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こꯓレ)ろ🌟🦄🌈🌟
2026-01-10 19:17:49
17187文字
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ハイノイほにゃっと小説
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天才の学び
ほにゃっと時空の話。
同人誌の3巻に収録しようと思ったけど全然書けなくて行き詰まってお蔵入りになってしまったものをコネコネコネコネ捏ねまわしてやっと完成したもの。
一年越しにもう一度お蔵入りテキストと向き合って何とかキリの良いところまで書きました。
チャ誕に間に合って良かった。チャ♀の総愛され話です。おたおめチャ🥳🎊🎉✨🎂
最後まで書けてないのでそれはまた後日書く。
1
2
3
4
♦︎
ノイマンの好きな焼き鳥屋で全種テイクアウトセットを購入しビールと少し高めのスパークリングワインも買ってチャンドラ家に向かった。
到着時、ノイマンはチャンドラとコノエとリビングで紅茶を飲んでいたが、声をかけても目も合わせてもらえない。
「アーニー
…
」
「来るなって言っただろ」
子ども達はチャンドラ家に設られた子ども部屋で昼寝しており、いつもの騒がしさが無いことが一層場の空気を冷ややかなものにしている。
「ケンカの理由は何なんだ〜? ノイマンがこんなキレるとか珍しいじゃん」
いつも通りのゆるい部屋着姿でリビングのソファでコノエの横に座って興味津々なチャンドラに問われるも、ハインラインが答える前にノイマンが吐き捨てるように言った。
「何でもない。アルバートはもう帰れ。どうせとりあえず来ただけで何が悪かったかもわかってないんだろ」
話し合うつもりはないと拒絶され戸惑う。
ノイマンは二人にケンカの理由を話していない様だったが、ハインラインは許して欲しい一心で、仲裁をしてもらいたくてチャンドラとコノエに経緯を話す。
「チャンドラに、ナタルの卵子提供に対しての対価を渡したいだけだ。それでなぜアーニーがここまで怒るのか理解できない」
「え、何の話?」
「具体的に言えば現時点での総資産の二割を譲るつもりだ」
「はぁ!? こわいわ! そんなの要らないって!」
「足りないか? では、三割
…
」
「だから! 突然なに?」
「何故だ? ナタルはハインラインの娘だ。僕の遺伝子を受け継いだ子だぞ。必ず優秀な技術者になって巨万の富を築くだろう。その様に教育もしている」
「えぇ
…
子育てに対しての自信がすごい
…
」
「三割では足りないか? 希望の額があるなら言ってくれ。最大限考慮する」
「ほんとにどうした? 働きすぎておかしくなってないか? もしかして頭でも打った?」
ハインラインは至って真面目なのに、チャンドラは首を傾げるばかりかむしろ体調不良を疑ってくる。そこにコノエがフォローしてくれる。
「ダリダ。アルバートは本気で言っていると思うよ」
「何を?」
「資産の贈与の話だ」
「嘘でしょ?」
目を丸くするチャンドラに苦笑するコノエ。
「なるほど、ノイマンが怒って家出してきた理由が何となくわかったよ
…
」
呆れ顔のコノエに「家出」という言葉を使われて血の気が引いた。解決するまで帰ってきてくれないつもりか。
「先生、どういうことですか」
どうやら自分はまたやらかしたらしいが、何をやらかしてしまったのか理解できないハインラインはコノエを問い詰める。ノイマンが怒った理由を教えて欲しい。悪いところは必ず改める。
三人がけのソファに座っているコノエは脚を組み替えて背もたれに体重を預けて続ける。
「アルバートはハインライン家の能力や家柄のせいで利害関係ありきの環境で育ったからねぇ。人の親切には必ず裏があるから警戒すべきと教育されているんだ。ダリダが無報酬で卵子提供をするという発想が無い。必ずいつか何か要求してくると考えている。法的根拠のある契約書が無ければ信用できないのではないかな?」
「うぇ
…
? マジか
…
」
「アルバートが私と引き合わされたのも彼の両親の采配だったが、当時は年齢にしては情緒の未発達が顕著で私との交友が今後の人生において有利に働くという打算が確実にあったと思う。両親も優秀な研究者で、アルバートには期待していたと思うが
…
まぁ彼らは独特な価値観をもっているタイプだし」
「独特な価値観?」
チャンドラが首を傾げる。
「息子の恋人に手切れ金を渡して脅すようなことをしてしまうだろう?」
「あぁ、そう言えば
…
」
チャンドラがノイマンとハインラインを交互に見てからハインラインに言う。
「何にも要らないって最初に言っただろ。不安ならきちんとした契約書作っても良いぞ?」
「だから
…
どうしてそこまでしてくれる?」
「だって、二人が結婚するのに必要だったんだろ?」
「そうだ。だからいくらでもふっかけられたはずだ。僕は絶対にそちらの要求を飲まねばならない立場だぞ。アルバート・ハインラインの弱みを握っておいて何の見返りも求めないなど
…
」
「だからぁ! ふっかけたりしないって。ノイマンとアルバートが幸せで、子ども達を愛してくれたらそれで充分って言ったはずだけど? 言葉通りの意味だけで含みは無い!」
「どうして? アーニーは親友だから理解できる。でも僕のために無償で何かしてくれるなんてあり得ない! 本当はナタルの頭脳が生み出す利権を狙っているんじゃないのか。ナタルを甘やかして懐柔しようとしてるんだろう?」
「え、そんな甘やかしてるか?」
「アルバート、ダリダはむしろ躾には厳しい方だと思うよ」
コノエの言葉にノイマンも頷く。
「じゃあどうしてあのわがままなナタルがあんなに懐くんだ! 父親の僕には反抗してばかりなんだぞ」
「んなこと言われても。普通に接してるだけなんだけど。強いていうならお前がナタルに対して大人みたいに接するからじゃね? いくら頭良いって言っても三歳児なんだからもっと三歳児に接する様にしろよ」
「ナタルは普通の三歳児じゃない。知識は一般的なコーディネイターの十歳くらいはある。僕の言っていることの意味は理解しているはずだ」
「理解してても納得できてないのかもよ」
「あくまでもどうやって懐柔したかタネは明かさないつもりか。まあ良い、ナタルの教育に悪影響ばかりという訳じゃないし許容範囲内だ
…
だが将来あの子が生み出す権利を守るのは親としての僕の義務だ。支払う準備はある。いくらでも請求してくれて良い」
「待てよ、本当に何もいらないし欲しくもないしそもそも子どもって金の問題じゃ無いだろ。いくら貰っても信頼してない奴には絶対卵子提供なんかしないけど?」
きっぱりと言い切られて益々理解できなかった。育児に注力すると宣言していたのに仕事に追われていつもコノエに子どもを預かってもらっているし、子ども達はハインラインよりチャンドラに懐いているまである。信頼される根拠がない。
「何で僕なんかを信頼してるんだ!」
「何でって言われても
…
逆にお前を疑う要素、何なワケ? なんかやましいことでもあんの?」
ハインラインの切実な問いかけに、チャンドラは心底わからないという顔をして問い返してきた。
「僕は一人で完璧にすると言った育児で、先生やチャンドラに頼りきりで
……
」
やましい事をしているつもりはないが、育児に関して有言実行できていない事には後ろめたさを感じている。天才と謳われたアルバート・ハインラインが満足に育児もできないなんて、悔しいし恥ずかしいに決まっている。
すると、チャンドラはまるで問題など微塵も無いと言わんばかりに朗らかに笑って言った。
「ははっ、お前何言ってんの? 一人で子育てができるわけないだろ。いくら天才でも無茶言うな」
「しかし、でも、先生のようには出来ない
…
ナタルにも嫌われるし
…
」
完璧な親であるコノエは一人で完璧にやっている。チラリとコノエに視線を向けるが肩をすくめて笑った。
「稀代の天才に完璧認定されるとは。大変光栄だがあまりにも過大評価だな。私は完璧な親では無いし、ダリダやナニーやノイマン、そして君の助けがなければ過ごせていないよ」
「心配すんなよ、完璧な親なんていないし、お前は十分良い親だと思うよ。ナタルとソーマのために毎日頑張ってるじゃん。ナタルはお前のこと嫌ってないし。むしろ大好きだよ」
「でもっ」
「さっきノイマンがうちに来た時ナタルがわんわん泣いてて全然泣き止まないから何でか聞いたら、アーニーとうさんがアル父さんに意地悪なこと言った! ひとりで泣いてるかもしれないから帰る!だってさ。絶対大好きじゃん。むしろ嫌われてるって思う方が失礼じゃね?」
「なっ、エッ
…
」
いつもツンツンしている娘がそんな事を言うなんて。俄かに信じられずコノエを見ればうんうんと頷いているし、ノイマンに視線を向けるときまりが悪そうに視線を逸らして「ナタルがお前を心配して帰るって言い張って泣いたのは事実だな。俺はお前に意地悪を言ったつもりはないが」と小さな声で言った。
「な! だからナタルはアル父さんだーいすき、なんだから心配すんなってぇ」
にぱっと笑ったチャンドラに言い切られて、嬉しいような、恥ずかしいような、苦しいような、信じられないくらい色々な感情が混じり合って複雑な気分になった。間違いなく人生で初めての感覚で、混乱する。
混乱のあまり親として良くやっていると褒められたのが煽られているようにすら感じる。
「で、でも。卵子提供についてはやはり納得できない。ナタルの生み出す利益が目的じゃないなら何なんだ。どうして見返りなく他人をそこまで信頼出来るんだ」
ハインラインが震え声で尋ねる。
「他人
…
」
目を見開くチャンドラ。そしてなぜか急に落ち込んだ表情になり、俯くことで視線を逸らされる。
どうしてか、そのわずかな所作に何故か手が震えるほど動揺して「あっ」と声が出た。
「あ〜、そっか
…
うん。他人だもんなぁ」
ハインラインとチャンドラは他人だ。間違いない。何も間違ったことは言っていないはずなのにこの居た堪れなさは何だ。過去の自分の感情の中から最もそれらしい名前を当てはめるなら、罪悪感ではなかろうか。
「アルバート! チャンドラに謝れ!」
するとノイマンが急に立ち上がって、怒鳴られた。
ビクッと身体が震えて、罪悪感はさらに大きくなった。やはり今自分はチャンドラに謝罪が必要なことを言ったようだ。罪悪感を抱く理由が自分でわからない。わからないことが怖くて言葉に詰まる。
「ノイマン、そんな大きな声出さなくてもいいだろ」
「お前はちょっと甘すぎるぞ。この距離感で金目当てとか他人とか言われて腹が立たないのか?」
チャンドラがノイマンの大声を諌めたが、それでも全く怒りがおさまっていない。
チャンドラはノイマンにとって大切な人だ。自分もノイマンの意思を尊重して考えうる限り配慮してきたはずで、危害を加えたつもりもない。
恐る恐る彼女を見るとチャンドラは落ち着いて静かに言った。その感情の篭らない声色も、いつも目を見て話すチャンドラが自分を見ないことにもショックを受けている。
「や、なんか、腹立つっていうか
…
勘違いしてたのかなぁって、むしろ恥ずかしいかも?」
「はぁ
…
アルバート
…
」
コノエにもこれみよがしなため息を吐かれて、罪悪感は更に増す。寂しそうなチャンドラと怒っているノイマンと呆れているコノエの表情を順に見て手のひらにじわりと変な汗をかいていく。それが不快で、着ていたシャツの腹のあたりを掴むことで拭った。何故か呼吸も浅くなって上手く息が吸えない。
「アルバートの言う通り。他人なんだから距離感気を付けてなかった自分が悪い」
へらっと笑うチャンドラが無理やり笑顔を作ったのは明らかだった。
コノエがチャンドラの腰を引き寄せて抱きしめ、髪にキスをして優しい声で呼ぶ。
「ダリダ」
「やだな、別に大丈夫。アルバートの感覚とか家庭の事情はわかりました。あとコイツマジで友達いなさそー
…
はは」
と、言いつつコノエにもたれかかって甘えたそぶりを見せるチャンドラ。全然大丈夫そうには見えない。
抱き寄せたチャンドラの肩から腕を撫でるコノエに睨まれてハインラインは緊張でぐっと手を握りしめた。コノエも明らかに怒っている。
「アルバート、ダリダに謝りなさい」
「ど、どうして
…
」
自分が失言したのは分かる。いま、チャンドラを傷つけたのは明らかだが理由がわからない。わからないまま謝罪すればまた同じミスを繰り返す。それを避けるために理由を尋ねるとまたノイマンからの責めるような視線が突き刺さって呼吸がし辛いほどの緊張が走る。
すると、チャンドラが場を和ますように明るく言った。
「アレクセイ、いいから。あのな、アルバート。えーと、実は、アルバートのことはノイマンのパートナーだし、勝手に友達って言うか、もう半分家族みたいなもんって思ってて
……
でも考えたら迷惑だよな。馴れ馴れしくてごめん。なんか
…
独りよがりで恥ずかしい」
チャンドラはへらりと笑ったが、色付きガラスのはまった眼鏡越しに青い瞳に涙が滲んでいるのを見て突然胸が痛んだ。
今、チャンドラは何と言った?
「僕が、家族
…
?」
ハインラインは更に混乱した。
ノイマンとは想いが通じ合うまでに五年かかった。その間に色々あったし、何度も意見が食い違いぶつかって、その度に擦り合わせて歩み寄って、紆余曲折を経てパートナーとして愛しあう関係になった。
しかし、チャンドラとはその様な過程を経ていない。むしろ彼女はノイマンとコノエ以外の男性に恐怖心があるため、怖がらせないようにと常に距離感には気を付けていた。それだけだ。
「良ければ解説を聞くかい? 君は暗黙の了解や空気感で構築されていく人間関係が苦手だ。言語化されている方が理解が深まるタイプだろう」
にこやかではあるが、冷えた視線を向けてくるコノエの申し出は、居た堪れ無さよりも神の救いの手の様に思えて、何度も頷く。
「まず、君はほぼ毎日我が家に来てダリダと顔を合わせている。ウィークデーは私がナタルとソーマの面倒を見ているから、その流れで君もノイマンもうちで夕食を食べて帰ることが多いだろう」
確かに会う頻度は高い。ソーマが生まれてオーブに戻ってから自宅で夕食を食べるのは月に数回あるかどうか。明らかにチャンドラ家で食事をする回数の方が多くなっている。
コノエの料理の腕が良いので、自宅で食べる冷凍ミールキットでは物足りないと思うし、下手に外食するより遥かに美味しい。子ども達の迎えの際に夕飯に誘われるのを期待していないと言えば嘘になる。
「休日になれば一緒に日用品や食材の買い物に行く。帰りにショッピングモールでアイスクリームを食べながら仕事の愚痴を言い合ってストレス発散する。仕事の話ならノイマンよりダリダとの方が盛り上がるはずだ。自覚していないかもしれないが君が惚気話をするのはダリダにだけだし、育児に関する悩みも共有している。お互いの家の記念日には招待し合う。ホリデーやバカンスも一緒に過ごしているじゃないか。縁の切れた肉親よりよほど近しい所にいる。子ども達にとってもノイマンにとっても、君にとってもダリダはかけがえのない人になっているのでは? 何せ君の莫大な資産の三割を渡しても良いと思える相手だ」
子どもたちを迎えにきて、チャンドラに「おつかれアルバート」と微笑みかけられるのが当たり前になったし、そんな日常がこれからもずっと続いて欲しい自分がいる。
新たな気づきを得たハインラインにコノエが更にわかりやすい解説をくれる。
「アルバート、君はダリダを大切に想っているよ。そしてノイマンと子ども達と同じように君もダリダに大切にされているということだよ。おめでとう、両想いだ」
コノエの説明が気持ちが良いほど胸にストンと落ちて、気付かされた。ナタルを介してチャンドラと繋がっていたいのだ。
「アレクセイ! 違うって、そんなんじゃないですが〜? アルバートは友達で、それだけで
…
」
ほんのり頬を染めたチャンドラが照れ隠しにコノエの膝をばしばし叩いて抗議している。その光景を見つめながら、自然と望みは口をついて出ていた。
「家族がいい」
「え」
「友達より家族の方がいい。アーニーや子ども達と同じ様にとまでは言わない。僕もそばに居させて欲しい」
コノエの言う通りだ。ノイマンのついでに付き合いがある程度の間柄だなんて、なぜそんな風に思い込んでいたのか。
娘に慕われる姿が羨ましくて、上手く娘と関われない自分が不甲斐なくて、嫉妬や羨望が綯い交ぜになって自分の望みを見失っていた。
チャンドラは照れ笑いしながら頭をかく。
「いや、まあ、別にいいけど
…
改めてそんなこと言われたら照れるな。あ、最初に家族みたいって言ったのはこっちか」
「ダリダがおおらかな人で命拾いしたな、アルバート」
コノエの嫌味も尤もで、返す言葉もない。すると照れたチャンドラがコノエを肘で小突きながら笑って言った。
「もー、両想いとかそんな大層なもんじゃないでしょ!
…
でもノイマンとアルバートに幸せになって欲しいと思うのは本当。子ども達をノイマンの子だからとか、アルバートの子だからって差別するつもりはないし、お金が欲しくて卵子提供したわけじゃないってのは理解してほしい」
ハインラインは血の繋がった肉親や、想いを伝えあったパートナー以外の相手から家族のように大切に想われて愛される事があるのだと考えたことが無かった。
だが実際にチャンドラは何の見返りもなく、ノイマンとアルバートの幸福を願ってくれている。そんな人も居るのだ。
それはもう、他人ではない。きっと、好きとか
愛している、大切で特別な人。家族。
ハインラインはテーブルに置いてあった焼き鳥セットの入った紙袋を手に取るとチャンドラに差し出して勢いよく頭を下げた。
「あっ、あの
…
チャンドラ。良かったら、この焼き鳥を
…
」
「え、ノイマンに持ってきたんだろ?」
「いや、渡す相手はチャンドラで合ってる。早く渡して謝れ」
腕組みしてずっとハインラインを睨みつけていたノイマンに言われ素直に心から謝罪した。
「た、大変申し訳なく
…
」
とんでもなく失礼な態度を取り、暴言を吐いた。チャンドラの傷付いた表情を思い出して罪悪感でみっともなく声が震え、顔を上げられない。
「何突然かしこまってんの。怒ってないって!」
笑い飛ばしてくれるチャンドラに少し安堵してゆっくり顔を上げたが、ノイマンとコノエに引き続き睨まれていて背筋が冷えた。
「チャンドラ、僕を親友だと、家族同然だと思ってくれるか」
もう一度、焼き鳥の入った袋を差し出し、九十度以上腰を折って頭を下げる。
ぽかんとして黙ってしまったチャンドラ。動けなくなっているハインラインにコノエが助け舟を出してくれた。
「ダリダ、受け取ってあげなさい。反省しているようだし謝罪を受け入れてやったらどうかな?」
「いやだから怒ってないんだけど? なんか、こう
…
家庭の事情と育児疲れが重なっただけじゃん。天才だってストレス溜まってパニックになることもある! な、謝罪も何もなくない? とりあえず頭上げろよ」
「寛大で素晴らしい、さすがダリダ。人は心から尊敬する相手には自然と頭が下がるものだよ」
「寛大かな、コレ
…
まぁいいや。えーと、じゃあ焼き鳥もらうわ。ほんとに怒ってないからもう気にすんな」
チャンドラがソファから立ち上がってハインラインの手から焼き鳥セットの入ったビニール袋を受け取ってくれた。
「わー、いっぱい買ってきてくれてありがとな。あとでみんなで夜ご飯に食べよう」
早速袋の中を覗き込んで笑顔になるチャンドラを見てホッとした。はぁ、と安堵の息を吐いたところで小柄なチャンドラの視線が見上げてくる。
余程悲壮な表情になっていたのだろう、目が合った瞬間、ぱっと笑顔になって「ほんとに、気にすんなよ!」と言ってバシッと二の腕を叩かれた。そのいつも通りの気安い雰囲気に泣きたくなった。
パートナーの親友は、娘の遺伝子提供者は、本当に得難い優しくてあたたかい人だ。
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