芹沢亀吉
2026-04-12 17:59:29
5642文字
Public 風刺
 

乃木大という男

暴虐な軍国主義者の楠木武一等陸佐が恥をかく物語の通算124話目。今作は乃木大一等陸曹が主役の筈が楠木武は全く自重していない模様。あと性描写、残忍描写濃い目なので読むのは18歳以上の方限定。


 今の乃木の発言を受け、全裸モヒカン野郎楠木は彼の顔面を蹴飛ばした。全裸モヒカン野郎の蹴りにより吊るされた男乃木が負った損傷は前歯3、4本といったところ。

「確かに貴様の言う通り湊川は間抜け面、それは正しい!だが湊川の髪からは一切しなかったこの楠木の髭ワックスの匂いが乃木貴様の髪からプンプンするぞ!嘘をつくならもっとマシな嘘をつけ!」

 短絡的な楠木でも苦し紛れについた乃木の嘘に騙されることは無いということか。湊川を「間抜け面」呼ばわりする乃木に賛同した全裸モヒカン野郎楠木が上官失格のクズなのは読者の皆様もお分かりかと。

「折角弁明の機会を与えてやったのに嘘をつきこの楠木を騙そうとした乃木、貴様は恩知らずにも程がある!大体最近の貴様は主役面し過ぎだ!生まれた時から既に漢としての全てを培ったこの楠木を差し置いて表面だけ取り繕った貴様が主役面など百年、いや千年早いわ!」

 主役面とか楠木サンもしかして第四の壁の向こう側見えてるの?それはさておき乃木を全裸姿のまま逆さ吊りにしておいて「弁明の機会を与えてやった」は恩着せがましいを通り越して暴論の極み。

「く、楠木一佐、どうか、どうかお助けを!」

「黙れ、乃木!貴様は汚物だ!この楠木に消毒されるべき存在なのだ!汚物は消ど!」

 全裸モヒカン野郎楠木がそう叫びつつ火炎放射器を使おうとすると燃料タンクが爆発し、楠木も乃木も仲良く爆死という結果に。若い女性への性暴力並びに湊川をはじめ部下へのいじめ行為を楽しんでいた乃木は確かに人間のクズとはいえ、髭ワックスを勝手に使ったぐらいで彼を拉致監禁した挙句焼殺を企てた全裸モヒカン野郎楠木に比べれば大したこと無いように見えてしまうのが困りどころ。

 倉庫内の爆発により信太山駐屯地全域が蜂の巣をつついたような大騒ぎになる中、湊川は上手くいったと言わんばかりにほくそ笑む。そう、湊川は日頃から自分をいじめの標的にし続けた楠木と乃木をまとめて亡き者にするため燃料タンクに小型発火装置を仕込んだ火炎放射器を楠木に渡していたのだ。

「クズ2人が仲良く爆死か。計画通りとはいえこれは祝杯ものだな。」

 独身寮の自分の部屋に届いていた日本酒を口にした湊川は突然呻き声を上げそのまま死亡した。死因は青酸化合物による中毒死。そしてこの日本酒は式場での門前払いに逆上した乃木が匿名で送りつけたもの。(終)