ろころころ
2026-01-16 23:32:43
2709文字
Public
 

ごはん/pk擬 うちよそ





「フロウさん、ごはん」
「見りゃわかんだろ。今作ってる」
「ごーはーんー!!!」
「うるせぇこれでも食って大人しくしてろ」

むぐ、と口に乱雑に突っ込まれたのは焼いていた肉の切れ端だった。仕方ない、大人しくしてろと言われたので少しはしてあげるか。まぁ何秒間とは言われてないので、飽きたらまた騒ぎ立てるのだが。

美味しそうな香りがキッチンに漂う。
エオスの寮の個室には、ちょっとしたキッチンが着いている。まぁついていると言っても、あるのはコンロと換気扇くらいだが。それでも一人二人で生活する分には困らない。

「皿でも出しとけ」
「いやです。つかれました」
働かざる者食うべからず」
「ゆうべはおたのしみでしたね」

指が吊りそうですよ、メガネのせいで。
そう付け足せば、フロウは仕方無いと言わんばかりのため息をついた。

リグはエオス島の選手で、フロウは救助隊だ。
リグは競技のパフォーマンスで、フロウは救助活動で、誰かを笑顔にすることが出来る。

決してこの手で生み出せるのは、死体だけでは無いのだと。そう気づいたのは、何時だっただろうか?

…………つかれすぎてわすれました」
「疲れてなくてもオマエは何かしら忘れてるだろ」
「えーーっ!そんなこと!………あっフロウさんにワイルドチケットの招待券渡すの忘れてました。うっかり〜」
「いらねぇ」

べしっと叩き落とされる。
ヒラヒラと机に落ち行くチケットを目で追った。

「う、うわぁぁぁああん!フロウさんがぶったぁぁぁぁぁ!!!親父にもぶたれたことないのに!!!!」
「いい歳して泣き叫ぶな!さっさと食ってさっさと寝ろ!」
「め、めしょ
…………………無理があるだろ

叩かれた部分がまだヒリヒリとする。
ああそういえば、昔は手をぶつけても痛くはなかった。確かそうだ、手袋をしていたから。

……手袋を外したのは、何故だったか。

「おい、手で食うな。食器を使え、食器を」
「ふぉふぇふぉひひふぃふぇふ」

まぁ多分、手で食べるためだろう。
何故なら新しいホロウェアはオアシススタイル。手食文化地域の服装がモチーフなので。

そういうことにしておこう。


Fin.