enachiot
2026-05-09 12:30:47
12344文字
Public MARIKINonline4二次創作
 

【MO4】ボコボコパーティ! Act2(初版)/ BOKOBOKO PARRY! Act2

「【MO4】ボコボコパーティ! Act2/ BOKOBOKO PARRY! Act2」https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=27692002 について大幅改稿をいたしましたが、ありがたいことにたくさんの方に読んでいただけましたため、初版をこちらにアーカイブしました。
お読みいただいた皆さん、ありがとうございました!


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第二ラウンド終了時点――

第一チーム:デバフ担当
氷虎/アクシズ/ざくろ/エクレア
ざくろ ノックアウト(回復中)

第二チーム:変則火力担当
オツキン/カシキン/荒川/フク郎
全員ノックアウト=脱落

第三チーム:最大火力担当
フサキン/あづキン/太陽/ウイエ

第四チーム:カバー&フィニッシュ担当
マリキン/シグキン/バチキン/Jack

標的:シュミタロウ
残存体力 不明。
デバフ状況 なし。
バフ状況 ――マジギレ覚醒。 


「うおおおおおおお死ぬーーーーーーッ!!!」

暴力吹き荒れる戦場の嵐から、滑空するシグキンが飛び出してきた。その腕には第二チームの面々が抱えられており、安全圏に辿り着くや否や、限界!とばかりに目下のチームメンバーへパスする。

なんとか受け止めた三人は、ボロボロの面々に痛ましそうに顔をしかめた。
「うへぇ〜……こいつは大惨事だじぇ……。」
「あの一発でこれバチ……?」
……アイツ、炎耐えながら『堕天明王』溜めてやがったな、この感じだと。流石に手加減か途中でぶっ放したみてーだが。」
そっと寝かせた四人の傷を検分してから、マリキンがリバイブマザイの栓を抜く。
「あの状況で手加減考えたのまぢ? こわぁ……。」
「つーかあのバーサーカー共さァ!!! なんで死屍累々見るなりドンパチ始めてんだ!!!」
「お疲れ様バチ。……手助けもあったバチが、無傷で回収してくるのはシグキン流石バチなー。」
着地するや叫ぶシグキンをバチキンはなだめたが、気まずそうにシグキンは視線を逸らした。
――いや、かわしきれなくて途中途中回復挟んだし……何ならマジで一回ヤバくてゴッドゾーン切った。」
……えっ? マジ……バチか?」
冷や汗をダラダラかきながら、シグキンは戦場を見やる。

――すげーよ、皆。……仲間でよかったって心底思うくらいには。」


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――少し時は戻り。


第二チーム脱落を目に、真っ先に走り出したのはフサキンとウイエだった。……正確にはウイエは機械槍を走らせていたが。

「あれ、ウイエ?」
「訓練とはいえ、弟子が倒されたのを前にじっとなんてしていられないからね。」
「きゃー! ウイエ熱ーい! じゃ、ウイエの分も全力出すから、守りは任せたからね?」
「ああ、任せろ。」

フサキンが姿勢を落とし、更に加速する。
向かうはマジ覚でさらに一回り大きくなったシュミタロウ。武器はどこかに転がっているようで見えないが、ウイエは油断しない。

(『本気』だね。いやあ、参った。)
シュミタロウの武器は『手加減』……そう聞いたのはいつのお茶会だったか。

「私がどこまで耐え凌げるかは……創造、弟子、そして何よりもパンツへの愛次第といった所かな?」

自分も射程範囲に入ったと判断した途端、ウイエは機械槍を跳ね上げ、シュミタロウの顔へ高度を合わせた。フサキンを警戒していたシュミタロウの視線がウイエへ移る。
無論、頭には――――パンツだ。

……いつ見ても本気の君は恐ろしい顔だね。仕方がない、私が少し相手をしてあげよう。」
そして機械槍から挑発のようにインクを一振り。ウイエごとそれを払うように、シュミタロウの巨大な腕が薙ぎ払われる。それをガンッ!と機械槍で無理やりいなし……自由落下しながら、ウイエは不敵に笑う。
「ただ、私だけに構っていられるかな?」

――ダンッ!とシュミタロウの左右から跳躍音が響いた。

右方にフサキン。
「エラの呼吸、壱の型……!」
左方は太陽。
「お客さん肩凝ってますね!!!!!!」

「ム……!」
――じゃあ、頑張ってくれたまえ。」
そして、ウイエはシュミタロウの視界から消え……


「呼無葬連鎖ッ!!!」「うらぁぁぁぁぁぁッ!!!」
水流を纏う鋭い連撃、そして轟炎を纏う大斧と磔柱の重撃が同時に襲い――周囲は衝撃波で巻き起こった大嵐に包まれた。


「ハァーーー!? オツキンどもの回収まだなんだけど!? アレ誰が行けるんだよ!?」
観戦中のシグキンが頭を抱える。
「我無理ぃ。」
「無理バチ。」
……オイ英雄?」
「機動力はお前の方がマシ。」
「おッ……前らァ……!!!」
「うるせーぞッ!!!!!」
横から飛び込んできたのは、弓を構えたあづキンの怒声。

「始まっちまったんなら仕方ねーだろッ! 腹括れッ!」
「あづぅ……! オイ小僧! あづもこう言ってる! 腹括れ!」
「Jack貴様ァ!!!」
「俺なら煙の動きでシグキンの位置は分かる! ……どーせ今はシュミタロウは狙えねー。露払いの援護射撃はしてやるから飛べッ! 肩慣らしにもちょうどいい!」
…………!」

あづキンの言葉に頷き、シグキンが翼を展開した。
――ただ、自分の身は自分で守れよ! お前らが俺達の後シメるんだからな!」
「あぁ……!」
「シグキン……!」
……バチキンは大人しくしてな。俺を信じろ!」
……!」
不安そうなバチキンを見下ろし、あづキンはにかりと笑った。

「大丈夫、シグキンは墜とさせやしない!」

……嵐は続いている。


「だりゃああああああああ!!!!!!」
太陽を狙い繰り返し振り下ろされるシュミタロウの闘拳。それを器用にかわしながらダンダンダン!!!と磔柱を階段のように組み上げ、太陽が上を取る。
「Fuuuuuuck!!!」
そして担いでいた磔柱をシュミタロウの顔面目がけてぶん投げるが、シンプルな軌道ゆえにシュミタロウの拳でカウンターされた。……足元を駆けるフサキンへ。

「えええこっちいいい!!!???」
口のバツを盛大に伸ばしながらも、太陽以上のスピードで突っ込んでくる磔柱をかわし、それを足場にシュミタロウへ跳躍する。ガラガラと足場だった磔柱が崩れてくるが、それすらも足場に変えて更に接近。
「この間合いなら……! 秘剣!『鍵――「不敬!!!!!!!!!」
「ぶべっ!?」
怒りマークを浮かべた太陽が、なぜか大斧でフサキンを吹っ飛ばした。そして地面に突っ込んだフサキンの横へクレーターと共に着地し、フサキンの胸ぐらを掴んでガックガクに揺さぶる。
「なーーーにをしてくれているんですか人が丹精込めて育てた産地直送新鮮お野菜畑に!!!!!!」
「テメェェェあんだけガンガンガンガン積み上げといて使ったのたったの一本じゃねェか!!! むしろ有効活用した俺を敬え!?!?」
「三ツ星レストラン目指すには犠牲も必要なの!!!!!!」
「じゃあ俺を犠牲にするなァ!!!」
――余裕だな。」

……二人が上を見上げると、シュミタロウの拳が迫っていた。

「あ。」
「死にそ。」
「死ね。」

――轟音。

……同時刻。
……クソっ、結構散らばってぶっ飛ばされてるし……この視界じゃ位置が把握出来ねェ……。あと二人はどこだ?」
何とかフク郎とオツキンを確保したシグキンを衝撃波が襲う。
「ッぶねー……! 飛べなくなったらマジで終わるなコイツは……!」
二人を翼で庇いながら、何度目かの回復魔法でダメージを打ち消したシグキンは、次の仲間を探しに高度を上げる。羽ばたきで砂埃に隙間がわずかに空き……そこにはフサキンを庇うウイエが見えた。光る原稿が張り巡らされているのを見るに、シュミタロウからの大技を何とか防いだのだろう。
(でもアレの連発は出来なかったはずだ……大丈夫か……?)

……そして違和感に気づく。
……太陽いなくね?)

――その瞬間、とてつもない、しかし馴染み深い殺気が戦場へ迸った。

「いやーお客さんいい腕してますねー!!!!!! いい料理人になれると思います!!!!!!」
……ウイエとフサキンの場所から少し離れた所に開いた大穴。そこから殺気と共に何かが這い出してくる。
それは全身ボロボロで……包丁を握りしめ……真っ黒い顔をした……

「なのでその腕食って神絵師に〜〜〜俺はなる!!!!!!」
――マジ覚の、太陽!!!

「ウイエ!? まさかお前わざと太陽守らなかったのか!?!?」
ルールを忘れ思わず声をかけてしまったシグキンを見上げ、ウイエは親指を立てた。ナイススマイル。
「切り札の有効活用。SDGsだ。」
「お前ーーーッ!!!」

まずい、すごくまずい。なぜならこの戦法は自分の引き出しにもあるものだから。でもそれに巻き込まれるのは……

――洒落にならねええええええ!!!」
「ぶびゃああああああああ!!!!!!」

緊急離脱したシグキンを、剛速球の出刃包丁が掠めていく。
「ですとろい!!!!!!」
ブチギレた太陽は破壊衝動のまま、生き物の気配に片っ端から包丁をぶん投げていた。とても包丁から出ていると思えない斬撃音が繰り返し響き渡る。フサキンはウイエの盾があるだろうし、ここでシュミタロウに大ダメージが入るのは正直ありがたい……が!

「感想ください!!!!!!」
「うおおおおお!!??」
この砂煙の中、合間合間でこっちの心臓を明確に狙ってくるのはどういうことなんだ!?とシグキンはパニックになりかかる。

「DM解放してます!!!!!!」
……ッ! 『ゴッドガード』!!!」
ケガ人二人を巻き込まないため、シグキンも切り札を吐かされる。ガガンッ!とすさまじい音で出刃包丁が二本弾かれ消える。

「コレは切るつもりなかったんだが……! チッ、いったん二人を預けに行、く……!?」
思考が周囲から離れた一瞬だった。悪寒を感じ、バッと目を向けた先に、巧妙な時間差で飛来した三本目の包丁の切っ先。顔まではあと20cmもない。

「ヤッべ……!?」
――そこに光の矢が介入した。
カアン!と軌道が逸れ、わずかに頬を裂かれるだけで済む。その矢を射ったのはもちろん……

……あづキン!」
続く矢の軌跡は、シグキンを導くように弧を描いて続く。軌跡で一瞬晴れた視界の先、運良くカシキン、そして荒川を見つけたシグキンは、戦闘の邪魔にならないよういったん大きく上昇した。
後ろからは何かを弾くような音が断続的に聞こえる。今は、背中を任せるしかない。
意を決し、シグキンは再突入する。

……太陽の奇声はまだ続いていた。


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