 
 赤潮に沈んでいたせいか、回収時にパニシング反応あり。現在はパニシング反応消失。内容の解析は終了している為、焼却処分予定。
 ※グレイレイヴン隊員BPN06の強い希望により、手記は一時的にBPN06が保管中。保管期間は未定、現在は処分方法の検討中。