enachiot
2026-05-09 12:29:26
11179文字
Public MARIKINonline4二次創作
 

【MO4】ボコボコパーティ! Act1(初版)/ BOKOBOKO PARRY! Act1

「【MO4】ボコボコパーティ! Act1/ BOKOBOKO PARRY! Act1」https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=27679138 について大幅改稿をいたしましたが、ありがたいことにたくさんの方に読んでいただけましたため、初版をこちらにアーカイブしました。
お読みいただいた皆さん、ありがとうございました!


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「んじゃ、始めっぞ。」

廟堂の外れ。武器を携え闘気を隠さないシュミタロウの前に第一チームが並び、中央にマリキンが立つ。
「真ん中にカード投げっから、それが接地して弾けたらスタートな。」
「承知だ。」
ジャラリ、と鉄槌の鎖が鳴る。

……Ready?」
……待機チームも含め、全員が頷く。
それを見届け……マリキンはカードをとびきりの笑顔で放り投げた。


――Fuckin guys!! テメェら、 Take it down!!! ぶちかませッ!!!


高らかな開戦の声で天高く放られたカードは陽の光にきらめきーーパン!と土の上で弾けた。


シュミタロウが消える。跳躍したと分かるまで数コンマ。見上げれば鉄槌を振り上げ――落としてくる寸前。

「「「――早いッ!?」」」
――――さあ、召し上がれ。」

控えが全員終わった、と顔を青くしたが……四人は逃げようともしなかった。

――予想通りだ! ざくろッ!」
「「「任せとけ!!!」」」

ガァン!!!

轟音と風圧、巻き上がる砂埃。
……しかし視界が開けると、鉄槌は地面に着いていなかった。増殖したざくろがビリビリと震えながらも、押し留めている。

……ム!」
「「「やっぱ我慢出来ずに突っ込んできたなバーカ!!!」」」
「やめて!!! 煽らないで!!!」
「泣いてる場合かアクシズ! プラン継続だ!」

エクレアが鋏を回しながら頭にシリンダーをぶっ刺す後ろから、シュミタロウが鉄槌を構え直す隙を逃さず氷虎がラーメンを顔面に二発。そしてすかさず砕箸を振って走ってきたアクシズをブーストし……

……ッ! 危ねぇぞ!」

ガンッ!!! シュミタロウの顔面に大槌がブチ込まれ、稲光が走る。
初動を読み切った完璧な動きに、控えがおお!と歓声を上げるが……

…………。」
――効いてませーーーん!!!」

号泣したアクシズは反動を使って最後方に撤退した。

「かったいなー!!!」
「想定内といえば想定内だが……二撃目来るぞ!」

後退するもシュミタロウの動きに淀みは無く。スープを拭い、再び接近。今度は正面から。
しかし。妨害が効かなかったからといって、それは無駄ではない。そこには確実に、『時間がある』。

――空っぽのシリンダーを放り投げ、高速で跳躍したエクレアがシュミタロウの上を取った。

「悪ィな! 私はもう絶・好・調だッ!!!」

大鋏は背に、ガンギマった顔の前に構えた手には、ブクブクと泡立つ液の詰まったシリンダー。
そのままそれを容赦なくシュミタロウの後頭部に突き刺し、跳んだ勢いを殺さぬまま背後に抜ける。
追撃は間に合わないと判断したのか、シュミタロウはエクレアを追わない。そのまま真っすぐに放った鉄槌のターゲットは、最前列のざくろ。先ほどのように耐えられる人数は揃えられていない。……だが。

「「タダでやられると思うなよーーーッ!!!」」

吹き飛ばされる寸前、二重の爆音がシュミタロウを襲った。鉄槌こそざくろをぶっ飛ばしたが、音圧にわずかにシュミタロウの体幹が揺らぐ。

(あまり組まない面子だろうが、しっかり連携が組まれている。……短時間でよく考えられているな。)
シュミタロウが目を細め感心していると……鉄槌の影から再びラーメンを構えた氷虎と、ザ・ツー。

「!」
「お代わり一丁!」「オカワリイッチョウ!」

ばしゃあん、と高温スープが顔を襲い、視界が奪われる。じゅう、と肌がひりつく感覚。ム、とシュミタロウは眉をしかめる。

「うおおおお今度こそおおお!!!」

そこに鉄槌を掻い潜り、土手っ腹に二回目のアクシズの一振りが叩き込まれた。全身に痺れが走る。

……やるな。」
「ウワーッありがとうございます!?」
「追撃ッ!!!」

氷虎のコール。その内容を察さないシュミタロウではない。背後にはエクレアがいる。すかさず足を踏み込んで振り向き、カウンターの準備。

「こっちだァ!!!」

大鋏を二刀流にバラしたエクレアが、一気に距離を詰める。カッ開かれた瞳が緑の残像を残す。
カァン!!! 鋏と鎖、金属と金属が火花を散らす。圧倒的に手数が多いはずのエクレアの斬撃を、シュミタロウはしならせた鎖で完璧に弾き続け、周囲はどよめいた。
しかしエクレアは焦らない。突然の戦闘であっても……相手の体格と調合レシピから、おおまかな『ヤクの回る時間』くらい把握済みだ。

ぐわん、とシュミタロウの視界が歪む。続いて襲う、心身のコントロールが手放されそうな感覚。

(これは……!)
「ケケッ、お前も被験体として優秀そうだなァ……! ありがとよ、『沼の耐性上限ギリギリ』のデータが取れそうだッ!」

シュミタロウの意識が戦闘から逸れた、刹那。
――ザンッ!
エクレアの重い斬撃が、一太刀、シュミタロウに入った。


「うおおおお!!! すごいバチーーー!!!」
……絶対敵に回したくねー……。なんだあれ。」
「ふふ……ふふふふ……楽しそうですね……。」
……ん?」

仲間の容赦のなさに若干シグキンが引いていると……隣からパチパチと何かが弾ける音が聞こえた。たしか、そこに待機しているのは第二チームで……


――自分も混ぜてくださーい。」
チェーンソーの駆動音と同時に、迅雷の如き蒼い残像が飛び出した。


「「「荒川ァ!!!」」」
第二チーム残りの三人が怒号を飛ばす。
「ち、チェンジ、チェーーーンジ!!!」
フサキンが大慌てで笛を鳴らす。

しかしどちらも荒川には追いつかない。聞こえない。蒼光りする目に映るのは、隙を晒した強者だけ。
「シュミタロウさん……ダメですよ? 自分が殺す前にボロボロになっちゃったら……。」
「!!!」
……つまんないです。」

目を見開き飛びかかりながらも、ふふ、と穏やかに笑う荒川と裏腹に、刃が高速回転する音と高電圧が弾けるとてつもない音が響き渡った。
目が潰れそうな光に照らされる中、ザ・ツーとアクシズが他の面々の首根っこを掴み、慌てて退避する。

「まずいぞアレ!」
「何かカバーは入れられないのか、フク郎!」
「無理です、詠唱が間に合わない……!」
入れ違いで駆け寄る第二チームは、悪い予感が的中したことに歯噛みする。
第一チームが「いい戦い」が出来たら……荒川が衝動を抑えきれずに先行すると考えていたのだ。もちろん抑えることは考えていた。しかし……あまりに第一チームが優秀すぎた。そして……マリキンが唱えた大前提を、荒川以外の第二チームはよく理解している。


『シュミタロウに力押しは無理。』
――唐突に回転音と雷光が止まる。


「がッ…………?」
……隙を突くのは戦闘の基本。よく分かっている。」
ヤクやら何やらでふらつきながらも、シュミタロウはチェーンソーの刃を握って強引に止め、荒川の首を鷲掴んでいた。

「だが、その程度は俺も織り込んでいる。」
――侮るな。」

シュミタロウが荒川を地面に叩きつける。轟音。土の破片が容赦なく飛び散る。荒川が編んでいたチェーンソーが火花を僅かに散らして消える。
……刻まれたクレーターの真ん中に、荒川は沈んでいた。もちろん、ぴくりとも動くことなく。

「荒川!」
「チッ、プランBだテメーらッ! 荒川叩き起こすまで耐えるぞカシキンッ!」
「だがあの位置、回収できるか……!?」
「さっきのデバフ効いてる間ならやれる! その後のケツ拭いは荒川にさせてやらァ!!!」
「私もなるべく援護します! ……任せました!」

武器の鎖を手に取り、ゆっくりとシュミタロウが残る三人を見やる。……相当のデバフが入っているだろうに、闘志は微塵も揺らいでいない。

「来い。」
「「「上等ッ!!!」」」

――第二ラウンドの幕が上がる。


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