pinopipi
2026-02-25 08:11:04
13578文字
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アンハッピー・バレンタイン

大遅刻バレンタイン2026/ヌヴィフリ/巻き込まれ公爵


【sideヌヴィレット】

『ヌヴィレット、好き大好き。』
『お願い、僕を見て。僕のこと好きになって。』
『本当はもっと会いたい。ずっと一緒にいたい。キミのこと、独り占めできたらいいのになぁ。』
『愛してるよ、ヌヴィレット。僕にとって一番特別で一番大切なキミ。誰にも取られたくないよ。』

フリーナから受け取ったチョコレートを口に含む度、甘く蕩けるような彼女の想いが心に沁み渡り、鼓動が早鐘を打つ。緩みきった頬は熱く、多幸感で胸が満たされた。己だけに向けられたフリーナの特別な愛情が嬉しくて、嬉しくて堪らない。どうやっても口角が上がってしまい、誰の目もない自室でさえ思わず口元を手で覆った。
フリーナの手作りチョコレートは全部で4粒しかない。ゆえに1週間に1粒、週末の穏やかな夜に味わうと決めて、大切に、大切に食べ進めた。む、消費期限?それは問題ない。チョコレートの状態を維持する特殊な術を受け取った当日に既に掛けてあるのでね。

ーーーー会いたい。今すぐにでも彼女をこの腕の中へ閉じ込めて、溢れんばかりの愛を余すことなく伝えたい。私も君を愛しているのだと伝えたら、彼女は一体どんな笑顔を見せてくれるだろうか。
柄にもなく浮かれている自覚はある。だが、このまま何も告げず墓場まで持って行くつもりだった積年の想いが奇跡的に実を結んだのから仕方あるまい。

ホワイトデーまでの1ヶ月間、私は間違いなくこの世界の誰よりも幸福だった。雨の降らない快晴続きの乾燥した日々も全く気鬱にならなかったのは、1000年生きてきて初めてのことであった。



ホワイトデーに続く