七海ななみ
2026-04-03 23:35:59
5277文字
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貴方が見つけてくれた④

ルカキリ。フリンズ先天性女体化ですが、見た目変化無しくらいの背丈もあって貧乳です。周りからも男性と思われています。女性として気付いてくれたファルカに恋するフリンズのお話。
ついにお洒落な服を着て、デート!!かわちいね!!
この男、まじで無自覚にあんなスマートな事やっててこのやろうって気持ち。キリルちゃんはAAAくらいです。
完結に見えそうで完結ではありません。年齢制限とか、読みたいでしょ?

感想、マロリク募集しております。よろしければどうぞ。返信はXで行うと思います。
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日常に、化粧が加わった。化粧ってすごく楽しい!
そして、僕が女性であることは徐々に知られていった。
ライトキーパーからは驚かれたが、受け入れられた。なんでも、僕の性別どちらかを酒のつまみに掛けていたらしい。三割が女性に掛けてたようで、お礼を言われた。嬉しいけど、予想と違って困惑してしまった。
イルーガも驚かれたが、謝られた。謝る必要はないのに。僕も、女性として生きるのを諦めていたのが悪かったのだから。
ニキータからは、制服を女性用にするか聞かれた。興味はあるし着たいが、サイズがないから特注になるらしい。時間はかかるそうだが頼むことにした。
ファルカさんと出会ってから、楽しいことがたくさん増えた。全部、ファルカさんのお陰だ。
好き、好きなんです、ファルカさん! どんどん、好きになっていく。会うたびに、好きが増えていく。
今日はネフェルさんにお礼の品を渡しに行くところだ。恋バナが報酬と言われたけど、それだけじゃ足りない。大したものではないけど、喜んでくれるといいな。
ネフェルさんとお茶を飲む。この間の報告をしたら、楽しそうに聞いてくれた。

「ふふっ、あんた、どんどん綺麗になってくね」
「本当ですか?」
「ああ。そろそろデートにでも行ったらどうだい?」

デート。
顔がボンッと音を立てて赤くなった。ファ、ファルカさんと、デート?! いきたい!

「可愛い顔じゃないか。じゃ、行こうか」
「ど、ど、どこ、へ?」
「何って、デート服だよ。男物でいくつもりかい?」

デート服?! た、確かに、可愛らしい服は持ってないけど!
あわあわしている僕を見て、楽しそうにネフェルさんは笑っていた。


───────


デ、デート、服。どうしよう、ついに、可愛らしい服を着れるのか? サイズの問題、忘れてた
そう思っていたら、ネフェルさんが事前に調べてくれていたようだ。格好いい。

「ここさ。あたしの調べた限りだとここしかないから、次は一人で来るんだよ。こまめに買いに来ないと、売上悪いからって逃げられないようにね」
「は、はい!」

種類は多くない。でも、かわいい服がある! あの服、かわいい!
手に取ると、ふわふわして、白くて、もこもこで、可愛らしい服だ。すごく好みだ。でも、似合うのだろうか。
他の服を見ると、白いブラウスと黒いロングスカートの服が目に移る。

「ネフェルさん、僕にあの服、似合いますか?」
「あれかい? あんたに着こなせる服だろうね。でも、それはいいのかい?」

あんた、そういう服が好きなんだろ。
そう言われるが、考える。確かに好きだ。でも、デートなのだ。ファルカさんに好きになってもらうためには、似合う服の方がいいと思った。

可愛いので買います。でも、僕は勝負服を買いに来たんです」

似合わないかもしれない、そう怯えるより、似合う服で胸を張りたいから。好きに、なってほしいから。

あんた、いい女になってきたね」

勝負服を購入する。出費は痛いが、骨董品収集を我慢すれば、なんとか
帰ろうとしたら、止められる。

「あんたさ、勝負下着は持ってるのかい?」
………もって、ない、です」

胸がないからスポーツブラを愛用している事に、ネフェルさんは若干呆れながら下着を選んでくれた。


───────


なんか、フリンズ、どんどん綺麗になってないか?
ナドクライでできた飲み仲間。ライトキーパーとしてのかなりの実力者。美人なレディーと思っていたが、どんどん磨きがかかっている。
そして、本人が美人なのに警戒心皆無過ぎて、虫が沸いてきているのに、気付いていない。
一緒にいる時は俺が追い払えばよいが、油断してたらパクッと食べられそうだ。
警戒心を持たせないといけない、わかっているのだが、可愛らしい笑顔を見ると何も言えなくなってしまう。

「ファルカさん!」

また綺麗になってる。後ろには鼻の下を伸ばしている虫が群がっている。俺に向かう姿を見て、逃げていった。本当に危ない。危機感をもってくれぇ
今夜の酒もこれからだし、フリンズを誘うか。初対面の時は遠慮してたようだが、本当に酒に強い。酔った所を見たことがない。俺の酒についてこれるのはフリンズだけだ。

「フリンズ、これから飲みにでも「ファルカさん!」

フリンズに遮られる。顔が赤い。でも、熱があるというか、なんというか、可愛らしい顔、である。

………ぼくと、……デ、デート、………いきませんか!!」

デート。
流石にわかる。これは、つまり、そういうことで。耳まで真っ赤なフリンズは、初恋をしている少女のようで。
おい、待て俺。いくつだと思ってるんだ。赤面するような年齢じゃないだろう!

……あ、ああ」

気がつけば返事をしていた。フリンズは花が綻んだように笑顔になった。かわいい。
俺、おっさんだぞ? こんな可愛らしい子に惚れられていたのか? いつの間に?


───────


ファルカさんとデートできる! 嬉しい!!
でも、油断できない。告白してないけど、伝わったようなもの、だ。
ファルカさんに釣り合うような、大人の女性になる!
決意して、勝負下着と勝負服を着る。ブラジャーってすごい。僕にも谷間ができた。
化粧を施す。いつもより、大人の女性っぽく、ファルカさんが見惚れるような、大人の女性を目指す。
髪をシュシュでポニーテールまとめる。鏡を見る。どこから見ても大人の女性だ!
綺麗って、言ってくれるかな。釣り合い、取れてるかな。
ファルカさんは世界一格好いいから、少しでも綺麗になりたい。できれば、こ、こくはくも、したい
鏡には大人の女性らしさもない、乙女な僕が写っている。
落ち着け今日の僕は、大人で、美人なレディなんだ!
鏡には、大人の女性がいる。よし、バッチリだ!
歩き方も気品があるように。貴族時代の所作を活用するんだ!
鏡の前で歩いてみる。完璧、かもしれない。貴族時代の経験が生きるなんて、考えもしなかった。嫌な思い出が多いけど、所作を身につけておいて、よかった。
待っていてくださいね、ファルカさん!


───────


ティーンじゃあるまいに、なんでこんなそわそわしてるんだろう、俺。
流石に何時もの格好じゃいかんだろと思い、私服にしてきた。フリンズは、どんな格好で来るんだろうか。多分、かわいいのが好きみたいだから、かわいい格好だろうか。
ナシャタウンで待ち合わせだが、やはり夜明かしの墓まで迎えに行った方がよかったかもしれない。虫が沸く意味で。

「ファルカさん」
「ああ、フリンズ、きた………の、………………

声をかけたのは美女だった。一瞬誰なのかわからなかった。本当に、俺みたいなおっさんに惚れているのか? 都合のいい夢を見てるんじゃないか?

「どう、でしょうか」
………綺麗、だ」

フリンズは、俺の言葉に美しく微笑んだ。これ、妖艶さが追加された分、余計に虫が群がっているぞ。見惚れてる虫がちらほらいる。俺を見て退散しているからいいが。
すっと、手を差し出す。

「素敵なレディ、お手をどうぞ」
………っ」

流石にデートでエスコートしないのは騎士の名が廃る。
フリンズは、可愛らしく目を輝かせていたが、すぐに美女に戻る。妖艶に微笑みながら、俺の手を取った。


───────


ナシャタウンでは期間限定のマーケットが開催されていたので、巡ることになった。
フリンズはフェロモンを纏いながら歩く。男女問わず、視線をかっさらっている。なんというか、俺、釣り合ってないぞ。
骨董品を真剣に眺めたり、新作のワインを試飲したり、つまみを見たり、酒器を選んだりする。
ふと見かけた露店では、ふわふわなぬいぐるみを扱っていた。フリンズ、こういうの好きだよな。

「フリンズ、ぬいぐるみ、見てくか」
いえ、結構です」

他のものを見ましょう。妖艶に微笑む。好きかと思ったが、違ったか?

「せっかくだから、俺は土産に買おうと思う。少し待っていてくれ」
………ええ」

クレーはこういうの好きだし、選ぶのもいいだろう。
ちらり、とフリンズの方を見る。美しく微笑んでいる。表情は崩れていなかった。
ぬいぐるみと、可愛らしい髪飾りを購入する。フリンズはじっと、俺の手元を見つめていた。


────────


大丈夫、大人の女性として、振る舞えている。
ぬいぐるみは欲しかった。でも、今は大人の女性なんだ
クレーという子供が、羨ましい。ファルカさんが選んだぬいぐるみを貰えるの、すごく羨ましい。
でも、今はデートだ。買いたいけど、服を買ってあまりお金がないから、諦めるしかないのも本当だ。嘘じゃない。
ふわり、と花の香りがする。視線を向けると、切り花が売られていた。

「少し待ってくれ」

ファルカさんが花を購入した。買った花を、僕の頭に添える。

「やっぱり、フリンズは花が似合うな」

ファルカさんが、格好いい。好き。
って、見惚れてはだめだっ! 危ない。乙女に戻る所だった。
今日の僕は、大人の女性。ファルカさんに釣り合う、大人の女性なんだ! 思い出せ、貴族のポーカーフェイスを!

「ありがとうございます」

大丈夫、大人の女性は崩れていない。完璧な微笑みができている。
また、花を貰った。すごく、嬉しい。前に貰った花は、押し花にして保存してある。これも、押し花にしよう。
全部、宝物だから。


───────────


優雅な食事をして、軽くお酒も飲む。デートだからほどほどにした。ファルカさんも、ほどほどにしてくれた。
すごく、楽しかった。もう、夜も更けてきた。お別れの時間だ。
一人で帰ろうとしたら慌てて止められた。夜明かしの墓まで送ってくれた。少しでも一緒にいれて、嬉しい。
本当は、もっとずっと一緒にいたい。でも、大人の女性なんだから、スマートにしないと。

「今日はありがとうございました。とても楽しかったです」

ちゃんとお礼も言えた。あとは、こ、告白、だけ、だ。

「あの「フリンズ」

言おうとしたら、遮られた。手に持っていた紙袋を渡される。

「今日は楽しかった。俺のために、お洒落してくれたんだよな。これはお礼だ」

紙袋には、ふわふわのクマのぬいぐるみと、リボンで可愛らしい髪飾りが入っていた。

「今日の服もとても似合っているけど、フリンズはこういうかわいいの、好きだろ? フリンズがかわいいものに目を輝かせているのも、可愛いと思う。だから、背伸びをしなくてもいいんだ。十分、素敵なレディなんだから」

………嬉しすぎて、言葉が、出てこない。
貴方は、いつもそうだ。僕が捨てようとしてきたものを、隠したものを、見つけてくれる。
好き。ファルカさん、大好き。

………少し、待っていただけませんか」

もう、背伸びをしない、等身大の僕を、見てほしい。


────────


ふわふわで、可愛いものが、好きだ。
でも、似合わないと言われた。だから、抑えていた。
貴方は、そんな事、言ったことないのに。
可愛い服に着替える。白くて、もこもこしたワンピースだ。
鏡を見ると、乙女な僕が写っている。
緊張、してきた。深呼吸を真似てみる。落ち着かない。
でも、もう、隠せないのだ。好きが溢れている。
リボンの髪飾りをつける。覚悟を決めるんだ、僕!

「ファルカ、さん」

声をかけると、ファルカさんが振り向いてくれた。
嬉しそうに、微笑んでいる。

やっぱり、フリンズは可愛い格好が似合うな」

そう言ってくれるファルカさんが

「好きです」

もう、止めることはできない。

「ファルカさんが、好きなんです。大好きなんです」
「フリンズ」
「ぼ、ぼくと、つきあって、ください!」

熱い。このまま炎になってしまいそうだ。
ファルカさんの顔が、見れない。
フラれたら、どうしよう。立ち直れない。
でも、それでも、この想いを隠すことはできない。

俺、おっさんだぞ?」
「かんけい、ないです。せかいいち、かっこいい、です」
世界一格好いい、か。なら、キリルは世界一可愛いな」

名前を呼ばれて、顔を上げる。ファルカさんは照れ臭そうに笑っていた。ファルカさんは跪く。僕の手を取る。

「俺は騎士だからな。俺だけのお姫様になってくれないか?」
………はいっ!」

かつて、女性として生きるのを諦めていた。
でも、今は、大好きな人のお姫様になれた。
すごく、幸せ、だ。
ファルカさんの大きな手が、僕の頬を包む。
影が重なる。初めてのキスは、とても甘かった。



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