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number21
2026-03-20 00:25:23
5286文字
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雨照
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1話『窮地に始まり』【雨照】
ファンタジーサイド→
1話『傘の思い出』【天照】
前の話→
プロローグ【雨照】
次の話→
2話『知るべき人』【雨照】
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◆
イノルは窮地に立たされていた。
剣の切っ先をこちらに向ける男2人は、ゆっくりとこちらに向かってくる。
(やべえ、マジでどうしよう!? に、逃げる
……
!?)
逃げるってどこへだ。扉は彼らの背後、こちらに向かってくる2人をすり抜けて行くなんてできない。第一、ここがどこかも分からないし、扉の先に味方がいるはずもないだろう。彼らの味方ならたくさんいるだろうが。
焦るイノルの頭は、よく知る1人の人物の顔を思い浮かべる。
大層優秀なイノルの弟。
(エンなら、こういう時
……
)
イノルと比べて、いや他のクラスメイトと比べても頭の回転が良く頼りになる笹木エンなら、彼が隣にいたら、何を言うだろうか。
『なんでこんなことになってるの? 兄さんはこれだから無鉄砲でバカでトラブルばっかり起こすんだよ』
「役に立たねえ! 生意気~! くっそ~~!!」
あろうことか脳内で作った弟の像に罵られ、イノルは叫びながら頭を抱える。
突然一人で大声を上げたイノルに対して、目の前の彼らは少し不気味がったのか一瞬動きを止めた。
(考えろ
……
周りを見ろっていつもエンは言ってる、気がする。
……
というか怒られてる気がする)
自分の目の前は確認した。どこに続いているかもわからない両開きの大きな扉が、男たちの後ろにある。
――
後ろは? そうだ。
自分の来た場所にある額縁の存在を思い出す。
(あれに吸い込まれて来たんだから、あれで元の場所に戻れる
……
!?)
確証は一切なかった。でも考える前に行動、だ。
「
……
くそっ、なんとかなれ
……
っ!!」
後ろに伸ばした指が何かに包まれ、引っ張られる感覚がした。
先程と同じ。
今度はそれに身を任せ、自ら額縁の中の空間に飛び込む。
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