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こꯓレ)ろ🌟🦄🌈🌟
2026-01-10 19:17:49
17187文字
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ハイノイほにゃっと小説
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天才の学び
ほにゃっと時空の話。
同人誌の3巻に収録しようと思ったけど全然書けなくて行き詰まってお蔵入りになってしまったものをコネコネコネコネ捏ねまわしてやっと完成したもの。
一年越しにもう一度お蔵入りテキストと向き合って何とかキリの良いところまで書きました。
チャ誕に間に合って良かった。チャ♀の総愛され話です。おたおめチャ🥳🎊🎉✨🎂
最後まで書けてないのでそれはまた後日書く。
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2
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4
♦︎
現在、ハインラインは子育てについて悩んでいる。
ここ数年育児書は大量に読み込んでいるが、だいたい似たようなことしか書いていない上に、現実には本に書いていない想定外のことばかり起きる。
子どもという生き物はとにかく個人差が大きく、一瞬目を離した隙に命に関わるような遊びをしていて、親は秒単位で起きるイレギュラーに臨機応変に対応し続けなければならない。
モビルスーツのOSにバグの出ない美しいコードを書いて想定通りに動かせば評価を得られる仕事の方が余程簡単に思える。
完璧に出来ると思っていた育児の難易度が思ったよりもずっと高かったこと、またそれに対応しきれていないことはハインラインに多大なストレスを与えていた。
タスクを百パーセントこなすのはハインラインにとって当然だった。なんなら与えられたタスクの二百パーセントの結果を出し続けてきたのに、殊育児に関しては百パーセントどころか四十パーセントの達成率も怪しい。
現在、ハインライン家は育児のみならずそれに付随する家事についても半分以上コノエの助けを借りてやっと回っている状態だ。
コノエがチャンドラの遺伝子を受け継ぐ子ども達の養育に高いモチベーションを持ち、生活の中心を育児に据えているからこそ、ハインライン家の生活が回っていると言っても過言ではない。
彼は知略に長けた極めて有能な軍人だったが、育児においてもその才能は遺憾なく発揮されている。予め対策を準備し、不測の事態に臨機応変に対応し続けることに高い適性がある。
ハインライン家でも家事は最新の家電やシステムを導入し殆ど全てをオートメーション化してあるし、潤沢な資金もある。コノエほど家事育児に従事する時間が確保できなくても、数値的にはチャンドラ家とハインライン家のスペックは拮抗しているはずだった。
それなのに全く想定通りにいかない。
まして、ハインラインが納得できないのはチャンドラの存在だ。
ハインラインと同じくフルタイムで働いているのに、家ではそつなく育児をこなし、何より子どもたちに慕われている。
認めたく無い事実ではあるがナタルもソーマも、ハインラインよりもチャンドラの方に懐いているのは明らかだ。
ごく普通のナチュラルに出来て、能力的にも身体的にも優秀な自分に出来ないはずはないのに、なぜチャンドラの方が子ども達に懐かれているのか。
チャンドラはいつも笑顔で子どもたちに接しているのに対して、自分はイライラして声が大きくなってしまうのはなぜなのか。
理由のわからない疑問を放置することが苦手なハインラインにとってこれは多大なストレスになっていた。
♦︎
「やだ! アルとうさんキライ! おうちかえらない!」
数日後、仕事終わりに託児を頼んでいたチャンドラ家に子ども達を迎えに行くとナタルが帰宅を拒否して、チャンドラから離れない。
朝、家を出る時間になっても絵本に夢中で中々支度しない娘に焦れて怒鳴ってしまった事が原因だ。朝もギャン泣きしてノイマンが宥めてやっと車に乗せたが、夕方になっても機嫌は直っていなかった。チャンドラの脚に抱きついて離れないナタルにハインラインは苛ついてしまう。
うとうとしてぐずっているソーマを抱いているので、ナタルを抱き上げる事ができないし、家ではノイマンが夕食の支度をして待っている。持ち帰りになった仕事もある。子どものわがままに付き合っている暇はない。
「ナタル、もう一度言うぞ。急いで帰る支度をしろ」
「イヤ!」
「お前のわがままを聞いている暇は無い」
「ヤダ!」
「っ! お前は朝も
…
」
一歩も引かずに主張してくるナタルに焦れてまた大きな声を出しそうになったところでチャンドラがしゃがんでナタルの両手を取り、視線を合わせて言った。
「ナータール。今日はもう帰る時間だからまた明日遊ぼう? ナタルと遊ぶために明日も急いで帰ってくるからさ」
「やだもん
…
」
帰りたくないと渋るナタルにチャンドラは笑顔で接する。
「ナタルが本読むの上手になっててびっくりしたし、ナタルが読んでくれた方が自分で読むより面白かった! だから明日は別の本読んできかせて欲しいんだけどなぁ」
「ほんと
…
? ナタル、じょうずだった?」
「うん、明日も読んでよ。楽しみにしてる!」
「じゃあ、あしたも読んであげる。帰ってアーニーとうさんと練習してくる」
「うん、ノイマンによろしく」
ものの数秒、あっという間にチャンドラはナタルの意志を変えた。
ナタルは笑顔でチャンドラに「じゃあ、バイバイ。また明日ね」と可愛らしく微笑んで挨拶しハインラインの手を取る。
「アルバート、おつかれ〜。また明日」
チャンドラが立ち上がってハインラインにも手を振って見送ってくれた。
車に子ども達を乗せて、運転席でハンドルを握りながらハインラインは釈然としないものを感じていた。
まただ。ナチュラルのチャンドラに出来て、コーディネイターの自分に出来ないはずは無いのに。なぜこうも上手くいかないのか。
チャンドラの余裕の表情が気に入らない。機嫌良くチャイルドシートにおさまった娘の鼻歌すら、耳障りだった。
ハインラインは初めての挫折と劣等感を自分の中でうまく消化出来ないでいた。
ナタルはチャンドラに本当によく懐いている。
家で話すのはほとんどチャンドラとコノエの事だし、チャンドラ家で何をした、何を食べた、どんなおもちゃで遊んだ、おもしろい本を読んだと延々とノイマンに語っている。
ノイマンが「ナタルは本当にチャンドラが好きだなぁ」と笑っていたら、当たり前のように「うん。ダリダがいちばんだーいすきだよ!」と答える。
父親であるハインラインには「キライ!」なのにチャンドラのことは「一番大好き」とは、随分と態度が違うではないか。
帰宅して子ども達をベッドに入れたハインラインは書斎で一人持ち帰りの仕事を片付けながら考える。
苛立ちに任せてタイピングする手に無意識に力が入る。確かに最近はチャンドラやコノエの助力に頼って子育てしているが、生まれた時から一番近くに居て、世話して来たのは自分だ。
父親であるハインラインを差し置いて他人であるチャンドラが一番に慕われる理由は何だ。
セキュリティの問題もあって、ナニーの手配が出来ないことも多くソーマが生まれて以降はほぼ毎日コノエに預かってもらっているからチャンドラ家に滞在している時間は確かに多いがウィークデーはチャンドラにも仕事があり不在だ。一緒に過ごす時間は大して多くない。
たまに早く帰った時くらいしか接する機会は無いはずなのにあんなに懐かれるなんて不可解だ。
ハインラインの優秀な頭脳は、チャンドラはナタルを過剰に甘やかしているのではないか、という仮説を立てた。
ナタルはハインラインの娘だ。まだ三歳にもなってないのに公用語はほぼ完璧に読めるし、オーブ語も大体理解している。
ハインラインの作った勉強のカリキュラムもコノエの指導のもと順調にこなしており、既に一般的なコーディネイターの七〜八歳程度の学力がある。分野によってはもっと先んじている科目すら。
ナタルはハインライン家の名を冠するに相応しい天才なのだ。将来性は計り知れない。
ハインラインの前ではチャンドラは節度を保った振る舞いで子ども達に接しているが、実際のところはどうなのだろう。
ハインラインの見ていないところで幼いナタルを甘やかして懐柔し、コントロールしようとしているのでは。こっそり菓子やオモチャを与えて気を引いているのかもしれない。
ノイマンに禁止されている為、チャンドラのハロの録音や録画データを見ることは出来ず、ナタルやソーマのハロのデータもチャンドラ家に預けている間のものはプライバシーの観点から緊急時以外の閲覧は禁止の上、確認する際はチャンドラやコノエの許可を取るようにと言われている。
とは言え、ハインラインの作った護衛ロボであり、閲覧ログが残らないようにデータ確認するなど造作もない。最近は忙しくて確認できていなかったし、不穏な部分があれば警戒しておくべきだ。
そもそも、卵子提供にあたり見返りはいらないと言って何も受け取ってくれないのも腑に落ちない。
彼女との間で事前に取り決めたのはハインラインとノイマンに不測の事態が起こり子どもを養育できなくなった場合に保護する方法だけ。それも正確に言えばチャンドラの遺伝子を受け継いだ子を手元に置きたい思惑があるコノエの発案だったがいざナタルが生まれてみれば、チャンドラが打算的な考えを抱かないという保証はない。
ハインラインはノイマンと結婚するためにチャンドラに卵子提供を頼むしかなく、チャンドラはいくらでもハインラインの足元を見ることが出来たはずなのに恩着せがましくされたこともないし、子ども達への距離感もハインラインの望んでいたものだ。
それらの好意的な態度はハインラインから取れる最高額を引き出すために、ナタルを懐柔しながら成長を待ってその価値を見定める期間の隠れ蓑なのでは。
ハインラインはこの仮説が限りなく正解に近い気がした。
しかして、コノエが居なければハインライン家の生活が成り立たないのも事実。今や子ども達にとってもノイマンにとっても、育児に十全に携われないハインラインにとってもチャンドラ家はなくてはならない存在となっている。
何かしら請求されてもハインラインに断る理由は無い。むしろ相応の資産を渡して然るべき相手と言える。ならばむしろお互い納得できる契約に基づき、報酬の授受を経た方がスッキリできるはずだ。
♦︎
その週末、珍しく連休が取れたので自宅でゆっくりと過ごす事ができた。
買い物を済ませて家の片付けと庭を整備したあと、子ども達がリビングでテレビを見ている間にノイマンとコーヒーブレイクの時間が取れた。
安全に整えたリビングの子どもたちの様子をカウンターキッチンごしに見ながらノイマンと並んで立ったままチョコレートをつまむ。
チョコをぽいぽいと口の中に入れるノイマンに、淹れたてのコーヒーを差し出しながらチャンドラに対して考えていることを報告した。
「チャンドラに僕の資産を分けようと思う」
「はぁ? そりゃまたどうして」
ノイマンはチョコレートを口の中に放り込む手を止めてハインラインを見てくる。
「もちろん、卵子提供の対価だ」
「何も要らないって言ってたじゃないか」
「アーニーの
…
ソーマの分はともかく、僕に無償提供してくれるとは考えていない」
「なんで」
「理由が無い」
「理由って、お前
…
本気で言ってるのか?」
「うん?」
「本当にわからないのか?」
ノイマンの声色は徐々に強張って、向けられる剣呑な視線に気付いて言葉に詰まった。
「アーニー
…
何?」
「前からたまに思ってたけど、お前って結構寂しい育ち方してないか?」
「どういう意味だ。僕は最高の教育と環境を与えられてきた。研究開発に打ち込めるように優遇されていたし、期待以上の成果を上げて評価されてきた自負もある。寂しいなんて言われる筋合いはないと思うが」
寂しいだなんて初めて言われた。哀れまれて良い気分になるはずはなく、苛立って問い返したがノイマンは少し呆れたような声色で要領を得ないことを言う。
「そういうことじゃない。お前はチャンドラが俺たちにくれてるものが理解できてないんだろ」
「どういうことだ? チャンドラは卵子提供者だろう。それ以上でもそれ以下でもない」
「アルバート
…
あのな、何から言ったらいいのか」
頭をかきながらノイマンが言葉を選ぼうと考え込む。
「何なんだ。明確な言語化を求める」
「つまり、あー、なんだ。俺たちが親として至らないところは全部コノエさんとチャンドラが補ってくれてる。ナタルとソーマをセレネと同じように面倒見てくれて
…
二人ほど親身になってくれる存在があるか?」
「確かに僕が育児について完璧に対応できていないのは認める。生活のかなりの部分を先生に頼っているからこそ、それらのサポートの対価も含めて支払っておきたい。そもそもチャンドラや先生が今後見返りを求めてこないとなぜ言い切れる? ナタルの成長を待ってあの子の価値を見定めて請求額を決めてくる可能性も
…
」
「待て。確認だけど、チャンドラやコノエさんが金目当てで卵子提供したり、子どもの面倒見てくれてるって言いたいのか?」
「有体に言えばそうだ。もちろんソーマについてはアーニーの為というのもあるだろうが、ナタルは
…
」
「チャンドラがそんなことするわけないだろ!」
ノイマンはバンッとテーブルを叩いて怒鳴った。
大きな音に驚いた子どもたちの視線が同時にキッチンに向けられたのがわかる。
「
…
っ! アーニー
…
?」
「いい加減にしろよ。ナタルの価値だと? お前は自分の子どもが金にかえられるとでも思ってんのか!」
未だかつてない勢いで怒鳴られて、ハインラインは驚いて身体が竦んだ。
「見損なった
…
」
「えっ」
「チャンドラを馬鹿にしてるだけじゃない、ナタルのことも道具か何かと思ってるんだな」
「そんなことは」
「触るな! ついてきたらその時点で離婚する!」
手を伸ばしたらバシッと叩き落とされ、ハインラインは怒鳴られた衝撃と離婚というパワーワードに驚いて固まった。
ノイマンはリビングに行くとナタルとソーマを抱き上げて出て行ってしまう。
ハインラインが呆然としていたらノイマンはいつの間にか子ども達を連れて家を出ていた。
端末に連絡しても出ないし、子ども達のハロもノイマンの保護者権限でオフにされ、二機とも駐車場に放置されている。
慌ててチャンドラに連絡したら、やはりノイマンはチャンドラの家に行っていた。
『かなりキレてるけど何したんだ? 特大地雷踏んだ? もしかして浮気してたのバレた?』
「浮気なんてするわけないだろう。今から行っても?」
『ノイマンは絶対来るなって言ってる。来ても会わないって』
「どうしたら
…
」
『あのさぁ、絶対来んなってのは反省したら来いって意味だよ。わかれよ。怒らせた理由わかってんだろ? あ、言っとくけど手ぶらで来るなよ? ノイマンの機嫌が良くなりそうなもの持ってくるんだぞ。ちょっとした心遣いが人間関係を円滑にする』
「アーニーの好きなもの? アークエンジェル
…
?」
『あー、ごめん。例えが悪かったわ。つか、アークエンジェルはちょっとしたモンじゃないだろ。もっと簡単なものでいいよ。とりあえずビールと焼き鳥買ってこい。焼きそばはウチにある』
「ありがとうチャンドラ、すぐに行く!」
ハインラインは通話を切った端末を握りしめガレージに走った。
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