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なえつき
2026-02-04 17:59:49
3761文字
Public
『ムシカゴ』
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Dear Light
水樹蒼さん (
https://www.pixiv.net/users/68015841
) が主催された、カラメルカラム同人アンソロロジー『クリプティック・シンドローム!』に寄稿させていただいた小説の再録になります。少部数ながらまだ在庫があるとのことなので、ご興味がある方は是非。とても良い本です。 (
https://royalrooibos.booth.pm/items/6492995
)
この度は、素敵な合同誌に参加させていただき、ありがとうございました!
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その日、夢を見た。
とある酒場に、二人の男がカウンターに座っている。一人はスーツ服を着た、片足が義足の男性。もう一人はボロボロの服を身に纏った剣士の青年。
薄暗い店内には他の客はどこにもいない。彼ら以外には、カウンターを挟んだ二人の向かい側にニコニコと微笑む小柄なメイドが立っているだけだ。
店員と思しき小柄なメイドに注文を聞かれ、スーツ服の男性はホットミルクを頼んだ。ボロボロの格好をした剣士も続けて注文をするべく口を開く。
「俺もホットミルクを
――
、
……
いや、酒を頼む」
メイドは一瞬だけ目を見開くが、すぐに目を細め、支度に取り掛かった。しばらくして、スーツ服の男はメイドからホットミルクを受け取った。
剣士もまた、メイドが運んできた酒を受け取る。しかし、剣士はその酒を隣のスーツ服の男性に差し出した。酒の入ったグラスから、甘ったるい花のような匂いが漂ってくる。
剣士は、隣に座るスーツ服の男性を覗き込む。
「ここの酒は格別なんだ
……
あんたも一口どうだ?」
スーツ服の男性の前に、ホットミルクと酒が並ぶ。しばらくそれを見下ろしていたスーツ服の男性が、首を振った。
「
……
いいえ、それは飲めません。酒は
……
飲んでもすぐ吐いてしまうくらい弱くて」
スーツ服の男性はホットミルクを飲み干すと、酒場から去っていた。いつの間にか小柄なメイドの姿も消えていた。
「
……
奇遇だな。実は俺も、酒は苦手だったんだ」
ひとり残された剣士の青年は、ぽつりと呟き。
酒を思いっきり煽り、眠りについた。
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